Q1. ふつうの蒙古斑と異所性蒙古斑はどう違いますか?
違いはできた場所です。おしり、腰、背中に出るものがふつうの蒙古斑、それ以外の顔、腕、足、おなかなどに出たものが異所性蒙古斑です。皮膚の中で色素がある深さは同じですが、異所性蒙古斑のほうが消えにくく、こちらはレーザー治療が保険診療の対象になります。
異所性蒙古斑
異所性蒙古斑とは、背中やおしりといった体の背中側以外の場所にできた蒙古斑のことです。生まれつきある点はふつうの蒙古斑と同じですが、消えにくいという違いがあり、レーザー治療は保険診療の対象になります。
蒙古斑は、日本人の赤ちゃんのほとんどに見られる青みがかったあざです。おしり、腰、背中に出るものは、多くが自然に消えていきます。この蒙古斑が、顔や腕、足、おなかなど、本来出る場所以外に現れたものを異所性蒙古斑と呼びます。
皮膚の中で色素がある深さは、どちらも同じです。生まれつきある点も変わりません。違うのは、できた場所です。そしてできた場所によって、消えやすさと、保険で治療できるかどうかが変わります。
| ふつうの蒙古斑 | 異所性蒙古斑 | |
|---|---|---|
| できる場所 | おしり、腰、背中 (肩甲骨のあいだを含む) | 顔、腕、足、おなかなど、それ以外の場所 |
| 出はじめる時期 | 生まれつき | 生まれつき |
| 自然に消えるか | 10歳から11歳ごろまでにほとんどが消える | 消えにくく、残ることがある |
| 治療 | 多くは経過をみる | 残りやすい場合はレーザー治療 |
| 保険の適用 | — | 対象 |
ふつうの蒙古斑は、5歳から6歳の時点で半数ほどに残っていますが、10歳から11歳ごろには3%前後まで減ります。ところが異所性蒙古斑はこれより残りやすいことが分かっています。子どもの青いあざは何歳までに治療すべき?で、消える見込みの読み方を解説しています。
蒙古斑は、皮膚がつくられる過程で、本来なら表皮に移動するはずのメラニン色素をつくる細胞が、真皮という深い層にとどまることで生じます。妊娠中の過ごし方や出産時の状況が原因ではありません。
メラニン色素をつくる細胞は、おなかの中にいる時期に、神経のもとになる組織から皮膚に向かって移動します。その途中で真皮にとどまり、そこで色素をつくっているのが蒙古斑です。とどまる場所は真皮の中ほどから深いところで、表面の表皮では色素は増えていません。ここが、表皮に色素が増えるシミとの決定的な違いです。塗り薬が効かないのも同じ理由です。
青みを帯びて見えるのも、この深さのためです。皮膚の深いところにある色素ほど、光の性質によって茶色ではなく青や灰色に見えます。
お母さまが自分のせいだと感じられる必要は、まったくありません。診察でよくうかがうお気持ちですので、最初にお伝えしています。
なお、生まれつきの青いあざには、顔の片側に出る太田母斑という別のものもあります。詳しくは太田母斑・ADMのページをご覧ください。
異所性蒙古斑と太田母斑は、どちらも真皮に色素があるあざですが、出る場所と左右差、そして白目に色素がつくかどうかで見分けます。保険の扱いはどちらも同じで、レーザー治療の対象になります。
| 異所性蒙古斑 | 太田母斑 | |
|---|---|---|
| 出はじめる時期 | 生まれつき | 生まれてすぐ〜1歳ごろ、または思春期ごろ |
| 出る場所 | 顔、腕、足、おなかなど。体の広い範囲 | 顔の下まぶたとほおに多い |
| 左右差 | 部位による | 顔の片側に出ることが多い |
| 白目の色素 | つかない | 約半数につく |
| 色素のある深さ | 真皮の中ほどから深いところ | 真皮の浅いところから中ほど |
| 自然に消えるか | 消えにくいが、消えることもある | 消えない |
見分けの決め手になるのは白目です。太田母斑では白目にも色素がつくことがあり、国内で280名を調べた報告では49%に見られました。異所性蒙古斑ではこれがありません。診察では、あざだけでなく白目も確認しています。
もうひとつ、お子さんの場合に間違われやすいのが打撲によるあざです。ぶつけた覚えがないのに青あざがある、というご相談をいただきますが、生まれたときからあるかどうかが手がかりになります。母子手帳や新生児期の写真があると判断しやすくなりますので、受診の際にお持ちください。
また、あざだと思って受診された方が、診察でほくろなど別のものと分かることもあります。その場合はレーザーではなく手術が必要になることがあります。ほくろのページもあわせてご覧ください。
色が濃い、範囲が広い、数が多いなど、残りやすい特徴を持つ異所性蒙古斑が、治療を検討する対象になります。すべての異所性蒙古斑をすぐ治療するわけではありません。
様子を見ましょうと言われて、そのまま何年も過ごしてこられたご家族は少なくありません。その説明自体は間違っていません。ただ、様子を見てよいものと、待つほど不利になるものが混ざっているのが実際のところです。見分ける手がかりはあります。
これらに当てはまるほど、自然に消える見込みは下がります。ご自身のお子さんがどれに当てはまるかは、診察でお伝えできます。
ふつうの蒙古斑は10歳から11歳ごろまでにほとんどが消えますが、11歳を過ぎると自然に消えることは期待できなくなります。さらに、14歳以降に残っていた例を対象とした報告では、レーザー治療を行っても30%で色の改善が十分ではありませんでした。
つまり、待つことで消える可能性がある一方、待ちすぎると治療の効きも落ちるという関係にあります。この見極めが診察の役割です。
何歳までに判断すればよいか、自然に消える見込みをどう読むかについては、子どもの青いあざ(異所性蒙古斑)は何歳までに治療すべき?で詳しく解説しています。
異所性蒙古斑の治療はQスイッチレーザーが標準で、真皮のメラニン色素にだけ吸収される波長の光を、ごく短い時間で当てて色素の粒を砕きます。
砕かれた色素は、体の中の細胞に取り込まれて時間をかけて運び出されます。照射した直後ではなく、数か月かけてゆっくり薄くなっていきます。翌週に変化がないからといって、効いていないわけではありません。
あざの色調と深さ、部位、年齢に応じて使い分けます。詳細はトライビームPREMIUMとディスカバリーピコプラスのページをご覧ください。
保険診療では、3か月以上の間隔をあけた照射が算定の条件です。ただし実際の診療では、照射後の色素沈着が落ち着くまで待ち、6か月以上あけることが推奨されています。間隔を詰めても仕上がりが早くなるわけではなく、かえって次に述べる色素脱失のリスクが上がります。
照射した部分にかさぶたができることがあります。1週間から10日ほどで自然に取れますので、無理にはがさないでください。機種や出力によってはかさぶたができないこともありますが、効いていないということではありません。
照射のあとに一時的に色が濃くなる炎症後色素沈着が出ることもあります。数か月かけて薄くなりますが、この期間に日焼けをすると長引きます。
回数を重ねるほど、照射した部分が周囲より白く見える色素脱失が起こりやすくなります。異所性蒙古斑の治療についての報告では、ルビーレーザーとアレキサンドライトレーザーで照射した53部位のうち45%程度に色素脱失が見られ、手足よりも体に生じやすいとされています。間隔をあけること、必要以上に回数を重ねないことが、この副作用を避ける鍵です。当院では色の引き具合を確認しながら、次の照射時期をご相談しています。
異所性蒙古斑のレーザー治療は保険診療の対象で、回数の上限はレーザーの機種によって分かれます。ルビーレーザーは同じ部位に初回を含めて5回までと定められていますが、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーには、回数の上限が定められていません。
| レーザーの種類 | 保険で治療できるあざ | 同じ部位に受けられる回数 |
|---|---|---|
| Qスイッチ付ルビーレーザー | 異所性蒙古斑、太田母斑、外傷性色素沈着症、扁平母斑など | 初回を含めて5回まで(扁平母斑は2回まで) |
| Qスイッチ付アレキサンドライトレーザー | 異所性蒙古斑、太田母斑、外傷性色素沈着症など。扁平母斑には使えません | 上限は定められていません |
| Qスイッチ付ヤグレーザー | 異所性蒙古斑、太田母斑、外傷性色素沈着症 | 上限は定められていません |
5回までと説明しているところと、制限はないと説明しているところがあるのは、このためです。どちらも間違いではなく、どのレーザーを使うかによって答えが変わります。そして当院はQスイッチ付ヤグレーザーを備えているため、5回で色が十分に薄くならない場合でも、保険診療のまま治療を続けることができます。
頭頸部、右上肢、左上肢、右下肢、左下肢、胸腹部、背部という7つの部位に分けて数えます。複数の場所にあざがある場合、それぞれ別に数えます。異所性蒙古斑は複数の部位に出ることがあるため、実際の回数はご家族が思っているより余裕があることが多いです。
診療報酬には3歳未満の乳幼児に照射した場合の加算が設けられており、制度のうえでも乳幼児期からの治療が想定されています。お子さんの場合は子ども医療費助成が使えますので、窓口でのご負担はお住まいの自治体が定めた額になります。
なお、単なる美容を目的とした場合は保険では算定できないという定めがあります。異所性蒙古斑と診断できれば保険診療の対象ですので、まずは診察で確かめさせてください。費用の目安は異所性蒙古斑のレーザー治療費用のページでも解説しています。
異所性蒙古斑は2回から3回の照射で良好な結果が得られることが多いあざです。ただし蒙古斑は太田母斑よりも照射の間隔を長くとる必要があるため、期間としては1年前後を見ておいてください。
必要な回数は、色の濃さ、深さ、範囲、部位、年齢によって変わります。そのため、あらかじめ何回で終わりますとお約束することはできません。ただし傾向としてはっきりしていることがあります。
日本レーザー医学会誌の報告では、治療を早く始めた場合ほど少ない回数で色調の改善に至り、総治療期間も短くなるとされています。皮膚が薄いほどレーザーの光が色素まで届きやすく、体が小さいほど一度に照射しやすいためです。
3回の照射で3か月間隔なら約9か月、間隔を6か月あける場合は1年半ほどになります。始めるのが遅いほど、終わるのも遅くなります。いつ始めるべきかの考え方と、小さなお子さんへの照射でご心配な点は、子どもの青いあざは何歳までに治療すべき?で詳しく解説しています。
子ども医療費助成が使えるのは、船橋市・習志野市・八千代市とも18歳に達した後の最初の3月31日までです。これを過ぎると、同じ保険治療でも窓口でのご負担が大きく増えます。
お子さんの異所性蒙古斑の治療は、保険診療に加えて子ども医療費助成が使えます。受給券をお持ちであれば、窓口でのご負担はお住まいの自治体が定めた額のみです。船橋市と八千代市では通院1回あたり300円です。対象年齢や金額はお住まいの市によって違うことがありますので、詳しくは各自治体のページでご確認ください。実際の費用の目安は異所性蒙古斑のレーザー治療費用で解説しています。
3回の照射が必要な場合、3か月間隔で約9か月、6か月間隔なら1年半かかります。助成の期限から逆算すれば、いつまでに始めればよいかがおのずと決まります。回数が多く必要なケースでは、さらに前倒しで考える必要があります。
費用の面からも、治療の反応の面からも、早めにご相談いただいて不利になる点はありません。とくに範囲が広い場合や数が多い場合は、早めにお越しください。治療を急ぐべきかどうかも含めてお伝えします。
照射後3か月は日焼け対策を続けることが、異所性蒙古斑の仕上がりを大きく左右します。レーザーのあとに一時的に色が濃くなる炎症後色素沈着が起きやすいためです。
SPF30・PA+++以上の日焼け止めを使い、塗り直しは2〜3時間おきを目安にしてください。曇りの日でも紫外線量は晴天時の6割程度あります。日焼け止めが使いにくい月齢のお子さんは、衣類や日よけで物理的に覆うだけでも違います。
1週間から10日ほどで自然に取れます。取れる前にはがすと、色素沈着や跡が残る原因になります。お子さんが気にしてさわる場合は、ガーゼなどで軽く覆ってください。かさぶたが出ない場合もありますが、効いていないということではありません。
色素沈着が引かないうちに重ねると、色素脱失のリスクが上がります。早く終わらせたいお気持ちは分かりますが、間隔を守るほうが結果的に近道です。
同じ照明、同じ距離、同じ角度で撮り、定規やメジャーを一緒に写しておくと大きさの変化まで分かります。数か月かけてゆっくり薄くなるうえ、お子さんの成長とともにあざも広がるため、記録がないと変化に気づきにくいのです。
当日の入浴はぬるめのお湯で短時間なら問題ありません。保育園や幼稚園は基本的に通えます。個別の判断が必要な場合は診察時にお伝えします。
おしり、腰、背中以外に青いあざがあるなら、消えるかどうかを見極めるために一度ご相談ください。次のような場合が受診の目安です。
異所性蒙古斑の診断と治療は保険診療となりますので、通常の保険診療でご予約ください。受給券をお持ちの場合は、あわせてお持ちください。初診で治療を始める必要はありません。まず種類を見極め、治療を急ぐべきかどうかをお伝えします。
母子手帳や、これまでに撮った写真があればお持ちください。生まれたときからあったかどうかが分かると、判断がしやすくなります。
違いはできた場所です。おしり、腰、背中に出るものがふつうの蒙古斑、それ以外の顔、腕、足、おなかなどに出たものが異所性蒙古斑です。皮膚の中で色素がある深さは同じですが、異所性蒙古斑のほうが消えにくく、こちらはレーザー治療が保険診療の対象になります。
異所性蒙古斑のレーザー治療は保険診療の対象です。回数の上限はレーザーの機種によって分かれ、ルビーレーザーは同じ部位に初回を含めて5回までですが、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーには上限が定められていません。当院はQスイッチ付ヤグレーザーを備えているため、5回で色が十分に薄くならない場合でも保険診療のまま続けることができます。
使えます。異所性蒙古斑の治療は保険診療ですので、受給券をお持ちのお子さんは窓口でのご負担がお住まいの自治体の定めた額のみになります。助成は船橋市・習志野市・八千代市とも18歳に達した後の最初の3月31日までが対象で、これを過ぎると同じ保険治療でもご負担が大きく増えます。
残りやすい特徴を持つものが対象になります。色が濃い、範囲が広い、とくに直径10センチを超える、数が多い、境界がはっきりして帯状に分かれている、といった特徴があるほど自然に消える見込みは下がります。すべての異所性蒙古斑をすぐ治療するわけではありませんので、まず診察で見極めます。
2回から3回の照射で良好な結果が得られることが多いあざです。ただし蒙古斑は太田母斑よりも照射の間隔を長くとる必要があるため、期間としては1年前後を見ておいてください。必要な回数は色の濃さや範囲、年齢によって変わるため、あらかじめお約束することはできません。
異所性蒙古斑は生まれつきで、顔だけでなく腕や足、おなかなど体の広い範囲に出ます。太田母斑は顔の片側、とくに下まぶたとほおに出ることが多く、白目にも色素がつくことがあります。国内で280名を調べた報告では白目の色素沈着が49%に見られました。異所性蒙古斑ではこれがありません。保険の扱いはどちらも同じです。
輪ゴムで軽くはじかれるような感覚があります。部位や範囲によっては麻酔のクリームやテープを使います。診療報酬にも3歳未満の乳幼児に対する加算が設けられており、制度のうえでも乳幼児期からの治療が想定されています。小さなお子さんへの照射でご心配な点は、子どもの青いあざは何歳までに治療すべき?のコラムでも解説しています。
照射した部分が周囲より白く見える色素脱失が起こることがあり、回数を重ねるほどリスクが上がります。異所性蒙古斑の治療についての報告では、ルビーレーザーとアレキサンドライトレーザーで照射した53部位のうち45%程度に色素脱失が見られ、手足よりも体に生じやすいとされています。当院では色の引き具合を確認しながら次の照射時期をご相談し、必要以上に回数を重ねないようにしています。
失敗ではありません。レーザーの機種や出力によっては、かさぶたができないこともあります。砕かれた色素は体の中の細胞に取り込まれて時間をかけて運び出されるため、変化は数か月かけて現れます。照射の翌週に見た目が変わらなくても、効いていないということではありません。
異所性蒙古斑は、おしりや腰、背中以外にできた蒙古斑で、ふつうの蒙古斑より消えにくいあざです。レーザー治療は保険診療の対象で、お子さんは医療費助成も使えます。
すべてをすぐ治療するわけではありません。色が濃い、範囲が広い、数が多いといった特徴があるほど残りやすく、治療を検討する対象になります。
当院はQスイッチ付ヤグレーザーを備えているため、5回で色が十分に薄くならない場合でも保険診療のまま続けられます。そして早く始めたほうが、少ない回数で済む傾向があります。
ふじもと皮フ科クリニックでは、皮膚科専門医がまず残りやすい特徴に当てはまるかを見極め、治療を急ぐべきかどうかをお伝えします。船橋・習志野・八千代エリアでお子さんの青いあざにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会認定専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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