みずいぼ(伝染性軟属腫)
みずいぼ(伝染性軟属腫)
みずいぼは、伝染性軟属腫ウイルスがうつってできる、7歳以下のお子さんに多い発疹です。多くは自然に治りますが、治るまでには6か月から3年ほどかかります。

みずいぼは、伝染性軟属腫ウイルスが皮膚に感染してできます。正式な病名は伝染性軟属腫といいます。水っぽい光沢があっていぼのように盛り上がるため、みずいぼと呼ばれています。
見た目は、直径2〜5mmのドーム状の盛り上がりで、中心が少しくぼんでいるのが特徴です。中身は水ではなく、モルスクム小体と呼ばれるウイルスを含んだ白っぽい塊です。この中身が皮膚につくことで、次の場所へうつっていきます。
うつってから発疹が出るまでは2〜7週、ときに6か月までかかります。心当たりのある日から1か月以上あとに出てくることも珍しくありません。いつどこでうつったのかを特定できないことのほうが多い病気です。
みずいぼは学校感染症の第三種その他の感染症に分類されます。この病気を理由に、幼稚園・保育園・学校を休む必要はありません。
みずいぼかどうかは、中心のくぼみで見分けます。手足のいぼ・とびひ・あせもとは、原因も治し方も違います。
まぎらわしい4つを並べます。
| 発疹 | 見た目 | 原因 | 治し方 |
|---|---|---|---|
| みずいぼ | 2〜5mmで光沢があり中心がくぼむ | 伝染性軟属腫ウイルス | 経過を見るか摘除する |
| ウイルス性のいぼ | 表面がざらつき硬い。くぼみはない | ヒトパピローマウイルス | 液体窒素などで繰り返し治療する |
| とびひ | 水ぶくれが破れてじくじくする | 細菌 | 抗菌薬を使う |
| あせも | 汗をかく場所に赤い小さなぶつぶつ | 汗の出口のつまり | 汗を流して冷やす |
手や足の裏にできる硬いいぼは、みずいぼとは別のウイルスによる別の病気です。治し方も変わります。くわしくはいぼ・ウイルス性疣贅のページをご覧ください。
じくじくして黄色いかさぶたがつくときは、みずいぼではなくとびひのことがあります。とびひは細菌の感染で、抗菌薬が必要になります。掻き壊した場所にとびひが重なることもあるため、赤みや浸出液が強いときは早めにご相談ください。
ご自宅で写真を撮っておいていただくと、診察のときに変化を追いやすくなります。
みずいぼは、こすれる場所と皮膚の薄い場所にできます。清潔にしていなかったからできるものではありません。
できやすい場所は次のとおりです。
なりやすいお子さんには、はっきりした傾向があります。
湿疹を短期間でしっかり抑えてから、速やかにみずいぼを取るのが当院の考え方です。
みずいぼのある場所に塗り薬を使い続けると、みずいぼが広がることがあります。ただし、だから塗り薬をやめればよい、という話ではありません。湿疹が残り続けていても、掻くことでやはり広がるからです。どちらに転んでも広がるため、塗り薬をやめるかどうかは分かれ目になりません。
そこで当院は、短期間の外用で湿疹を抑え、そのうえで速やかに摘除するという順番をおすすめしています。塗り薬を長く続けたまま様子を見る形にしないことが要点です。
ご自身の判断で塗り薬をやめないでください。やめるかどうかではなく、どの順番で進めるかを診察で決めます。湿疹の治療そのものについてはアトピー性皮膚炎のページもあわせてご覧ください。
うつるのは、肌と肌が直接触れたときと、タオルなどを共有したときです。プールの水そのものではうつりません。
みずいぼは、数が少ないうちに取るほうが、結果として早く終わります。日本小児皮膚科学会も、数が少ないうちに見つけ次第早く取ることが適切としています。
理由は、痛みではなく数にあります。
つまり、最初の1〜2個の段階でご相談いただくことが、お子さんにとっていちばん負担が軽くなります。1個できてから近くに数個増えるまでは、時間の余裕があります。
すでに数十個ある場合でも、方法はあります。日本小児皮膚科学会は、1回に10個ずつと約束して根気よく取れば、いずれは完治するとしています。当院でも、一度で全部取り切ることを目的にしません。
一方で、取らずに経過を見るという選び方も、間違いではありません。この病気は放っておいても自然に治ります。決め手になるのは、数がどれくらいか、掻き壊しているか、ご本人とご家族が処置に耐えられるか、という3つです。診察のときに、この3つを一緒に確認します。
当院では、経過を見る方法と摘除を中心に、状態に応じて凍結や外用・内服も併せています。お子さんの状態とご希望をうかがってから決めます。
| 方法 | 向いている場合 | 知っておいていただきたいこと |
|---|---|---|
| 経過を見る | 数が少なく増えていない。掻き壊していない。処置をこわがる | 痛みがありません。ただし治るまでに6か月から3年ほどかかり、その間に増えることがあります |
| 摘除 | 数が少ないうちに終わらせたい。増えてきた。掻き壊している | いちばん確実で早く治る方法です。多少の痛みがあります。当院では1回あたり10個までとさせていただいています |
| 液体窒素による凍結 | 摘除が難しい場所や状態のとき | しみるような痛みがあります。数回に分けて行います |
| サリチル酸を含む外用 | 摘除に耐えられないとき | 効き方には個人差があります。使えるかどうかは部位と状態で分かれます |
| ヨクイニンの内服 | 数が多く処置を重ねにくいとき | 効き方には個人差があります。飲み続ける期間は診察でお伝えします |
どれを選ぶかは診察で決めます。すべてを同時に行うわけではありません。
摘除は、先が輪になった専用の器具でみずいぼの根もとを挟み、中身のモルスクム小体をつまみ取る処置です。つぶす処置ではありません。中身が残ると再びふくらむため、確実に取り出すことが大切です。
当院では1回あたり10個までとさせていただいています。これは日本小児皮膚科学会が示している進め方と同じで、数十個ある場合でも1回に10個ずつ根気よく取れば完治するとされています。一度に全部取り切ることを目的にしません。無理に取ると次から取らせてくれなくなり、かえって長引くためです。
痛みを軽くするために、リドカインを含む麻酔テープをお使いいただけます。この麻酔テープは平成24年から保険が使えるようになりました。
当院ではテープをお渡ししますので、ご自身で貼っていただきます。貼ってから1時間以上たったところで摘除します。お渡しした日に貼っていただいても構いませんし、次回の受診に合わせて貼ってきていただいても構いません。
ただし、麻酔テープが効くのは痛みに対してです。処置台に寝かされること自体をこわがるお子さんには、麻酔では対応できません。その場合は無理をせず、日を改めるか、経過を見る方法に切り替えます。
当院では、ご希望の方に自費の保湿クリームをお渡ししています。伝染性軟属腫の治療薬として承認された医薬品ではありません。
ご希望されるお子さんとご家族が実際にいらっしゃるため、内容と条件をここに明示したうえでお渡ししています。
国内には、伝染性軟属腫に対して承認された外用の医薬品があります。当院では現在、その導入を準備しています。準備が整いましたら、このページでお知らせします。
使い方と、お子さんに向くかどうかは、診察のときにご説明します。クリームだけで済ませるか、摘除と組み合わせるかも、状態によって分かれます。
ご家庭でできることは、ひろげないことと掻き壊さないことの2つに絞られます。次の6つを順にお試しください。
数が増えてきた、掻き壊している、赤みが強くなってきた。このいずれかに当てはまるときは、ご家庭でのケアだけで抱え込まずにご相談ください。当院は水曜・日曜・祝日を除いて診療しています。
治るまでの期間は、資料によって6か月から4年まで幅があります。いつ治るかを前もって言い当てることはできない病気です。
おもな出典を並べます。
幅があるのは、調べ方の違いというより本当に個人差が大きいためです。当院でも、いつ治るかの約束はいたしません。
取ったあとに新しいみずいぼが出てくるのは、失敗ではありません。うつってから発疹が出るまでに2〜7週かかるため、処置の時点ですでに感染していた分が、あとから順に出てきます。
そのため、1回で終わることのほうが少ないとお考えください。数回に分けて通っていただくのが通常の経過です。ここを最初にお伝えしておかないと、出てくるたびに治っていないと感じてしまいます。
プールに入って構いません。学校や園を休む必要もありません。これは皮膚科と小児科の学会がそろって出している統一見解です。
根拠になっているのは次の2つです。
整理すると、こうなります。
園やスイミングスクールの規則が学会の見解と違う場合があります。そのときは施設の方針に従っていただくことになります。診断書や説明が必要なときは診察でお申しつけください。
跡の残りやすさは、みずいぼの大きさで分かれます。大きいものは跡が残りやすく、小さいものは残りにくいというのが当院の見方です。
ここから導かれる答えは、はっきりしています。
なお、跡が消えるまでの期間を示した学会の資料は確認できませんでした。何か月で消えますという目安を当院からお約束することはいたしません。
すでに残っている色の変化や凹みについては、実際に見せていただかないと判断できません。気になる跡があれば、みずいぼの診察のときに一緒にご相談ください。
大人にもみずいぼはできます。子どもに多い病気ですが、大人だからかからないわけではありません。
大人で目立つのは次の場合です。
大人で広い範囲に急に出た場合は、みずいぼだけの問題ではないことがあります。数が多い、急に増えた、なかなか治らないという場合は、自己判断で様子を見ずに一度ご相談ください。
数が少ないうちにお越しいただくのが、いちばん負担の軽い受診の仕方です。1個か2個の段階でも、遠慮なくご相談ください。
次のいずれかに当てはまるときは、一度ご相談ください。
当院は北習志野駅の駅ビル エキタきたなら の3階にあります。東葉高速線と京成松戸線の改札から、屋内を通ってお越しいただけます。
ご予約はウェブから承っています。処置をご希望の場合は、麻酔テープを貼る時間が必要になることがあります。予約のときにみずいぼの処置希望とお書き添えいただけると、当日の流れがスムーズになります。
自然に治ります。免疫ができるとウイルスが排除され、みずいぼは消えていきます。ただし治るまでの期間は資料によって6か月から4年まで幅があり、いつ治るかを前もって言い当てることはできません。待っているあいだに数が増えることがあるため、増え方と掻き壊しの有無を見ながら、取るか経過を見るかを一緒に決めます。
2週間から7週間、ときに6か月までかかります。日本小児科学会が示している潜伏期間です。心当たりのある日からかなり時間がたってから出てくるため、どこでうつったのかを特定できないことのほうが多くなります。処置のあとに新しく出てくるのも、多くはこの潜伏期間のあいだに感染していた分です。
入って構いません。日本臨床皮膚科医会と日本小児皮膚科学会の統一見解が、プールの水ではうつらないと明記しています。ただしタオル・浮輪・ビート板・水着の共用は避けてください。うつるのはこうした物を介した接触です。プールのあとはシャワーで肌を洗い、そのあと保湿してください。
休む必要はありません。皮膚の学校感染症に関する統一見解が、この疾患のために学校を休む必要はないとしています。学校感染症の第三種その他の感染症という分類で、出席停止の対象ではありません。ただし浸出液が出ているところは、絆創膏や衣類で覆ってお出かけください。
多少の痛みがあります。当院ではリドカインを含む麻酔テープをお渡ししますので、ご自身で貼っていただき、貼ってから1時間以上たったところで摘除します。この麻酔テープは平成24年から保険が使えます。ただし麻酔が効くのは痛みに対してで、処置台に寝かされること自体をこわがるお子さんには効きません。その場合は無理をせず、日を改めるか経過を見る方法に切り替えます。
あります。処置の時点ですでに感染していた分が、2週間から7週間かけてあとから出てくるためです。取り残しや失敗ではありません。1回で終わることのほうが少なく、数回に分けて通っていただくのが通常の経過だとお考えください。
みずいぼを治す市販薬はありません。当院ではご希望の方に自費の保湿クリームをお渡ししていますが、これは伝染性軟属腫の治療薬として承認された医薬品ではありません。内容と費用は自費でお渡ししている保湿クリームについての項目をご覧ください。ご家庭でつまみ取ろうとすると、中身が周囲に付いてひろがり、傷から細菌の感染を招きます。
掻き壊して浸出液が出ているときは覆ってください。日本小児科学会も、登園・登校に制限はないが浸出液が出ている場合は被覆するとしています。乾いていて掻いていない状態であれば、常に覆っておく必要はありません。衣類で隠れる場所なら衣類でも十分です。
タオルと浴用タオルの共有をやめることがいちばん効きます。あわせて、入浴はごきょうだいと別にし、肌と肌が直接触れる遊びを一時的に控えてください。湯船の水そのものでうつるわけではありません。床や浴室を消毒する必要もありません。
なります。子どもに多い病気ですが、アトピー性皮膚炎や強い乾燥で皮膚のバリアが弱っているとき、免疫が下がっているときには大人でも感染します。大人で広い範囲に急に出た場合は、みずいぼだけの問題ではないことがあるため、自己判断で様子を見ずに一度ご相談ください。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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