Q1. 魚の目はほっといても大丈夫ですか
痛みがなければ、すぐに治療しなければならないものではありません。ただし痛むうおのめは放置しないでください。かばって歩くことで別の場所に新しいたこができ、足の指のあいだのうおのめでは、ふやけた皮膚から感染して骨の感染にまで至った報告もあります。糖尿病がある方は、痛みがなくても一度ご相談ください。
たこ・うおのめ
たこは、芯のない、面で厚くなった角質です。うおのめは、中心に芯があり、押すと痛みます。どちらも同じ場所に繰り返し圧と摩擦が加わることでできます。
たこもうおのめも、皮膚がご自身を守るために角質を厚くした結果です。うつるものではなく、清潔にしていないからできるものでもありません。医学用語では、たこを胼胝、うおのめを鶏眼といいます。

うおのめの疾患イメージ図です。AI生成による模式図です。
| 見るところ | たこ — 胼胝 | うおのめ — 鶏眼 |
|---|---|---|
| 広がり方 | 広い範囲に平らに厚くなる | 一点に限って深部へ食い込む |
| 中心の芯 | ない | ある |
| 痛み | ほとんどない | 押すと強く痛む |
| できる場所 | 足のほか手のひら、指、ひじ、おしりなど全身 | ほとんどが足 |
うおのめと最も間違えやすいのが、ウイルスが原因でできる足の裏のイボです。表面を削る前は、見た目だけでは区別がつかないことがあります。
日本皮膚科学会の尋常性疣贅診療ガイドライン2019にも、イボは表面を削る前だと点状出血が見えず、鶏眼や胼胝に見えることがある、と明記されています。当院ではダーモスコピーという拡大鏡で確認し、必要に応じて表面を少し削って点状出血の有無を見たうえで診断しています。削ってみて初めて分かることがある、というのはこのためです。
お子さんの足の裏に蟻塚のような盛り上がりが1つできている場合は、ミルメシアというイボのことがあります。HPV 1a型というウイルスが原因です。ウイルス性のイボは決してまれなものではなく、日本皮膚科学会の横断調査では皮膚科の外来患者の 4.49% がイボを主訴に受診しており、6歳から10歳では 23.01% にのぼります。イボと分かった場合は、液体窒素による治療に切り替えます。詳しくはいぼのページをご覧ください。
| 見るところ | たこ | うおのめ | 足の裏のイボ |
|---|---|---|---|
| 原因 | 圧と摩擦 | 圧と摩擦 | ヒトパピローマウイルス |
| 削ったときの点状出血 | なし | なし | あり |
| 皮溝と皮丘の流れ | 保たれる | 保たれる | 途切れて広がる |
| 数の増え方 | 増えない | 増えない | 増えることがある |
| 人にうつるか | うつらない | うつらない | うつることがある |
| 治療 | 削る処置と圧の軽減 | 削る処置と圧の軽減 | 液体窒素など |
原因は、同じ場所に繰り返し加わる圧と摩擦です。体質のせいでも、足の手入れを怠ったせいでもありません。
皮膚は、外からの圧や摩擦から体を守るために角質を厚くします。たこもうおのめも、その防御反応が過剰に働いた結果です。したがって、圧がかかり続けている限り、削っても同じ場所に戻ってきます。
高齢者の病気だと思われがちですが、そうではありません。日本人2,133例の調査では、受診された方の年齢のピークは30歳代でした。男女比は 1対2.1 で、女性に約2倍多く見られます。履物の選び方が関係していると考えられています。たことうおのめの両方を合併している方は 34.4% でした。
足の変形が原因になっている場合、陥入爪や巻き爪も同じ靴と歩き方が原因で同時に起きていることがよくあります。足のトラブルは、ひとつだけを見ても解決しないことが多いのです。
たこは足だけのものではありません。同じ場所に圧がかかれば、手にも、足の甲にも、おしりにもできます。
医学用語ではいずれも胼胝といいます。うおのめのほうは、体重がかかるためほとんどが足にできます。
考え方は足と同じです。圧が集中している一点を見つけ、そこを分散させます。筆記具なら軸の太いものやグリップを付ける、正座なら座り方を変えるか座布団を使う、道具なら手袋やテープを使う。削るだけでは、習慣が変わらない限り戻ります。
痛みがなく、見た目も気にならなければ、無理に取る必要はありません。ただし、急に硬くなった、色が変わった、痛みが出てきたという場合はご相談ください。
削る処置は、痛みの原因になっている厚い角質を取り除く処置です。原因そのものを取り除く処置ではありません。ここを取り違えると、通っても治らないと感じてしまいます。
たこもうおのめも、生活の習慣にもとづいてできるものです。歩き方、靴、仕事、座り方。そこが変わらなければ、削った場所には再び同じ力がかかり、皮膚はまた同じ防御反応を起こします。削ることと圧を減らすことは別の作業で、両方をしないと終わりません。
削る処置には、その一点にかかる足の裏の圧そのものを減らす意味があります。前足部のたこを取り除くと、その部位にかかるピーク圧が 26% 下がるという報告があります。厚みが減るぶん、歩いたときの痛みも軽くなります。
一方で、圧をかけている原因が残っていれば、角質はまた厚くなります。削って一時的に楽にすることと、角質をやわらかく保ち圧を減らし続けることの、両方が要ります。痛みが出てから削るより、痛みが出る前から整えておくほうが、結果として楽に過ごせます。
当院では機械を使った角質のケアを行っていないため、定期的に整えたいという方には、連携している巻き爪メディカルサロンFのフットケアをご案内しています。痛みが出る前から通うことで、削る回数そのものを減らしていけます。
当院では、メスやハサミで厚くなった角質と芯を削る処置を、保険診療で行っています。
なお、うおのめに対する炭酸ガスレーザーは当院では行っておりません。
たこ・うおのめを削る処置は、鶏眼・胼胝処置として保険が使えます。同一の部位については、その範囲にかかわらず月2回までという決まりがあります。窓口でのお支払いは、ご加入の保険の負担割合によって変わりますので、診察のときにご説明します。
次にいつお越しいただくかは、症状によって変わります。あらかじめ何週間おき、何回で終わりと決めているわけではありません。原因になっている圧が続いている限りは、定期的に削って厚みを保つことになります。痛みが戻ってきたと感じたときにお越しいただくのが目安です。
当院では、機械を使った角質のケアは行っていません。連携している巻き爪メディカルサロンFでは、専用の機械で角質を丁寧に取り除き、圧のかかりにくい状態に整えるフットケアを行っています。いま出ている痛みは当院でもサロンでも取れます。違うのは、当院は保険診療で痛みへの対応を行い、サロンは痛みが出る前からの定期的なケアで予防まで行える点です。
| 目的 | ふじもと皮フ科クリニック | 巻き爪メディカルサロンF |
|---|---|---|
| いま出ている痛みを取る | メスやハサミで削る処置。保険が使えます | 専用の機械で角質を取り除きます |
| イボや腫瘍との鑑別 | ダーモスコピーで診断します | — |
| 薬の処方 | サリチル酸絆創膏や尿素製剤 | — |
| 定期的な角質のケア | — | 専用の機械で丁寧に除去します |
| 痛みが出る前の予防 | — | 圧のかかりにくい状態に整えます |
| 費用 | 保険診療 | 自費。料金はサロンのサイトをご覧ください |
削っても戻ってくるという方は、痛みが出てから通うのではなく、痛みが出る前から定期的にフットケアを受けるほうが結果として楽に過ごせます。巻き爪メディカルサロンFのタコ・魚の目・角質取りのご案内はこちらです。
市販のサリチル酸絆創膏は、正しく使えば角質をやわらかくできます。ただし、使ってはいけない場所と、使ってはいけない状態があります。
スピール膏に含まれるサリチル酸は 50% で、1平方メートルあたり 357g という高い濃度です。角質をやわらかくして剥がれやすくする働きがあり、効能・効果として、うおのめ、たこ、いぼの角質除去が認められています。
表面の角質をやわらかくする効果はありますが、深部に食い込んだ芯まで安全に取り切ることは簡単ではありません。周囲の健康な皮膚まで白くふやけてしまい、そこから傷や感染につながることもあります。
一方で、角質をやわらかくすること自体には意味があります。202名を12か月追跡した比較試験では、サリチル酸の絆創膏を併せて使った群では、うおのめの消失率が高く、再発するまでの期間も長くなっていました。当院でも必要に応じてサリチル酸絆創膏(スピール膏M®)を処方しています。自己判断で長く使うより、診察を受けてから使うほうが確実です。
削る処置と同じくらい大切なのが、圧を減らすことです。ご自宅でできることを、手順にして7つ挙げます。
最も効果が大きいのがここです。日本の工業規格 JIS S 5037 では、靴のサイズは足の長さである足長と、親指と小指のつけ根まわりである足囲の2つで表されます。基準寸法は 0.5cm 刻みで、足囲には男性用でA からG までの10段階、女性用でA からF までの9段階の記号があります。長さだけでなく、幅の記号まで合わせてください。必ず両足を試し履きし、店内を歩いて確かめてください。
一点に集中している力を面に散らします。糖尿病診療ガイドライン2024では、足に合わせて作った治療靴や足底板によって足の裏にかかる圧が 30% 軽減すると記載されています。市販のインソールでも、当たっている場所を避けるだけで負担は変わります。
長く立つ仕事の方は、こまめに座る、体重をかける足を替えるなど、同じ場所に力がかかり続ける時間を短くしてください。
指のあいだまで洗い、しっかり乾かします。お湯の温度は 37℃ 未満にしてください。感覚が鈍っていると、熱さに気づかず低温やけどを起こすことがあります。
乾燥して硬くなった皮膚はひび割れやすくなります。角化に対しては尿素のクリームを使うこともあります。ただし足の指のあいだには塗らないでください。ふやけて皮膚が傷みやすくなります。
カッター、爪切り、カミソリなどで削るのは危険です。削りすぎると出血や炎症を起こし、そこから感染することがあります。国際的なガイドラインでも、角質を取り除く処置は適切な訓練を受けた医療者が行うべきものとされています。ご自身では、痛む場所に体重をかけない工夫にとどめてください。
ご自身でできるのはここまでです。厚くなった角質を安全に取り除き、圧のかかりにくい状態に整えるのは、専用の機械と技術が要る作業です。連携している巻き爪メディカルサロンFのフットケアでは、痛みが出る前から定期的に整えることができます。北習志野駅から徒歩5分です。
糖尿病がある方のたこは、皮膚の下で出血していたり、潰瘍のきっかけになったりすることがあります。ご自身で処置をせず、診察でご相談ください。
糖尿病があると、末梢の神経の障害で足の感覚が鈍くなり、痛みに気づきにくくなります。血流が悪ければ傷も治りにくくなります。そのため、たこの下に出血が起きていても気づかないまま、皮膚が破れて潰瘍になることがあります。国際的なガイドラインでは、厚いたこ、水疱、陥入爪や厚くなった爪、白癬が、足潰瘍の前触れとして挙げられています。
日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドライン2024によれば、日本の糖尿病の方のうち 0.7% に足潰瘍の合併が見られます。同ガイドラインは、たこ、うおのめ、白癬などの潰瘍になっていない皮膚の病変を治療することを勧めており、足の観察を少なくとも年1回行うこととしています。
日本皮膚科学会の糖尿病性潰瘍・壊疽ガイドラインにも、糖尿病の方の胼胝や鶏眼への適切な処置は必要であるとしたうえで、削る処置は潰瘍や感染を招く可能性があるため医療行為として適正に行われるべきである、と記載されています。市販の薬剤や絆創膏でご自身で取り除くことは、国際的なガイドラインでは勧められていません。
糖尿病がある方のたこ・うおのめも、当院で処置しています。診察のときに、糖尿病で治療中であること、しびれや感覚の鈍さがあること、足の傷が治りにくいことを、ぜひお伝えください。処置の仕方と、ご自宅での注意点をあわせてご説明します。
あわせて、足の指のあいだの皮むけやかゆみがある場合は水虫の治療も行います。白癬も足潰瘍の前触れのひとつに挙げられているためです。
たこ・うおのめそのものは命に関わるものではありません。ただし、放置したことで別の問題に発展した報告があります。
日本創傷外科学会の学会誌には、足の指のあいだのうおのめから骨の感染である骨髄炎に至ったと考えられる3例が報告されています。指のあいだは汗でふやけて皮膚が傷みやすく、小さな傷から細菌が入りやすい場所です。指のあいだのうおのめは、とくに放置しないでください。
足の裏の病変が8年にわたってイボとして治療され、実際には皮膚のがんだったという報告があります。頻度は高くありませんが、治療をしても小さくならない、かえって大きくなる、形がいびつになってきたという場合は、そのまま様子を見ずにご相談ください。
痛みのある場所を避けて歩くと、体重のかかり方が変わり、別の一点に力が集中します。片方の足のうおのめをかばって、反対の足やひざ、腰に負担が出ることもあります。痛みが出たら早めに削って、歩き方が崩れる前に戻すことをお勧めします。
歩くのがつらいほど痛むとき、赤みや腫れがあるとき、イボかどうか分からないときは、一度ご相談ください。たこ・うおのめの診療は保険診療です。
| こんなとき | どうするか |
|---|---|
| 歩くのがつらいほど痛む | 早めに受診してください |
| 赤み、腫れ、熱感、うみがある | 早めに受診してください |
| 足の指のあいだが白くふやけて痛む | 早めに受診してください |
| 糖尿病があり、たこの色が変わってきた | 早めに受診してください |
| 治療をしても大きくなる、形が変わる | そのままにせずご相談ください |
| 市販薬を使って周りの皮膚がただれた | 使用を中止して受診してください |
| 痛みはないが見た目が気になる | 通常の診療時間にご相談ください |
たこ・うおのめの診療は保険診療です。当院はウェブからご予約いただけます。削る処置はその日のうちに行えることがほとんどで、1か所あたり 5分程度です。処置のあとはむしろ楽になりますので、そのまま歩いてお帰りいただけます。
痛みが出る前から定期的に機械でのフットケアを受けたいという方は、連携している巻き爪メディカルサロンFをご案内します。
痛みがなければ、すぐに治療しなければならないものではありません。ただし痛むうおのめは放置しないでください。かばって歩くことで別の場所に新しいたこができ、足の指のあいだのうおのめでは、ふやけた皮膚から感染して骨の感染にまで至った報告もあります。糖尿病がある方は、痛みがなくても一度ご相談ください。
原因になっている圧と摩擦がなくなれば、自然に薄くなっていくことがあります。靴を替えただけで消えたという方もいらっしゃいます。ただし芯が深いうおのめは自然には取れにくく、痛みが続く場合は削る処置が必要です。原因が残ったままでは、自然に治ることは期待できません。
カッターや爪切り、カミソリで削るのはおやめください。削りすぎると出血や炎症を起こし、そこから感染することがあります。国際的なガイドラインでも、角質を取り除く処置は適切な訓練を受けた医療者が行うべきものとされています。とくに糖尿病や血流の悪さがある方は、ご自身での処置は避けてください。
皮膚科です。うおのめは、ウイルスが原因の足の裏のイボと見た目がよく似ており、表面を削る前は区別がつかないことがあります。治療法がまったく違うため、まず診断をつけることが大切です。当院ではダーモスコピーという拡大鏡で確認し、必要に応じて表面を削って点状出血の有無を見たうえで診断しています。
中心に芯があるかどうかです。たこは角質が広い範囲に平らに厚くなったもので、芯はなく、痛みもほとんどありません。うおのめは角質が一点に限って楔のように深部へ食い込んだもので、中心に硬い芯があり、押すと強く痛みます。医学用語では、たこを胼胝、うおのめを鶏眼といいます。
保険が使えます。鶏眼・胼胝処置として、同一の部位については、その範囲にかかわらず月2回までという決まりがあります。通う回数は、あらかじめ何回と決まっているものではありません。原因になっている圧が続いている限りは、定期的に削って厚みを保つことになります。痛みが戻ってきたと感じたときにお越しください。
麻酔は使いません。1か所あたり5分程度で、処置のときに痛むことがありますが、ほとんどの方が耐えられる程度です。処置のあとは厚みが減るぶんむしろ楽になり、その日のうちに歩いてお帰りいただけます。日常生活もふだんどおりで結構です。ご希望があれば局所麻酔をして切除することもできます。
表面の角質をやわらかくする効果はありますが、深部の芯まで安全に取り切るのは難しいです。スピール膏のサリチル酸は50%と高い濃度で、1日1回、入浴時に交換して使います。目の周囲、粘膜、顔面、炎症や傷、化膿しているところには使えません。糖尿病で治療中の方は、使う前にご相談ください。当院でも必要に応じて処方しています。
はい。感覚が鈍くなっていたり傷が治りにくかったりするため、たこの下で出血していても気づかないまま潰瘍になることがあります。国際的なガイドラインでは、厚いたこは足潰瘍の前触れのひとつに挙げられています。ご自身での処置は避け、診察でご相談ください。当院で処置いたします。
原因になっている圧が、その場所に残っているからです。たこもうおのめも生活の習慣にもとづいてできるもので、削るのは厚くなった角質を取り除く処置であり、原因そのものを取り除く処置ではありません。靴、歩き方、座り方を見直したうえで、痛みが出てから削るのではなく、痛みが出る前から定期的にケアするほうが結果として楽に過ごせます。当院では機械を使った角質のケアを行っていないため、連携している巻き爪メディカルサロンFのフットケアをご案内しています。
たこは芯のない厚い角質、うおのめは中心に芯がある角質で、どちらも同じ場所に繰り返し加わる圧と摩擦が原因です。削る処置は保険で受けられますが、削ることと圧を減らすことは別の作業で、両方をしないと同じ場所に戻ってきます。
そしてもうひとつ。うおのめとよく似た見た目のものに、ウイルスが原因の足の裏のイボがあります。治療法がまったく違うため、まず診断をつけることが大切です。
削っても戻ってくるという方は、痛みが出てから通うのではなく、痛みが出る前から定期的にフットケアを受けるほうが結果として楽に過ごせます。連携している巻き爪メディカルサロンFでは、専用の機械で角質を丁寧に取り除き、圧のかかりにくい状態に整えるフットケアを行っています。
当院連携サロン
巻き爪メディカルサロンF
たこ・うおのめのフットケアも対応・北習志野駅 徒歩5分
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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