Q1. 老人性色素斑を消す方法はありますか?
あります。色に反応するレーザーを1つずつ当てるスポット治療が中心です。照射したあとにかさぶたができ、1〜2週間で自然に脱落して色が薄くなります。顔全体に散らばった薄い色ムラには、面で当てるBBL光治療という方法もあります。いずれも自費診療です。市販の美白化粧品では、すでにできている老人性色素斑を消すことはできません。
老人性色素斑
老人性色素斑は、加齢と長年の紫外線によってメラニンが表皮にたまってできる、もっとも多いタイプのシミです。日光黒子とも呼ばれます。平らで、輪郭がはっきりしているのが特徴です。
40代以降に増えはじめ、年齢とともに数が増えていきます。大きさは数ミリのものから数センチのものまであります。
見た目には次の特徴があります。
顔にあるシミは1種類ではありません。老人性色素斑のほかに、肝斑、そばかす、ADM、炎症後色素沈着、脂漏性角化症があり、同じ方の顔に何種類も混ざっていることがほとんどです。シミ全体の見取り図はシミ取り治療のページにまとめています。
老人性色素斑は、長年浴びてきた紫外線が表皮に残した変化です。手入れを怠ったからでも、生活習慣が悪かったからでもありません。
数が増えるのは、その方が長く陽の下で過ごしてきたということで、それ以上の意味はありません。いまから日焼け止めを続けることには、これから増える分を抑えるという意味があります。
老人性色素斑の治療で分かれ道になるのは、濃さではありません。触ってみて平らなのか、盛り上がっているのかです。
老人性色素斑は平らなシミです。そのうちの一部は、年月とともに表面が厚みを持ち、脂漏性角化症という別の名前の病変に移行します。すべてがそうなるわけではありません。
逆から見ると、見え方が変わります。盛り上がった脂漏性角化症のほうは、もともと平らな老人性色素斑を母地としたものが多くを占めると考えられています。ただし、若いうちに平らなシミを経ずに脂漏性角化症ができる方もいらっしゃいます。
同じ由来のシミでも、平らなうちと盛り上がってからでは、治療の内容も、保険が使えるかどうかも入れ替わります。盛り上がってからの治療については脂漏性角化症のページで詳しく説明しています。
鏡を見て濃さを気にされる方が多いのですが、判断は指でなぞったときの感触のほうが確かです。診察でも、まず触って確かめます。
顔にあるシミは1種類ではなく、同じ方の顔に何種類も混ざっているのがふつうです。種類によって治療も、保険が使えるかどうかも変わります。
| 出はじめる時期 | 形と色 | 手ざわり | 主な治療 | 診療区分 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 老人性色素斑 | 40代以降 | 輪郭のはっきりした褐色の斑 | 平ら | 色に反応するレーザー | 自費 |
| 肝斑 | 30代以降 | 輪郭のぼやけた淡い褐色の面 | 平ら | トーニング、内服 | 自費 |
| そばかす | 5歳から6歳ごろ | 1から2ミリの点が鼻を中心に多発 | 平ら | 光治療、レーザー | 自費 |
| ADM | 多くは思春期以降 | 灰褐色から青灰色の小さな斑が集まる | 平ら | レーザー | 診断により保険 |
| 炎症後色素沈着 | 炎症のあと | もとの傷やニキビの形に沿う | 平ら | 外用、トーニング | 自費 |
| 脂漏性角化症 | 40代以降 | 境界がはっきりし貼り付けたように見える | 盛り上がる | 液体窒素 | 診断により保険 |
このうち脂漏性角化症は、もともと平らだった老人性色素斑を母地としたものが多くを占めると考えられています。ただし、若いうちに平らなシミを経ずにできる方もいらっしゃいます。触ると盛り上がりがあるかどうかが、いちばん分かりやすい手がかりです。
当院では診察のときに、アンテラ3Dによる肌診断でシミの種類と深さ、分布を確かめたうえで治療の方針を決めています。種類ごとの全体像はシミ取り治療のページにまとめています。
老人性色素斑でいちばん大切なのは、悪性黒子と見分けることです。悪性黒子は、悪性黒色腫という皮膚がんの一種です。
悪性黒子は、日光を長年浴びてきた高齢の方の顔にできる平らな褐色の斑で、見た目が老人性色素斑によく似ています。似ているからこそ、シミだと思って様子を見ているうちに時間が経ってしまうことがあります。
当院では診察のときにダーモスコピーで拡大して確認します。ダーモスコピーは、皮膚に光を当てて表面の反射を抑え、内部の色素の並びかたを見る器具です。老人性色素斑では色素が均一に並び、毛穴のまわりに輪のような形が見えます。悪性黒子ではこの並びが崩れます。肉眼では分からない差が、拡大すると見えてきます。
ほくろとの見分けについてはほくろのページで扱っています。
また、長年日光を浴びてきた皮膚には、平らな褐色のシミと並んで、赤みを帯びてざらつく日光角化症が出ていることがあります。こちらは前がん病変で、保険診療の対象になります。日光角化症のページで説明しています。
平らな老人性色素斑には、色に反応するレーザーを1つずつ当てるスポット治療を行います。
色素のかたまりに狙いを定めて照射し、かさぶたを作って色ごと脱落させる方法です。輪郭のはっきりした濃いシミに向いています。
当院ではトライビームPREMIUMとディスカバリーピコプラスの2台を備えており、どちらもこの治療に用います。いずれも国内で承認を受けた機器です。色に反応するレーザーは、Qスイッチレーザーと呼ばれる種類です。メラニンという色素に吸収される波長を使うため、まわりの皮膚を残して色素だけに働きます。
顔全体に散らばった薄い色ムラをまとめて整えたい場合にはBBL光治療があります。1つずつ狙うのではなく、面で当てる方法です。手の甲と肘下のメニューもあります。
| スポット治療 | 1cm以下 22,000円/2cm以下 38,500円/3cm以下 55,000円 |
|---|---|
| BBL光治療 顔全体 | 1回 24,200円/2回 45,980円/4回 89,980円 |
| BBL光治療 手の甲 | 1回 22,000円/2回 41,800円/4回 81,840円 |
いずれも自費診療です。そのほかの部位や範囲については料金案内をご覧ください。
老人性色素斑そのものの治療は自費診療です。ただし、盛り上がってきて、診察で脂漏性角化症と診断がつく場合は、液体窒素による治療が保険診療の対象になります。詳しくは脂漏性角化症のページをご覧ください。
スポット治療のあとは、かさぶたができて自然に脱落します。この経過をたどるのが、うまくいっている状態です。
かさぶたが取れるまでの1〜2週間、テープでの保護を続けます。期間はシミの部位と年齢によって変わります。
テープを貼ったまま、洗顔もメイクもしていただけます。治療のために生活を止めていただく必要はありません。ただし、テープの上からになるため、メイクのノリは悪くなります。人前に出るご予定がある場合は、そこから逆算して日程を決めるほうが安心です。
かさぶたが取れたあと、その部分が一時的に茶色くなることがあります。炎症後色素沈着と呼ばれるもので、照射の刺激に対する反応です。時間とともに薄くなっていきます。この時期に日焼けをすると濃く残りやすくなるため、日焼け止めを続けてください。
薄いものは1回で目立たなくなることもありますが、濃いものや大きいものは複数回かかります。かさぶたが取れて皮膚が落ち着いた状態を見てから、次を行うかどうかを判断します。
老人性色素斑は紫外線の蓄積でできるため、治療をしても新しくできてくること自体は防げません。日焼け止めを続けていただく理由が、ここにあります。
老人性色素斑は、市販の美白化粧品では消えません。市販の美白成分は、これから作られるメラニンを抑えるものが中心で、すでに表皮にたまってしまった色には届かないためです。
平らな老人性色素斑そのものには、色に反応するレーザーによるスポット治療をご案内しています。どの方法が向いているかはシミの種類によって変わりますので、診察で確かめたうえでお伝えします。
老人性色素斑だと思っていたものが悪性黒子だった場合、市販のもので様子を見ていた期間が、そのまま診断の遅れになります。見分けは診察でしか確認できません。
ホームケアで使えるものについてはドクターズコスメのページをご覧ください。
老人性色素斑を完全に防ぐ方法はありませんが、これから増える分を抑え、治療の結果をよくするためにできることがあります。
次のいずれかに当てはまる場合は、早めに受診してください。
いずれも悪性のできものでみられる変化と重なります。実際には老人性色素斑であることのほうが多いのですが、見分けは診察でしか確認できません。
老人性色素斑の治療は自費診療のため、美容皮膚科の枠でご予約ください。盛り上がってきた場合や、悪性のできものが心配な場合は、一般皮膚科でお取りください。診察のうえで、保険と自費のどちらになるかをお伝えします。
治療の前には、必ず診察を受けていただいています。アンテラ3Dによる肌診断でシミの種類と深さ、分布を確かめ、そのうえで治療の方針を決めるためです。見た目が似ていても、種類が違えば適した治療も変わります。
あります。色に反応するレーザーを1つずつ当てるスポット治療が中心です。照射したあとにかさぶたができ、1〜2週間で自然に脱落して色が薄くなります。顔全体に散らばった薄い色ムラには、面で当てるBBL光治療という方法もあります。いずれも自費診療です。市販の美白化粧品では、すでにできている老人性色素斑を消すことはできません。
長年にわたって紫外線を多く浴びてきた方です。屋外での仕事やスポーツの習慣が長い方、日焼け止めを塗る範囲が顔だけになっている方、車の運転時間が長い方に多く見られます。色白の方は、同じ日射量でも数が増えやすい傾向があります。一度に浴びた量ではなく、何十年分かの合計で決まるため、40代以降に増えはじめます。
消えません。市販の美白成分は、メラニンが新しく作られる過程に働くもので、すでに表皮にたまってしまった色には届かないためです。これから増える分を抑える意味はありますが、いまある老人性色素斑を消す働きはありません。表面の角質が剥がれて一時的に薄く見えることはありますが、色の元は残っているため、しばらくすると元の濃さに戻ります。
トラネキサム酸の内服は、肝斑や炎症後色素沈着に対して用いられる薬です。ビタミンCやビタミンEの内服は、シミの治療の補助として用いられることがあります。色を薄くする外用薬としてはハイドロキノンがあり、当院では肝斑や炎症後色素沈着に対して用いています。トレチノインはハイドロキノンと併用することで効果が出やすくなり、ご希望の方にはゼオスキンをご案内しています。平らな老人性色素斑そのものには、色に反応するレーザーによるスポット治療をご案内しています。どの方法が向いているかはシミの種類によって変わりますので、診察で確かめたうえでお伝えします。
薄いものは1回で目立たなくなることもありますが、濃いものや大きいものは複数回かかります。1回ごとにかさぶたができて脱落し、皮膚が落ち着いた状態を見てから、次を行うかどうかを判断します。何回くらいかかるかは、色の濃さ、大きさ、部位によって変わりますので、診察でお伝えします。
かさぶたが取れるまでの目安は1〜2週間です。シミの部位や年齢によって差があります。テープでの保護も、かさぶたが取れるまでの1〜2週間続けます。テープを貼ったまま洗顔もメイクもしていただけますので、治療のために生活を止めていただく必要はありません。ただし、テープの上からになるためメイクのノリは悪くなります。人前に出るご予定がある場合は、そこから逆算して日程を決めるほうが安心です。かさぶたは無理にはがさないでください。色素沈着が残ります。
あります。かさぶたが取れたあと、その部分が一時的に茶色くなることがあります。炎症後色素沈着と呼ばれるもので、照射の刺激に対する反応です。時間とともに薄くなっていきます。この時期に日焼けをすると濃く残りやすくなるため、日焼け止めを続けてください。かさぶたが取れた直後の皮膚が、いちばん日焼けに弱い状態です。
老人性色素斑は紫外線の蓄積でできるため、治療をしても新しくできてくること自体は防げません。治療した部位や、その近くに色が出てくることもあります。日焼け止めを毎日続けていただく理由が、ここにあります。SPF30・PA+++以上のものを、曇りの日も塗り、2〜3時間おきに塗り直してください。手の甲と前腕は塗り忘れが起きやすい場所です。
治療が変わることがあります。老人性色素斑の一部は、年月とともに表面が厚みを持ち、脂漏性角化症という別の名前の病変に移行します。盛り上がったものは、色だけを狙っても厚みが残るため、厚みを落とす工程が加わります。そして診察で脂漏性角化症と診断がつけば、液体窒素による治療は保険診療の対象になります。平らなうちは自費、盛り上がってからは保険が使える場合があるということです。触ると盛り上がりを感じるようになった場合は、一般皮膚科の枠でご予約ください。
老人性色素斑そのものの治療は自費診療です。ただし、盛り上がってきて、診察で脂漏性角化症と診断がつく場合は、液体窒素による治療が保険診療の対象になります。また、シミに見えても太田母斑や異所性蒙古斑、ADMなどのあざは、診断内容によって保険診療の対象になることがあります。診察のうえで、保険と自費のどちらになるかを事前にお伝えします。
診察でダーモスコピーを使って見分けます。注意が必要なのは悪性黒子で、これは悪性黒色腫という皮膚がんの一種です。日光を長年浴びてきた高齢の方の顔にできる平らな褐色の斑で、見た目が老人性色素斑によく似ています。左右が不ぞろい、色が均一でない、境界がぼやけてにじむように広がる、ゆっくりだが確実に大きくなるといった変化があるものは、早めに受診してください。ご自身で見分けようとせず、変化があれば診察を受けていただくのが確実です。
老人性色素斑は、加齢と長年の紫外線でできる、もっとも多い平らなシミです。治療の分かれ道になるのは濃さではなく、触って平らなのか盛り上がっているのかです。平らなうちは自費診療で色に反応するレーザー、盛り上がって脂漏性角化症と診断がつけば液体窒素が保険診療の対象になります。
市販の美白化粧品では、すでにできている色は消えません。レーザーのあとはかさぶたが1〜2週間で脱落し、その間はテープで保護します。テープの上から洗顔もメイクもしていただけます。治療をしても新しくできてくること自体は防げませんので、日焼け止めは続けてください。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会認定専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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