Q1. 赤あざは自然に消えますか?
種類によって異なります。生まれたときからある平らな毛細血管奇形は自然には消えません。いちご状血管腫と呼ばれる乳児血管腫は1歳ごろにピークを迎えたあと薄くなり、多くは小学校低学年ごろまでに赤みが引きます。どれにあたるかは診察で見極めます。
赤あざ
赤あざは血管の異常によって生じるあざで、自然に消えるタイプと、治療しなければ消えないタイプに分かれます。生まれつきある平らな赤あざは自然には消えず、Vビームによる保険診療の対象になります。
赤あざと呼ばれるものには、いくつかの異なる状態が含まれています。生まれたときからある平らな赤い斑、生後しばらくしてから盛り上がってくるもの、額やうなじにうっすら見えるもの。見た目が似ていても、その後の経過はまったく違います。
ご家族が最初に知りたいのは、これは消えるのか、消えないのか、という点だと思います。その答えは種類によって決まります。次の項目で違いを整理します。
大人になってから顔や脚に現れる赤い血管は、生まれつきの赤あざとは別のもので、毛細血管拡張症と呼ばれます。詳しくは毛細血管拡張症のページをご覧ください。
赤あざは、血管をつくる細胞が増える血管腫と、血管そのものの並び方に生まれつきの異常がある血管奇形の2つに大きく分けられます。
この2つは呼び方が紛らわしく、日本形成外科学会も、かつて血管腫と呼ばれていたものが現在は血管奇形と呼ばれることがあり、医師の間でも用語が統一されていない、と説明しています。ご自身やお子さんがどちらにあたるのかで、その後の経過が大きく変わります。
| 出現時期 | 自然に消えるか | 盛り上がり | 治療の考え方 | |
|---|---|---|---|---|
| 乳児血管腫 | 生後まもなく | 時間をかけて薄くなることが多い | あり | 大きさと部位で判断 |
| 毛細血管奇形 | 生まれたときから | 消えない | 大人になると出ることがある | 早めのレーザー治療 |
| サーモンパッチ | 生まれたときから | 多くは目立たなくなる | なし | 経過をみる |
| ウンナ母斑 | 生まれたときから | 残ることがある | なし | 気になれば相談 |
この表で最も重要なのは、毛細血管奇形だけが自然に消えないという点です。様子をみて構わないものと、待つほど不利になるものが混ざっているため、まずどれにあたるかを見極める必要があります。
赤あざは、皮膚の毛細血管が生まれつき異常に増えて集まっている、または血管をつくる細胞が生後に一時的に増えることで生じます。
毛細血管奇形は、動脈と静脈をつなぐ細い血管である毛細血管が、生まれつき異常に増えて集まった状態です。血管をつくる細胞そのものが増え続けているわけではないため、平らなまま色だけが目立ちます。体の成長に合わせてあざも広がり、年月をかけて色が濃くなることがあります。
乳児血管腫は仕組みが異なり、血管をつくる細胞が生後に一時的に増えることで盛り上がります。増える時期を過ぎると、時間をかけて小さくなっていきます。
いずれも、妊娠中の過ごし方や出産時の状況が原因ではありません。食事や薬、ストレス、分娩の経過とも関係がないことが分かっています。ご自身を責める必要はまったくありませんので、その点はどうぞご安心ください。
なお、赤あざだと思って受診された方が、診察でほくろなど別のものと分かることもあります。その場合はレーザーではなく手術が必要になることがあります。ほくろのページもあわせてご覧ください。
ご相談に月齢の下限はありません。生後1か月ごろに来院され、ご相談される方もいらっしゃいます。実際に治療を始めるかどうかは診察のうえで判断しますので、まずは種類を見極めるためにお越しいただいて構いません。
そのうえでお伝えしたいのは、毛細血管奇形は自然に消えないため、待っている間に治療の条件が整いにくくなるということです。理由は3つあります。
赤ちゃんの皮膚は大人より薄く、レーザーの光が目標とする血管まで届きやすい状態です。年齢とともに皮膚が厚くなると、同じ出力でも反応が得られにくくなります。日本形成外科学会も、早い段階で治療したほうが目立たなく治せる可能性が高いと説明しています。
これは実際に治療をしていて強く感じる点です。乳児のうちはじっとしていられるため、狙った場所に正確に照射できます。ところが2歳や3歳を超えてくると、こわがって動いてしまい、照射そのものが難しくなります。治療の質という意味でも、早い時期には利点があります。
子ども医療費助成には年齢の上限があります。治療は3か月以上の間隔をあけて複数回行うため、始める時期が遅いと助成の期間内に終わらないことがあります。詳しくは後半でご説明します。
大きくなってから治療すればよい、と説明を受けたことがある方もいらっしゃると思います。ですが少なくとも毛細血管奇形については、待つことに利点はありません。迷われている段階でご相談いただければ、治療を急ぐべきかどうかも含めてお伝えします。
赤あざの治療は色素レーザーのVビームプリマが標準で、保険診療の対象です。当院では保険診療のルールに従い、3か月に1度のペースで照射しています。
Vビームプリマは595ナノメートルという波長の光を照射します。この波長は血液中のヘモグロビンによく吸収されるため、周囲の皮膚をほとんど傷めずに、増えて集まった血管だけに熱を集中させられます。熱を受けた血管は閉じ、時間をかけて体に吸収されていきます。
照射時には、輪ゴムで軽くはじかれるような感覚があります。Vビームプリマには冷却装置が備わっており、照射の直前に皮膚表面を冷やすことで痛みと熱の負担を抑えています。乳児の場合は、体を支えて短時間で終えられるよう配慮しています。
照射後、内出血のような紫色になる紫斑が出ることがあります。これは血管に十分な熱が加わった反応で、異常ではありません。数日から、長くても1週間程度で消えていきます。
治療機器の詳細はVビームプリマのページをご覧ください。
乳児血管腫は経過をみるだけでよいとされることが多い一方、内服薬による治療を早い段階から行うこともあります。内服は開始時に入院が必要となることが多く、当院では行っていません。大学病院をご紹介しています。
治療するかどうかは、大きさと部位で変わります。小さく、目や口をふさぐ位置になければ、自然に小さくなるのを待つこともあります。一方で、急速に大きくなる場合や、目や鼻、口の周りにあって見え方や呼吸、授乳に影響しうる場合は、早い段階での治療が検討されます。
できることとできないことを、最初にはっきりお伝えします。そのほうがご家族にとって遠回りが少ないと考えているためです。当院で完結しない場合でも、適切な医療機関をご案内します。
あります。血管奇形のうち、皮膚より深いところにできる静脈奇形や動静脈奇形は、レーザーではなく画像検査と専門的な治療が必要です。
これらは大きさや深さを調べるために超音波やMRIなどの画像検査が必要で、治療も硬化療法や手術など専門的なものになります。当院では、この2つが疑われる場合には無理に治療せず、対応できる医療機関をご案内します。
次のような場合は、皮膚の表面だけの問題ではない可能性があります。診察の際にお伝えください。
赤あざのレーザー治療は1回では終わらず、保険診療では3か月以上あけて複数回に分けて行うため、完了までに1年以上かかることが少なくありません。
1回の照射できれいになると思われている方が少なくありませんが、実際には複数回が必要です。しかも保険診療では照射の間隔をあける決まりがあるため、回数がそのまま年月に変わります。
必要な回数は、あざの色の濃さ、深さ、範囲、部位によって大きく異なります。そのため、あらかじめ何回で終わりますとお約束することはできません。ただし、はっきりしているのは、始めるのが遅いほど終わるのも遅くなるという点です。
たとえば5回の照射が必要な場合、3か月間隔で1年3か月かかります。この年月をどこから数え始めるかが、次の項目でご説明する助成の話につながります。
子ども医療費助成の対象は多くの自治体で高校3年生の年代までで、18歳に達した後の最初の3月31日を過ぎると、同じ保険治療でも自己負担が大きく増えます。
赤あざの治療は3か月以上の間隔をあけて複数回行うため、完了までに年単位の時間がかかります。つまり、助成の期限から逆算すると、いつまでに始めればよいかがおのずと決まります。
5回の照射が必要な場合、3か月間隔で約1年3か月かかります。この場合、高校2年生の夏までに始めていないと、助成が使える期間内に治療が終わりません。回数が多く必要なケースでは、さらに前倒しで考える必要があります。
助成の内容は自治体によって異なります。船橋市では通院1回あたり300円の自己負担で受けられますが、対象年齢や金額はお住まいの市によって違いますので、詳しくは各自治体のページでご確認ください。
費用の面からも、治療の反応の面からも、照射のしやすさの面からも、早く始めることに不利はありません。これが、様子をみましょうという説明に対して私たちがお伝えしたいことです。
経過を記録し、照射後の肌を守ることが、治療の効果を確かめ、保つうえで役立ちます。
同じ照明、同じ距離、同じ角度で撮ってください。定規やメジャーを一緒に写しておくと、大きさの変化まで分かります。赤ちゃんの成長とともにあざも広がるため、比べられる記録があると判断の助けになります。
照射当日は、保冷剤をタオルで包んで軽く当てて構いません。強くこする、ひっかく、熱いお湯を直接当てるといったことは避けてください。
内出血のような紫色は、治療が効いている反応です。数日から1週間程度で自然に消えていきます。無理に隠そうとして強くこすらないでください。
照射後の皮膚は紫外線の影響を受けやすくなっています。SPF30・PA+++以上の日焼け止め、帽子、日よけを使ってください。乳児で日焼け止めが使いにくい場合は、外出の時間帯を調整し、物理的に日差しを避けるだけでも違います。
当日の入浴はぬるめのお湯で短時間なら問題ありません。保育園や幼稚園は基本的に通えます。個別の判断が必要な場合は診察時にお伝えします。
赤いあざに気づいた時点でご相談いただいて構いません。月齢の下限はありません。次のような場合は、早めの受診をお勧めします。
赤あざの診断と治療は保険診療となりますので、通常の保険診療でご予約ください。初診で治療を始める必要はありません。まず種類を見極め、治療を急ぐべきかどうかをお伝えします。
母子手帳や、これまでに撮った写真があればお持ちください。経過の判断がしやすくなります。
種類によって異なります。生まれたときからある平らな毛細血管奇形は自然には消えません。いちご状血管腫と呼ばれる乳児血管腫は1歳ごろにピークを迎えたあと薄くなり、多くは小学校低学年ごろまでに赤みが引きます。どれにあたるかは診察で見極めます。
血管をつくる細胞が増えるものが血管腫、血管の並び方に生まれつきの異常があるものが血管奇形です。いちご状血管腫は血管腫、生まれつきの平らな赤あざである単純性血管腫は血管奇形にあたります。呼び方が紛らわしく、医師の間でも用語が統一されていないのが現状です。
赤あざに対するVビームによるレーザー治療は保険診療の対象です。保険診療のルールに従い、3か月に1度のペースで照射します。お子さんの場合は、お住まいの自治体の子ども医療費助成もあわせて使えます。
ご相談に月齢の下限はありません。生後1か月ごろに来院される方もいらっしゃいます。実際に治療を始めるかどうかは診察のうえで判断しますので、まずは種類を見極めるためにお越しいただいて構いません。
保険診療では3か月以上の間隔をあけて照射します。必要な回数は色の濃さや深さ、範囲、部位によって異なるため、あらかじめお約束することはできません。完了までに1年以上かかることが少なくありません。
輪ゴムで軽くはじかれるような感覚があります。Vビームプリマには冷却装置が備わっており、照射の直前に皮膚を冷やすことで負担を抑えています。乳児のうちは照射中に動かないため、かえって正確に治療できます。
経過をみるだけでよいとされることが多い一方、急速に大きくなる場合や、目や鼻、口の周りにある場合は早めの対応が検討されます。内服治療が必要なときは開始時に入院が必要となることが多く、当院では大学病院をご紹介しています。
内出血のような紫色になる紫斑が出ることがありますが、数日から、長くても1週間程度で消えていきます。血管に十分な熱が伝わった反応で、異常ではありません。
あります。赤あざだと思って受診された方が、診察でほくろなど別のものと分かることがあり、その場合はレーザーではなく手術が必要になることもあります。また皮膚より深いところにできる静脈奇形や動静脈奇形の場合は、画像検査と専門的な治療が必要になります。自己判断せずに一度診せていただくことをお勧めします。
赤あざのうち、生まれたときからある平らな毛細血管奇形は自然には消えません。そしてVビームによる保険診療で治療できます。
待つことに利点がないのは、皮膚が薄い乳児期のほうがレーザーが届きやすく、照射中に動かないため正確に治療でき、さらに助成が使える期間にも限りがあるためです。日本形成外科学会も、早い段階で治療するほうが目立たなく治せる可能性が高いとしています。相談に月齢の下限はありませんので、気づいた時点でお越しください。
ふじもと皮フ科クリニックでは、皮膚科専門医がまず種類を見極め、治療を急ぐべきかどうか、当院で対応できるかどうかを含めてお伝えします。船橋・習志野・八千代エリアでお子さんのあざにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会認定専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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