Q1. 酒さかどうかは、検査で分かりますか?
酒さを確定させる検査はありません。血液検査でも病理検査でも、酒さそのものを証明することはできません。診断は、顔の赤みを起こしうるほかの病気を一つずつ除いていく作業になります。当院では問診とダーモスコピーで、脂漏性皮膚炎、かぶれ、酒さ様皮膚炎、膠原病などを順に検討したうえで診断します。必要と判断した場合には、ほかの病気を除くために血液検査を行うことがあります。
酒さ
酒さは、鼻や頬など顔の中央に慢性的な赤みとほてりが続く、原因のはっきりしない炎症性の皮膚疾患です。良くなったり悪くなったりを繰り返しますが、保険適用の塗り薬による治療があります。
酒さは、しゅさと読みます。顔の中央部、とくに鼻とその周り、頬、額、あごに、赤みとほてりが長く続くのが特徴です。ニキビによく似た赤いブツブツを伴うこともありますが、ニキビと違って面皰ができません。面皰は、毛穴に角質と皮脂が詰まった白ニキビや黒ニキビのことです。この違いは、診察の場で酒さとニキビを見分ける手がかりのひとつになります。
世界の成人を対象にした大規模な集計では、有病率は5.46パーセントと報告されています。女性が5.41パーセント、男性が3.90パーセントで、女性にやや多い病気です。一方、皮膚科を受診した国内の患者67,448人を対象にした調査での有病率は0.22パーセントでした。国内の臨床試験に参加した日本人130人のデータでは、平均の発症年齢は43.8歳、平均の罹患期間は4.7年です。
30代から50代に多く、数か月から数年という単位で付き合っていく病気だと考えてください。数字の開きは、肌の色によって赤みの見え方が変わることや、赤ら顔として受診しないまま過ごしている方が多いことが背景にあると考えられています。
酒さは、赤ら顔を起こす原因のひとつです。赤ら顔は症状を指す言葉で、その原因には酒さのほか、毛細血管拡張症やニキビ跡の赤みなどがあります。顔の赤み全体の整理はあかみ・赤ら顔のページ、血管が広がって赤い筋に見えるものについては毛細血管拡張症のページをご覧ください。
国内の診療ガイドラインは、治療の観点から酒さを紅斑毛細血管拡張型・丘疹膿疱型・瘤腫型の3つに分けています。これに加えて、目に症状が出る眼型があります。
| 病型 | 主な症状 | 見分けの手がかり |
|---|---|---|
| 紅斑毛細血管拡張型 | 持続する赤み、ほてり、細い血管の透見 | 刺激で周期的に強まる |
| 丘疹膿疱型 | 赤いブツブツ、膿をもった発疹 | 面皰がない |
| 瘤腫型 | 鼻などの皮膚の肥厚、毛穴の開大 | 触ると硬い。男性に多い |
| 眼型 | まぶたのふちの炎症、充血、乾き | 皮膚の症状より先に出ることがある |
ひとりの方に複数の型が重なることは珍しくありません。また、型は固定されたものではなく、経過のなかで移り変わっていきます。とくに眼型は、皮膚の赤みより先に目の症状として現れることがあり、目の不調が続いているのに原因がはっきりしないという形で見過ごされやすい型です。眼型は皮膚科の診察だけでは診断が難しく、眼科での併診が必要です。目の症状がある方は、遠慮なくお伝えください。眼科と併せて診ていただく形をご案内します。
酒さには、これを調べれば確定するという検査がありません。血液検査でも、皮膚を切り取って調べる病理検査でも、酒さそのものを証明することはできません。ですから診断は、顔の赤みを起こしうるほかの病気を一つずつ除いていく作業になります。
この、除いていくという性質は、酒さという病気を理解するうえでいちばん大事なところだと考えています。国際的な合意でも、単独で酒さと診断してよい所見は2つしかないとされています。顔の中央に持続する赤みがあり、それが誘因によって周期的に強まること。もうひとつが、皮膚が厚く盛り上がる瘤腫性の変化です。
それ以外の所見、たとえばほてり、赤いブツブツや膿をもった発疹、毛細血管の広がり、目の症状は、いずれも単独では酒さの証拠になりません。これらは主要な所見ではあっても、ほかの病気でも同じように起こるからです。
顔の赤みという同じ見た目の裏には、治療の方針がまったく違う病気が並んでいます。診察では、次のようなものを順に考えて外していきます。
1. インターネットの画像と見比べても、酒さかどうかは分かりません。見た目が似ていることが、そのまま診断にならない病気だからです。ご自分で調べて不安になった方が多く来られますが、それは調べ方の問題ではなく、この病気の性質によるものです。
2. 一度つけた診断が、経過のなかで変わることがあります。除外を積み重ねて到達する診断である以上、新しい情報が出てくれば見直すのが正しい進め方です。当院で診断名を変えることがあるのは、前の判断が間違っていたからとは限りません。
3. 除外を飛ばしてレーザーだけを当てると、原因が残ったまま赤みだけを追いかけることになります。かぶれが続いているのに照射を重ねても、赤みは戻ってきます。当院がレーザーの前に診断の手順を踏むのは、このためです。
当院では、いつから続いているか、どんなときに強まるか、顔に使ってきた薬と化粧品、内服中の薬を伺ったうえで、皮膚を拡大して観察するダーモスコピーで血管と毛穴の状態を確認します。診断名を急いで決めることよりも、除外の作業をきちんと行うことを優先しています。
顔の赤みで受診される方のうち、酒さと最も混同されやすいのは脂漏性皮膚炎と酒さ様皮膚炎の2つです。見分けの手がかりを整理します。ただし、これは目安であって、これだけで自己判断はできません。
| 出やすい場所 | 赤み以外の特徴 | 治療の方向 | |
|---|---|---|---|
| 酒さ | 鼻とその周り、頬、額、あご | ほてり。面皰がない赤いブツブツ | 保険適用の塗り薬から |
| 脂漏性皮膚炎 | 眉のあいだ、小鼻のわき、髪の生えぎわ | 細かい皮むけを伴う。かゆみが出やすい | 抗真菌薬の外用など |
| 酒さ様皮膚炎 | 顔全体、とくに塗っていた部位 | 顔にステロイドを長く使った経過がある | ステロイドのやめ方を含めた管理 |
| ざ瘡 | 額、頬、あご、背中や胸にも | 面皰がある。思春期から続くことが多い | ニキビとしての治療 |
| 毛細血管拡張症 | 小鼻のわき、頬 | 赤い筋や網目がはっきり見える | 血管そのものへのレーザー |
| エリテマトーデス | 両頬から鼻にかけて | 日光との関係。発熱や関節の痛みなど全身症状 | 膠原病としての精査 |
酒さ様皮膚炎は、顔にステロイドの塗り薬を長期間使い続けたことで、酒さによく似た赤みや発疹が現れる別の状態です。名前が似ているため同じものと受け取られがちですが、原因が異なるため、治療の進め方も変わります。
心当たりのある方は、自己判断で薬をやめないでください。急に中止すると、かえって赤みが強まることがあります。やめ方を含めて、処方した医師か当院にご相談ください。
これらは互いに排他的なものではなく、酒さと脂漏性皮膚炎が併存する、酒さに毛細血管の広がりが混ざるといったことは日常的に起こります。赤ら顔と酒さと毛細血管拡張症が重なり合う点については、毛細血管拡張症のページでも触れています。大切なのは分類名を決めることではなく、いま出ている赤みに、どの要素がどれくらい関わっているかを見極めることです。
酒さのはっきりした原因はまだ分かっていません。皮膚の免疫の反応、血管と神経の過敏さ、皮膚に常在する微生物のバランスなど、複数の要因が重なって起こると考えられています。
30代から50代の女性に多く、瘤腫型は男性に多いという傾向があります。
なお、酒さはお酒が原因の病気ではありません。名前に酒という字が入っているため誤解されやすく、そのことでつらい思いをされている方に何度もお会いしてきました。飲酒は悪化のきっかけのひとつではありますが、原因ではありませんし、お酒を飲まない方にも普通に起こります。生活の不摂生や手入れ不足のせいでもありません。
酒さは、日光と精神的なストレスと暑さで最も悪化します。米国の患者団体が1,066人の患者に行った調査では、悪化のきっかけとして日光を挙げた方が81パーセント、精神的なストレスが79パーセント、暑い気候が75パーセントでした。
| 悪化のきっかけ | 挙げた人の割合 |
|---|---|
| 日光 | 81パーセント |
| 精神的なストレス | 79パーセント |
| 暑い気候 | 75パーセント |
| 風 | 57パーセント |
| 激しい運動 | 56パーセント |
| 飲酒 | 52パーセント |
| 熱いお風呂 | 51パーセント |
| 寒い気候 | 46パーセント |
| 香辛料の効いた食べ物 | 45パーセント |
| 湿度 | 44パーセント |
| 屋内の暖房 | 41パーセント |
| 一部のスキンケア製品 | 41パーセント |
| 熱い飲み物 | 36パーセント |
| 一部の化粧品 | 27パーセント |
この表で目を引くのは、上位3つのうち2つが季節と天気であり、自分の努力ではどうにもならないものだという点です。そして2位に精神的なストレスが来ています。赤みが目立つことがストレスになり、そのストレスがまた赤みを強めるという循環は、多くの方が経験されています。
大事なのは、誰にでも当てはまるきっかけの一覧ではなく、ご自身のきっかけを知ることです。同じ調査でも、ある人に強く出る要因が別の人には出ないことが指摘されています。ご自身のきっかけを見つける記録のつけ方は、あかみ・赤ら顔のページにまとめています。受診の際にお持ちいただくと、治療の組み立てがはっきりします。
酒さの治療は、保険適用の塗り薬から始めます。当院では、はじめから自費の治療をお勧めすることはありません。
用いるのはメトロニダゾールゲル(ロゼックスゲル®)です。2022年に酒さへの効能が追加され、保険診療で使えるようになりました。国内の診療ガイドラインでは、赤いブツブツを伴う丘疹膿疱型の酒さに対して0.75パーセントのメトロニダゾールゲルの外用が、最も強い推奨度Aとされています。丘疹膿疱型の外用薬でAの評価を受けているのはこの薬だけです。
丘疹膿疱型で症状が強い場合、テトラサイクリン系のドキシサイクリンやミノサイクリンの内服を用いることがあります。ただし国内でのエビデンスは乏しく、ガイドラインでの位置づけは選択肢のひとつというC1です。使う場合は、期間を決めて効果を確かめながら進めます。
| 病型 | 主な治療 | 診療区分 |
|---|---|---|
| 紅斑毛細血管拡張型 | スキンケアと悪化因子の調整。レーザーや光の治療 | 診察と薬は保険。レーザーは原則自費 |
| 丘疹膿疱型 | メトロニダゾールゲルの外用。必要に応じて内服 | 保険 |
| 瘤腫型 | 軽度は当院で対応。重度は高度医療機関へご紹介 | 診察は保険。処置は程度と施設により異なります |
| 眼型 | まぶたの清潔保持。眼科での併診が必要 | 保険。眼科と併診します |
紅斑毛細血管拡張型に対しては、国内のガイドラインで塗り薬と飲み薬はいずれも十分な根拠がないとされており、レーザーや光の治療が選択肢のひとつとして位置づけられています。また、瘤腫型に対する外科的な治療やレーザーについても、現時点では十分な根拠がないという評価です。当院では、瘤腫型が軽度であれば対応します。鼻の形が変わるほど進んだ重度の場合は、無理に治療せず高度医療機関をご紹介します。
眼型については、皮膚科の診察だけで診断をつけることが難しく、眼科での併診が必要です。まぶたのふちや結膜の状態は、眼科の機器で詳しく診ていただく必要があるためです。目の症状がある方には眼科の受診をご案内したうえで、皮膚の症状の治療を当院が担当します。
ガイドラインは、適切な遮光と低刺激性の製品を使うことを、治療の選択肢のひとつとして推奨しています。薬を使いながら刺激を減らしていくことが、結果として薬の効きを助けます。具体的な方法は次の行にまとめました。
塗り薬で炎症が落ち着いたあとにも血管の広がりによる赤みが残る場合に、レーザーや光の治療を検討します。順番が逆になることはありません。
塗り薬が効くのは炎症です。いったん広がって定着した血管は、塗り薬では元に戻りません。ですから、赤いブツブツが引いたあとに、赤い筋や網目としての赤みが残ることがあります。ここから先がレーザーの担当です。
当院で用いるのは、波長595ナノメートルの色素レーザーであるVビームプリマです。この波長は血液中の赤い色素であるヘモグロビンによく吸収されるため、周囲の皮膚をほとんど傷めずに、広がった血管だけに熱を集められます。
酒さそのものに対するレーザー治療は自費です。ただし、拡張した血管がはっきり確認できる場合は、毛細血管拡張症として保険診療でのレーザー治療になることがあります。どちらになるかは、診察のうえで治療を始める前に必ずお伝えします。
保険と自費の線引きの詳細は毛細血管拡張症のページ、自費のレーザー治療の回数やダウンタイムはあかみ・赤ら顔のページ、機器そのものについてはVビームプリマのページをご覧ください。
酒さでいちばん効果があるセルフケアは、顔に載せるものを減らすことです。足すより減らすほうが確実に効きます。優先度の高い順に挙げます。
いちばん理想的なのは、洗浄料と保湿剤と日焼け止めの3つだけにすることです。ただし、お仕事や生活の都合で化粧をやめられない方が多いことも承知しています。全部をやめる必要はありません。減らせるところから減らしてください。
先に見直していただきたいのは、肌を良くするために足している一品のほうです。美容液、拭き取り化粧水、パック、こするような手入れ。これらは重ねるほど、何が刺激になっているのかが分からなくなります。下地やファンデーションをやめるより実行しやすく、効果もはっきり出ます。
赤みが落ち着いてきたら、1つずつ戻して確かめます。戻したときに赤みが出るものが、その方にとっての刺激です。
アルコール、メントールやハッカなど清涼感を出す成分、スクラブ、高い濃度のピーリング成分、ビタミンA誘導体。これらは健康な肌には問題がなくても、酒さの肌ではしみる、ヒリヒリするといった反応が出やすい成分です。使ってしみるものは、それだけで合っていません。
悪化のきっかけの1位が日光です。SPF30・PA+++以上のものを、季節や天候にかかわらず毎日使ってください。酸化亜鉛や酸化チタンなど、紫外線を散乱させる成分を主体にしたものはしみにくく、酒さの方に向いています。塗り直しや、紫外線量の考え方については毛細血管拡張症のページに詳しくまとめています。
ほてりが出たときは、保冷剤をタオルで包んで頬に軽く当てます。冷水や氷を直接当てて強く冷やすのは避けてください。離したあとに血管が反動で広がり、かえって赤みが強まることがあります。
手元に残っているステロイドの塗り薬を顔に使うと、一時的に赤みが引くことがあります。しかし自己判断で顔に長く塗り続けることは、酒さを悪化させるだけでなく、酒さ様皮膚炎の原因になります。
ただし、やめることが正解とは限りません。湿疹やアトピー性皮膚炎など、ほかの病気の治療のために必要があって処方されている場合があります。むやみに中止すると、元の病気のほうが悪化します。急にやめて赤みが強まることもあります。すでに使っている方は、続けるか減らすかを自分で決めず、やめ方を含めて処方した医師か当院にご相談ください。
また、かゆみが強く出ているときに、期間を決めてステロイドを短期間だけ使うことはあります。当院でも、状態を見たうえでそうご提案することがあります。問題になるのは、何による赤みか分からないまま顔に塗り続けることです。使う目的と期間がはっきりしていれば、ステロイドは酒さの診療のなかでも役に立つ薬です。
いつ、何をしたあとに赤みが強まったかを書き留めておくと、ご自身のきっかけが見えてきます。記録のつけ方はあかみ・赤ら顔のページにまとめています。
酒さは、一度の治療で終わる病気ではありません。良い状態を保ちながら付き合っていく病気です。そのうえで、症状をほとんど気にならない程度まで抑えることは十分に可能です。
国内の臨床試験に参加した日本人の平均の罹患期間は4.7年でした。年単位の病気だと考えてください。塗り薬の使用期間は通常12週間までとされており、良くなったところでいったん止め、また悪くなったら再開するという進め方が基本になります。
症状が落ち着いたあとに再び出てくることは珍しくありません。再発は治療の失敗ではなく、この病気の性質です。そのときは受診していただければ、同じ薬を再開できます。良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、悪い時期を短く浅くしていくのが治療の目標です。
顔の中央が赤いという症状は、人と会うことそのものを避ける理由になります。人前で赤くなることを気にして仕事や外出を減らしてしまう方は多く、これは気の持ちようの問題ではありません。悪化のきっかけの2位が精神的なストレスであることからも分かるように、つらさが症状を強めるという循環があります。診察では、赤みの程度だけでなく、生活のどこで困っているかも伺います。
顔の中央の赤みが3か月以上続いているなら、一度ご相談ください。次のような場合が受診の目安です。
酒さが疑われる場合は、通常の保険診療でご予約ください。診断と塗り薬の処方は保険診療の範囲です。レーザー治療が必要かどうかは、塗り薬で経過を見たあとに改めてご相談します。顔全体の赤みについて、肌の状態を多角的に可視化するアンテラ3Dを使った詳しい評価もご希望の場合は、自費診療でのご予約をお願いします。
受診の際は、いま顔に使っている薬と化粧品を、できればそのままお持ちください。成分表示を見ながらお話しできると、除外の作業がはるかに速く進みます。
酒さを確定させる検査はありません。血液検査でも病理検査でも、酒さそのものを証明することはできません。診断は、顔の赤みを起こしうるほかの病気を一つずつ除いていく作業になります。当院では問診とダーモスコピーで、脂漏性皮膚炎、かぶれ、酒さ様皮膚炎、膠原病などを順に検討したうえで診断します。必要と判断した場合には、ほかの病気を除くために血液検査を行うことがあります。
一度の治療で終わる病気ではありませんが、症状をほとんど気にならない程度まで抑えることは十分に可能です。国内の臨床試験に参加した日本人の平均の罹患期間は4.7年で、年単位で付き合っていく病気です。良くなったら薬を止め、悪くなったら再開するという進め方で、悪い時期を短く浅くしていきます。再発は治療の失敗ではなく、この病気の性質です。
酒さの診断と塗り薬による治療は保険診療です。用いるのはメトロニダゾールゲル(ロゼックスゲル®)で、2022年に酒さへの効能が追加されました。一方、酒さそのものに対するレーザー治療は自費です。ただし拡張した血管がはっきり確認できる場合は、毛細血管拡張症として保険診療でのレーザー治療になることがあります。どちらになるかは、診察のうえで治療を始める前にお伝えします。
数日で消えるものではありません。1日2回、患部を洗浄したあとに塗り、数週間続けたところで効果を判断します。使用期間は通常12週間までとされており、それを超えて使う場合は必要性を改めて判断します。なお妊娠3か月以内の方は使用できませんので、妊娠中や授乳中の方は必ずお申し出ください。
酒さ様皮膚炎は、顔にステロイドの塗り薬を長期間使い続けたことで、酒さによく似た赤みや発疹が現れる別の状態です。酒さが悪化したものではありません。原因が違うため治療の進め方も変わります。心当たりのある方は自己判断で薬をやめないでください。急に中止するとかえって赤みが強まることがあるため、やめ方を含めて処方した医師か当院にご相談ください。
酒さの治療には保険適用の塗り薬があり、市販品でこれに代わるものはありません。むしろ酒さの肌ではアルコールやメントールなどの成分がしみることが多く、製品を重ねるほど何が刺激になっているか分からなくなります。理想は洗浄料と保湿剤と日焼け止めの3つですが、化粧をやめられない方も多いので、まずは美容液や拭き取り化粧水など足している一品から減らしてください。しみる製品は、それだけで合っていません。
酒さはお酒が原因の病気ではありません。名前に酒という字が入っているため誤解されやすいのですが、お酒を飲まない方にも普通に起こります。飲酒は悪化のきっかけのひとつで、米国の1,066人の患者調査では52パーセントの方が挙げていますが、日光の81パーセントや精神的なストレスの79パーセントより下位です。やめる必要はありません。飲んだ日に赤みが強く出るようなら、量や頻度を見直してみてください。
酒さには、まぶたのふちの炎症や結膜の充血が主体となる眼型があります。目のゴロゴロ感、乾き、ものもらいを繰り返すといった形で現れ、皮膚の症状より先に出ることもあります。眼型は皮膚科の診察だけでは診断が難しいため、眼科での併診が必要です。皮膚の赤みと目の症状が両方ある場合は、まず皮膚科でご相談ください。そのうえで眼科の受診をご案内し、皮膚の症状の治療は当院が担当します。
酒さは、顔の赤みを起こすほかの病気を除いていくことで診断する病気です。確定させる検査がないからこそ、いつから続いているか、何をしたときに強まるか、顔に何を使ってきたかという情報が、そのまま診断の材料になります。
そして、保険適用の塗り薬から始められる病気です。当院では、まず診断を確かめ、保険診療の外用療法で炎症を抑えます。それでも血管の広がりによる赤みが残る場合に、自費のレーザー治療を組み合わせます。はじめから自費の治療をお勧めすることはありません。
顔の赤みは、人に言いづらく、自分のケアが足りないせいだと思い込みやすい症状です。酒さはお酒のせいでも、手入れ不足のせいでもありません。船橋・習志野・八千代エリアで顔の赤みやほてりにお悩みの方は、皮膚科専門医のいるふじもと皮フ科クリニックにお気軽にご相談ください。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会認定専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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