Q1. 肝斑は肝臓の病気と関係がありますか?
関係ありません。色が肝臓の色に似ているところから名前が付いたもので、肝機能とは無関係です。肝斑と診断されても、内臓の検査が必要になることはありません。
肝斑
肝斑は、両方の頬骨のあたりや額に、左右対称にぼんやりと広がる淡い褐色のシミです。輪郭がはっきりしたふつうのシミとは異なり、面として広がり、季節や体調で濃さが動きます。
30代から40代の女性に多く見られます。紫外線と女性ホルモン、そして肌をこする刺激が関わっているのが特徴です。だからこそ、レーザーを当てるだけでは治りません。
もうひとつ、大切なことがあります。肝斑がある方の多くは、ふつうのシミである老人性色素斑もいっしょに持っています。実際の診察では、この2つが混ざっている状態のほうが、どちらか一方だけよりずっと多いといえます。
肝斑は治らない、という言われ方をすることがありますが、正確ではありません。薄くすることはできます。ただし途中でやめると戻りやすいため、続け方まで含めて考える必要があります。
肝斑と肝臓の病気は関係ありません。色が肝臓の色に似ているところから名前が付いたもので、肝機能が悪いからできるわけではありません。
かんぱんと読みます。しみやそばかすと混同されやすい言葉ですが、まったく別のものです。肝斑と診断されたからといって、内臓の検査が必要になることはありません。
肝斑は、両方の頬骨のあたりに左右対称に出るのが典型です。額、上くちびる、あごに出ることもあります。
この左右対称と、目のふちを避けるという2点が、肝斑をほかのシミと分ける最大の手がかりです。診察では、拡大して見るダーモスコピーで色素のある深さを確かめ、境界の出方を確認します。あわせて肌診断機のアンテラ3Dで撮影し、目で見た印象ではなく画像として評価します。
肝斑を濃くする要因は、紫外線、女性ホルモンの変動、そして摩擦の3つです。この3つが重なることで、色素を作る細胞が刺激を受け続けます。
これらはいずれも、ご自身の不注意が原因ではありません。とくに摩擦は、肌によいと信じて続けてきたお手入れが要因になっていることが多く、責められるべきものではありません。受診の際に、いまお使いのものと洗い方を教えてください。それだけで治療の方向が決まることがあります。
ここははっきり申し上げます。肝斑が起こる仕組みそのものは、いまも完全には解明されていません。紫外線、ホルモン、摩擦がこれを濃くすることは分かっていますが、なぜ一部の方に、あの形で、左右対称に現れるのかは、まだ説明がついていません。
この点を曖昧にしたまま、原因はこれですと言い切っている情報が少なくありません。分かっていないことは分かっていないとお伝えしたうえで、いま効果があると確かめられている方法をご案内します。
肝斑は、30代から40代の女性に最も多く現れます。妊娠や出産をきっかけに気づく方が多くいらっしゃいます。
閉経後に軽くなる方が多いことも知られています。年齢とともに必ず悪化していくものではありません。
肝斑かどうかは、左右対称かどうか、輪郭がぼやけているかどうか、濃さが動くかどうかの3点で見分けます。
| 出はじめる時期 | 左右 | 形と色 | 濃さの変化 | |
|---|---|---|---|---|
| 肝斑 | 30代以降 | 両側に対称 | 輪郭のぼやけた淡い褐色の面 | 季節や体調で動く |
| 老人性色素斑 | 40代以降 | 決まっていない | 輪郭のはっきりした褐色の斑 | ゆっくり濃くなる |
| そばかす | 5歳から6歳ごろ | 両側 | 1から2ミリの点が鼻を中心に多発 | 夏に濃く、冬に薄い |
| ADM | 多くは思春期以降 | 両側 | 灰褐色から青灰色の小さな斑が集まる | 変わらない |
| 炎症後色素沈着 | 炎症のあと | 決まっていない | もとの傷やニキビの形に沿う | 自然に薄くなることがある |
| 脂漏性角化症 | 40代以降 | 決まっていない | 触ると盛り上がりがある | 厚みが増していく |
最も間違えやすいのは、肝斑と老人性色素斑です。そして実際には、この2つが同じ顔に混ざっていることがほとんどです。どちらか一方だけという方のほうが、むしろ少数といえます。平らでふつうのシミである老人性色素斑は、原因や治療、レーザーのあとの経過を別のページにまとめています。
だからこそ、見分けることが目的ではありません。どちらがどれくらいの割合で混ざっているかを見極めて、治療の順序と強さを決めることが目的です。この考え方については、このあとで詳しく説明します。
小さな点が鼻を中心に散らばり、子どものころからある場合はそばかすです。肝斑と両方ある方では、治療の組み立てが変わります。青みを帯びた色に見える場合はADMを考えます。見分け方は顔の青いシミ・青いあざの見分け方で、出はじめる時期や色ごとにまとめています。触れて厚みがある場合は脂漏性角化症です。
ご自身で見分けようとしなくて構いません。診察では、ダーモスコピーで色素のある深さと境界の出方を確認し、あわせてアンテラ3Dで撮影します。自費の治療に進む場合は、この画像による評価を必ず行ってから決めます。目で見た印象だけで判断しないためです。
肝斑がある方の多くは、老人性色素斑もいっしょに持っています。肝斑があるからという理由でシミの治療をすべて見送ると、老人性色素斑のほうもそのまま残ることになります。
肝斑にレーザーは危険だ、という情報をご覧になった方は多いと思います。これは半分は正しく、半分は説明が足りていません。
老人性色素斑に対するシミ取りのレーザーは、色素のかたまりを一度に壊す強さで照射します。かさぶたができて1週間ほどで剥がれ落ち、下から薄い皮膚が出てくる。これがうまくいく治療です。
肝斑は、この強さの刺激に反応することがあります。色素を作る細胞が敏感になっている状態のため、強い熱を受けるとその細胞が活発になり、照射した場所の肝斑が一時的に濃く見えることがあります。
ここから先が、多くの情報が書いていない部分です。
肝斑と老人性色素斑は、ほとんどの場合いっしょにあります。肝斑があるからレーザーはやめておきましょう、という判断だけで進めると、隣にある老人性色素斑もそのまま残ります。顔全体の見え方という点では、変化が出にくいことになります。
そこで当院では、照射した場所の肝斑が一時的に濃くなることがあると、あらかじめお伝えしたうえで、進めるという選択肢もご説明しています。長い目で見たときの見え方という意味では、そのほうが得られるものが大きい場合があるためです。
順番を考えるうえで、知っておいていただきたい点があります。
シミにレーザーを当てたあとには、程度の差はあれ色素沈着が起こります。かさぶたが取れたあと、一度色が戻ったように見える時期があるのはこのためです。多くは時間とともに薄くなりますが、待つだけでは長くかかることがあります。
この照射後の色素沈着は、肝斑トーニングで薄くしていくことができます。もともと肝斑に対して行う治療が、そのまま色素沈着にも働くためです。
つまり、肝斑の治療も行う前提であれば、先にシミの治療を済ませてからトーニングに入るほうが、一つの治療で肝斑と照射後の色素沈着の両方を扱えることになります。逆の順番だと、トーニングで肝斑を薄くしたあとにシミのレーザーを当てて、また色素沈着から立て直すことになります。
当院は、どちらの進め方も無理にお勧めすることはありません。混ざり方は人によって違いますし、一時的な変化をどこまで受け入れられるかも、お仕事やご予定によって変わります。
大切なのは、選ぶために必要な材料をお渡しすることだと考えています。診察では、ダーモスコピーで確認し、さらに肌診断機のアンテラ3Dで撮影して、画像として評価します。自費の治療では、この手順を必ず踏みます。目で見た印象だけで判断しないためです。
そのうえで、何が起こりうるか、どのくらいの期間がかかるか、順番を変えると何が違うかをお伝えします。進めるかどうか、どこまで行うかは、ご本人のお考えを第一にして決めます。急いで決める必要もありません。
肝斑の治療で効果が確かめられているのは、飲み薬と塗り薬、そして弱い出力の光を重ねる肝斑トーニングです。この3つと、こすらないケアを組み合わせます。
肝斑トーニングは、弱い出力のレーザーを顔全体に均一に、何度も重ねて当てる治療です。一度に色素を壊すのではなく、少しずつ減らしていきます。当院ではディスカバリーピコプラスを用います。
肌の色素沈着に対して、トラネキサム酸やシナールを内服していただくことがあります。診察のうえで、必要と判断した場合にご案内します。
少しのダウンタイムを受け入れられる方には、ドクターズコスメのゼオスキンのセラピューティックコースを、先に行うことをお勧めしています。
皮膚の生まれ変わりを一時的に強く促すため、途中で赤みや皮むけ、ひりつきが出ます。この期間をどう過ごせるかが、続けられるかどうかの分かれ目になります。お仕事やご予定を伺ったうえで、始める時期をご相談します。
合う方には、レーザーを始める前の土台づくりとして働きます。詳しい内容と費用は診察でご説明します。
次の2つは、肝斑そのものの治療ではありません。肝斑に混ざっている、そばかすや老人性色素斑に対して行うものです。
どちらも肝斑を薄くするためのものではありません。肝斑が反応して、一時的に濃くなることもあります。行うかどうか、いつ行うかは、混ざり方を見たうえで、先ほどご説明した考え方に沿って決めます。
ここは正直に申し上げます。肝斑に対して、飲み薬、塗り薬、肝斑トーニングまでは一定の効果があると評価されています。しかし、それを超える治療については、はっきりした裏づけがまだありません。
肝斑がなぜできるのかという仕組み自体が解明されていない以上、これで確実に治るという方法は、現時点では存在しないというのが事実です。強い治療を重ねれば早く消えるというものではありません。
料金の全体は料金案内をご覧ください。機器についてはディスカバリーピコプラスのページで説明しています。
当院の機器は、いずれも薬機法の承認を受けたものです。
肝斑で最も大切なのは、こすらないことです。治療を受けていても、こする習慣が続いていれば薄くなりません。
こすらないという1点だけでも、数か月続けると変化が出る方がいらっしゃいます。治療と同じくらい大切な部分です。
肝斑は薄くできますが、完全に消してそのままという状態にするのは難しいものです。ケアをやめると戻ることがあります。
ここを曖昧にしている情報が多いので、はっきり申し上げます。肝斑は、体質と、日々の刺激によって続いている状態です。紫外線とホルモンと摩擦のうち、摩擦と紫外線は続くかぎり影響し続けます。だから、一度薄くなっても、こする習慣が戻れば再び濃くなります。
そのうえで、次のことは言えます。
目標は、肝斑を消すことではなく、顔全体として目立たない状態にすることです。この考え方に切り替えられると、治療が続けやすくなります。
関係ありません。色が肝臓の色に似ているところから名前が付いたもので、肝機能とは無関係です。肝斑と診断されても、内臓の検査が必要になることはありません。
左右対称に出ているか、輪郭がぼやけているか、季節で濃さが動くかの3点で見分けます。肝斑は両方の頬骨のあたりに対称に出て、目のふちを避けるのが特徴です。ただし実際には老人性色素斑と混ざっていることがほとんどで、見た目だけでの判断は困難です。
受けられないわけではありません。強い照射で肝斑が一時的に濃くなることはありますが、肝斑と老人性色素斑は混ざっていることがほとんどで、すべて見送ると老人性色素斑も残ることになります。当院では起こりうる変化をお伝えしたうえで、進めるという選択肢もご説明します。どこまで行うかは、ご本人のお考えを第一にして決めます。
肝斑の治療も行う前提であれば、シミの治療を先にするほうが効率的です。シミにレーザーを当てたあとには色素沈着が起こりますが、その色素沈着は肝斑トーニングで薄くしていけるためです。順番を選べば、一つの治療で肝斑と照射後の色素沈着の両方を扱えます。
肝斑トーニングは5回から10回程度が目安です。1回で終わる治療ではありません。途中の経過を見ながら回数を調整します。
飲み薬だけで治るものではありません。当院では肌の色素沈着に対してトラネキサム酸やシナールを内服していただくことがありますが、遮光とこすらないケア、そして肝斑トーニングと組み合わせて行います。
薄くなる方もいらっしゃいますが、多くの場合それだけでは足りません。むしろ、化粧品を塗り込むときの摩擦が肝斑を濃くしていることがあります。使うこと自体より、こすらずに使えているかどうかが大切です。
基本的には、妊娠中と授乳中は行わないことが多いです。ただし顔に当てたレーザーが赤ちゃんに影響することは、理屈のうえでは考えにくいとされています。そのうえでご希望される方には、ご了承をいただいたうえで対応しています。まずは遮光とこすらないケアで濃くならないようにしていただき、ご希望があれば診察でご相談ください。
戻ることがあります。紫外線と摩擦は続くかぎり影響し続けるため、遮光とこすらないケアをやめると再び濃くなります。目標は消すことではなく、目立たない状態を保つことです。
なります。女性より数は少ないものの、男性の肝斑もあります。とくに汗を多くかくお仕事の方に多く、汗を拭う動作の繰り返しで額やフェイスライン、口の周りに現れることがよくあります。治療の考え方は同じで、こすらないことと遮光が土台になります。
ダーモスコピーで皮膚を拡大し、色素のある深さと境界の出方を確認します。さらに肌診断機のアンテラ3Dで撮影し、画像として評価します。自費の治療に進む場合は、この手順を必ず踏みます。目で見た印象だけで判断しないためです。
肝斑は、両方の頬骨のあたりに左右対称にぼんやり広がる淡い褐色のシミです。紫外線と女性ホルモンと摩擦の3つが濃くする要因になります。
治療は、肝斑トーニングと飲み薬、そして塗るケアを組み合わせます。効果が確かめられているのはここまでで、それ以上の治療についてはまだ明らかになっていません。そして治療と同じくらい大切なのが、こすらないことです。
肝斑があるからといって、シミの治療をあきらめる必要はありません。肝斑と老人性色素斑は混ざっていることがほとんどで、すべて見送ると老人性色素斑も残ることになります。肝斑の治療も行う前提であれば、シミの治療を先に済ませたほうが効率的です。照射後の色素沈着も、肝斑トーニングで薄くしていけるためです。
診察では、ダーモスコピーとアンテラ3Dの画像で評価したうえで、起こりうる変化と順番をお伝えします。目で見た印象だけで決めることはしません。そして、進めるかどうかはご本人のお考えを第一にして決めます。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会認定専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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