2026年10月01日

医療脱毛を受けた日、今夜はお風呂に入っていいのか、飲み会に行っていいのかと迷う方は少なくありません。結論から言うと、施術当日は湯船・激しい運動・飲酒・サウナを控えてシャワーで済ませ、脱毛した部位はこすらずに保湿し、紫外線を防ぐことが基本です。皮膚科の立場からもう一つお伝えしたいのは、赤みやブツブツが出たときに、様子を見てよい反応なのか、治療が必要なトラブルなのかを見分けることです。この記事では、当院で患者さんにお渡ししている注意事項をもとに、脱毛後の過ごし方と受診の目安を皮膚科専門医が解説します。
医療脱毛後のアフターケアとは?
医療脱毛後のアフターケアとは、レーザーの熱を受けた皮膚を落ち着かせ、赤み・毛嚢炎・色素沈着を防ぐために、施術後の数日間に行うケアです。医療レーザー脱毛は毛根のメラニンに熱を集めて毛を作る組織にダメージを与える施術で、周りの皮膚にも一時的に熱がこもり、敏感で乾燥しやすい状態になります。
ケアの基本は次の3つです。
- 冷やす — 施術直後のほてりや赤みを、保冷剤などで落ち着かせます
- 保湿する — 乾燥して敏感になった皮膚を守ります
- 紫外線を防ぐ — 色素沈着を防ぐため、施術後も日焼け対策を続けます
医療レーザー脱毛のしくみについては、当院の医療脱毛のページで詳しく説明しています。
施術直後から当日にすること
施術直後のほてりや軽い痛みは、保冷剤や氷水をタオルで包み、脱毛した部位を10分程度冷やすと落ち着きやすくなります。氷や保冷剤を肌に直接当てないこと、冷やしすぎないことに注意してください。
- 冷やす — タオルで包んだ保冷剤を10分程度当てます。ほてりが残るときは時間をあけて繰り返します
- 洗い方 — ボディソープや洗顔料をよく泡立て、強くこすらずに優しく洗います
- 保湿 — 帰宅後から、刺激の少ない保湿剤を脱毛した部位に塗ります
- 赤み・かゆみが続くとき — 当院でお渡ししている炎症や赤みを抑える塗り薬を、1日2回塗ってください
施術直後の赤みや熱感は、多くの場合、数時間から1日程度で自然に落ち着きます。
お風呂・運動・お酒・サウナはいつから?
施術当日は湯船・激しい運動・飲酒・サウナを控え、ぬるめのシャワーで済ませてください。体が温まって血流が良くなると、赤みやかゆみ、腫れが出やすくなるためです。
| 行動 | 施術当日 | 翌日以降 | 控える理由 |
|---|---|---|---|
| シャワー | ○ ぬるめで、こすらずに | ○ | — |
| 湯船 | × 控える | 赤みが引いていれば入浴できます | 体温が上がると赤み・かゆみが出やすい |
| 激しい運動 | × 施術後12時間程度は控える | 赤みが引いていれば再開できます | 血行が良くなり、炎症やかゆみ、痛みが出やすい |
| 飲酒 | × 施術後12時間程度は控える | 赤みが引いていれば飲めます | 血管が広がり、赤み・かゆみが強くなりやすい |
| サウナ・岩盤浴・ホットヨガ | × 控える | 赤みが引いていれば再開できます | 体温の上昇と汗で、赤みや毛嚢炎が起こりやすい |
何日やめればよいかよりも、脱毛した部位の赤みが引いているかどうかを目安にしてください。翌日になっても赤みやほてりが残っているときは、もう1日控えるほうが安心です。
翌日からのスキンケアと生活の注意点
施術後数日間は肌が敏感になりやすいため、保湿と紫外線対策をしっかり続けることが基本です。顔の脱毛をした方の化粧は、翌日からにしてください。
- 保湿 — 刺激の少ない保湿剤を朝晩2回、こすらずに手のひらで押さえるように塗ります
- 洗顔・クレンジング — よく泡立ててぬるま湯で洗い、スクラブやピーリングは赤みが引くまで控えます。クレンジングのあとは普段よりしっかり保湿します
- 化粧 — 顔の脱毛をした場合は翌日から再開できます
- 日焼け止め — 外出時はSPF30以上を目安に使い、帽子や長袖も組み合わせます。日焼けと脱毛の関係は日焼けした肌に医療脱毛はできる?で詳しく解説しています
- 制汗剤 — わきを脱毛した方は、制汗剤の使用を数日控えてください
- 治療中の塗り薬 — ステロイドなど、治療で使っている塗り薬は施術当日から再開できます
抜けてくる毛と自己処理
照射した部位の毛は、2〜3週間かけて自然に抜け落ちます。伸びてきた毛が気になるときは、毛抜きを使わずにカミソリやシェーバーで処理してください。
毛抜きで抜くと、レーザーが反応する毛根がなくなり、次回の照射の効果が落ちてしまいます。毛穴や皮膚を傷つけて、毛嚢炎の原因にもなります。
様子を見てよい反応と、受診すべきトラブルの見分け方
赤みが1日程度で引き、強い痛みがなければ、様子を見て構いません。お渡しした塗り薬を使っても赤みやかゆみが続く場合や、薬がなくなっても症状が続く場合は、次の予約を待たずに当院へご連絡ください。水ぶくれや強い痛みがある場合は、できるだけ早くご連絡ください。
脱毛後に起こりやすい肌の変化は次のとおりです。
- 赤み・熱感 — 施術直後にもっとも多く見られる反応です。多くは数時間から1日で自然に落ち着きます
- かゆみ — 乾燥や、毛穴の軽い炎症のはじまりで出やすくなります。掻かずに冷やして保湿し、続くときはお渡しした塗り薬を使います
- 毛嚢炎(もうのうえん) — 毛穴に一致した赤いブツブツで、施術後1〜3日以内に出ることが多い反応です。清潔を保つと自然に治まることがほとんどですが、数が増える、膿を持つ、痛むときは治療が必要です
- やけど(熱傷) — 水ぶくれ、強い痛み、かさぶたができた状態です。自己判断で様子を見ず、早めに受診してください
- 色素沈着 — 照射した部位が茶色っぽく残る状態で、日焼けした肌で起こりやすくなります。施術前後の紫外線対策が予防になります
脱毛後のブツブツは、ニキビと見分けがつきにくいことがあります。脱毛した部位に一致して、毛穴ごとに出ているかどうかが手がかりです。ニキビとの違いはニキビ・肌荒れがあっても医療脱毛はできる?で詳しく解説しています。
アトピー性皮膚炎やニキビがある方の脱毛とアフターケア
アトピー性皮膚炎やニキビがあると医療脱毛は受けられないと思われている方がいますが、皮膚の状態を診察し、炎症が落ち着いている時期に正しく管理しながら行えば、多くの場合は施術を受けられます。脱毛を受けられるかどうかを分けるのは、病気があるかどうかではなく、その日の皮膚の状態です。
皮膚の病気や持病、服薬のある方に、医師の管理のもとで行う医療レーザー脱毛を有病者脱毛といいます。当院では、皮膚科専門医が肌の状態とお使いの薬を確認したうえで、照射する部位や出力を決めています。
アフターケアでは、脱毛後の保湿を普段より丁寧に行い、治療中の塗り薬は施術当日から再開してください。乾燥によるかゆみから掻いてしまうと、湿疹や毛嚢炎が悪化しやすくなるためです。
肌トラブルがある方の医療脱毛については、次の記事で詳しく解説しています。
よくある質問
脱毛した日にお風呂に入ってもいいですか?
シャワーは入って構いませんが、湯船は施術当日は控えてください。体が温まると赤みやかゆみが出やすくなるためです。翌日以降、赤みが引いていれば湯船に入れます。
脱毛した日にお酒を飲んでもいいですか?
施術後12時間程度は、飲酒を控えてください。お酒で血管が広がると、赤みやかゆみが強くなりやすくなります。
脱毛後、運動はいつからできますか?
激しい運動は、施術後12時間程度は控えてください。翌日以降、赤みが引いていれば再開できます。
顔の脱毛のあと、化粧はいつからできますか?
顔の脱毛をした場合、化粧は翌日から再開できます。化粧を落とすときはこすらずに洗い、そのあとはしっかり保湿してください。
脱毛後に赤いブツブツが出ました。大丈夫ですか?
毛穴に一致した小さな赤いブツブツは毛嚢炎のことが多く、清潔を保つと自然に治まることがほとんどです。数が増える、膿を持つ、痛む、お渡しした塗り薬を使っても続くといった場合は、次の予約を待たずにご連絡ください。
脱毛後に伸びてきた毛は抜いてもいいですか?
毛抜きは使わず、カミソリやシェーバーで処理してください。照射した毛は2〜3週間かけて自然に抜け落ちます。毛抜きで抜くと、次回の照射の効果が落ちてしまいます。
アトピー性皮膚炎やニキビがあっても医療脱毛はできますか?
炎症が落ち着いていれば、多くの場合は施術を受けられます。受けられるかどうかを分けるのは病気の有無ではなく、その日の皮膚の状態です。カウンセリングで、肌の状態とお使いの薬をお聞かせください。
まとめ
医療脱毛後は、施術当日は湯船・激しい運動・飲酒・サウナを控えてシャワーで済ませ、脱毛した部位はこすらずに保湿し、紫外線を防いでください。湯船や運動は、翌日以降に赤みが引いていれば再開できます。赤みやかゆみが塗り薬を使っても続く場合、ブツブツが増える・膿を持つ場合、水ぶくれや強い痛みがある場合は、次の予約を待たずにご相談ください。
アトピー性皮膚炎やニキビがある方も、肌の状態に合わせて正しく管理しながら行えば、多くの場合は医療脱毛を受けられます。当院は皮膚科として、医療脱毛の施術から肌トラブルの診察・治療までを同じ院内で行っています。医療脱毛のカウンセリングは無料です。肌の状態や治療中のお薬についても、カウンセリングでお聞かせください。
記事監修者

ふじもと皮フ科クリニック 院長
藤本 栄大(ふじもと えいた)
医学博士
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
防衛医科大学校卒業後、自衛隊病院・防衛医科大学校附属病院での勤務を経て日本皮膚科学会皮膚科専門医を取得。同大学院在籍中に米国UC Davis(皮膚科学教室)へ留学し医学博士を取得。海上幕僚監部衛生企画室勤務、南極観測船「しらせ」医務長(第54次)、Pacific Partnership参加等を経て、2015年にふじもと皮フ科クリニックを開院。日本医科大学千葉北総病院との共同研究を継続的に実施。






