いぼ(ウイルス性)
いぼ(ウイルス性)
いぼは、ヒトパピローマウイルスによってできる、人から人へうつることのあるできものです。医学的には尋常性疣贅といいます。じんじょうせいゆうぜいと読みます。ふじもと皮フ科クリニックでは、いぼかどうかをダーモスコピーで確かめ、厚くなった角質を削ってから液体窒素で凍らせる治療を、保険診療で行っています。

いぼは、皮膚に小さく盛り上がった硬いできもので、多くの場合はかゆみや痛みはありません。ただし、足の裏など体重がかかる部位にできると、歩くときに痛むことがあります。手足にできることが多く、少しずつ大きくなったり、まわりに数が増えたりします。
いぼは、大きくなるほど、また数が増えるほど、治療の回数がかかります。足の裏のものは角質が厚いため、顔や手のものより回数が必要になりやすいです。時間が経つと数が増えたり大きくなったりすることがあるため、気づいた段階でご相談ください。
加齢によってできる老人性イボは、これとは別のできものです。正式には脂漏性角化症といい、ウイルスが原因ではないため人にうつりません。顔や頭皮、体幹に多く、40代から数が増えていきます。見分け方と治療は脂漏性角化症のページにまとめています。
当院でも、足の裏と爪のまわりのいぼは、回数がかかることが多いです。同じウイルスによるいぼでも、できる場所によって見た目と治りやすさが変わります。
| できる場所 | 見た目の特徴 | 治療の見通し |
|---|---|---|
| 手や指 | 表面がざらついた硬い盛り上がりになります | 比較的早く治まることが多いです |
| 足の裏 | 盛り上がらず硬い面になります | 角質が厚いため回数がかかります |
| 爪のまわりや爪の下 | 爪の縁が盛り上がり爪が変形することがあります | 治りにくいいぼです |
| 顔や首 | 細く伸びるものや平たいものがあります | 色素沈着が残ることがあります |
爪のまわりや爪の下のいぼは、爪の変形や巻き爪と間違われることがあります。爪の痛みでお困りの方は陥入爪・巻き爪のページもあわせてご覧ください。
HPVは、皮膚にできた小さな傷から入り込むと考えられています。目に見えないほどの傷でも入口になります。入り込んだウイルスは皮膚のいちばん奥の細胞にひそみ、長い間とどまると考えられています。
手足が荒れている方、湿疹のある方は、皮膚に細かい傷ができやすくなります。仕事で水や刃物を扱う方の手にできやすいことも知られています。
日本全体でどのくらいの方にいぼがあるかは分かっていません。日本皮膚科学会が皮膚科の外来を受診した方を対象に行った調査では、受診された方の4.49%がウイルス性のいぼを主訴としていました。
削る前のいぼは、魚の目やタコと見分けがつかないことがあります。いぼは皮膚の紋を押し広げるように育つため、表面の角質を削ると細かい点状の出血が見えてきます。魚の目やタコでは、この点状の出血は見られません。
| できもの | 見た目の手がかり | 人にうつるか | くわしい解説 |
|---|---|---|---|
| ウイルス性のいぼ | 削ると点状の出血が見えます | うつります | このページ |
| 魚の目・タコ | 中心に硬い芯があり押すと強く痛みます | うつりません | たこ・うおのめ |
| 水いぼ | 表面がつるりとして中心がくぼみます | うつります | 水いぼ |
| 老人性イボ | 茶色くざらつき40代から数が増えます | うつりません | 脂漏性角化症 |
| 首のやわらかいできもの | 細く飛び出しやわらかく触れます | うつりません | 診察でご説明します |
魚の目やタコは、圧迫や摩擦で角質が厚くなったもので、ウイルスの感染ではありません。中心に硬い芯があるかどうか、押すと強く痛むかどうかが手がかりになります。見分け方と治療はたこ・うおのめのページにまとめています。
お子さんに多い水いぼは、伝染性軟属腫といい、いぼとは別のウイルスによるものです。表面がつるりとして中心がくぼんでいるのが特徴で、治療の考え方も変わります。くわしくは水いぼのページをご覧ください。
首やわきの下にできる、やわらかく飛び出した小さなできものは、いぼとは別のものです。加齢や摩擦でできるもので、人にはうつりません。気になる場合は診察でご相談ください。
当院では、いぼかどうかをダーモスコピーで確かめてから治療に入ります。ダーモスコピーは皮膚を拡大して見る器具です。皮膚の紋がどう変化しているか、点状の出血があるかを確かめられます。
ダーモスコピーで見ると、いぼの表面には赤や茶色、黒色の細かい点が集まって見えます。いぼの中に入り込んだ細い血管と、そこからの出血です。皮膚の紋が押し広げられているか、途切れているかも手がかりになります。表面が敷石のように見えるときは、いぼと判断しやすくなります。
いぼは皮膚の紋を押し広げるように育ちます。削る前は点状の出血が見えず、魚の目やタコと同じように見えることがあります。角質を削って初めて、いぼの特徴がはっきりします。いぼの表面は角質が厚くなっていることが多いため、当院では厚みを削ってから液体窒素をあてています。削る処置には医療用の器具を使います。診断と治療が同時に進むことになります。
治療が進んでいるかどうかも、同じようにダーモスコピーで確かめます。皮膚の紋が元に戻り、点状の出血が見えなくなったところが、ひとつの目安になります。見た目だけでは残っているかどうかが分かりにくいためです。
いぼの表面は角質が厚くなっていることが多いため、当院では厚みを削ってから液体窒素をあてています。液体窒素による凍結療法は、いぼの治療の中心になる方法で、保険診療で受けられます。
顔のいぼにも液体窒素を行っています。顔は色素沈着が残ることがあるため、その点をお伝えしたうえで、ご希望をうかがって判断します。
いぼに対する液体窒素の処置は保険が使えます。窓口でのお支払いや治療の間隔については、診察のときにご説明します。
何度か通っても変化が乏しい場合は、方法を変えることを検討します。いぼの大きさ、部位、これまでの経過を診察で確かめたうえで、次にどうするかを決めます。診察のうえで、どの方法になるかを事前にお伝えします。
いぼの薬には、保険で使えるものと使えないものがあります。当院では、サリチル酸を含む塗り薬と貼り薬、そして飲み薬のヨクイニンを、液体窒素と組み合わせて使っています。
厚くなった角質をやわらかくして、はがれやすくする薬です。貼り薬は市販薬としてスピール膏という名前でも販売されており、サリチル酸を50%含みます。効能にはいぼが含まれています。
ただし、目のまわり、粘膜、顔、炎症を起こしているところ、傷や化膿しているところには使えません。糖尿病で治療を受けている方は、使う前にご相談ください。貼る範囲や交換のしかたは、いぼの大きさと部位によって変わりますので、診察のときにご説明します。
ハトムギから作られる生薬で、保険が使えます。効果が出るまでに数か月かかることが多く、液体窒素と組み合わせて使います。
| 治療 | 使い方 | 保険 |
|---|---|---|
| 液体窒素による凍結療法 | 1〜2週間ごとに通院します | 使えます |
| サリチル酸を含む塗り薬と貼り薬 | 角質をやわらかくします | 診察のときにご説明します |
| ヨクイニンの内服 | 数か月続けます | 使えます |
液体窒素のあとには、数時間の痛みと水ぶくれが起きることがあります。いずれも治療の過程で起こるもので、多くはそのまま落ち着きます。
治療の途中で、いぼの中心が治まり周囲が輪のように残ることがあります。その場合は凍らせ方を見直します。足の裏の広がったいぼでも、同じように周囲へ広がって見えることがあります。
水ぶくれが大きい、痛みが強い、赤く腫れて膿んできた、といったときは、次のご予約を待たずにご連絡ください。
お子さんのいぼは自然に治ることも多く、痛い治療を無理に続ける必要はありません。当院では、痛みに耐えられないお子さんには、サリチル酸製剤を使った治療を優先することもあります。
いぼはお子さんに多いできものです。日本皮膚科学会が皮膚科の外来を受診した方を対象に行った調査では、6歳から10歳では23.01%、11歳から15歳では17.18%がウイルス性のいぼを主訴としていました。
液体窒素を行う場合も、強さを弱めに調整します。泣いてしまう、次から来たがらない、といったことが続くようであれば、治療の進め方を一緒に決め直します。通うこと自体がつらくなってしまうと、治療が続かなくなるためです。
船橋市・習志野市・八千代市の子ども医療費助成は、いずれも18歳に到達した後、最初の3月31日までが対象です。
ご自身で削ったり切ったりすると、出血や感染が起こることがあります。また、診断がついていないできものを取ってしまうと、あとから調べられなくなります。ご家庭では、広げないことと、皮膚を守ることの2つを心がけてください。
市販の貼り薬を使ってみたい場合は、貼る場所と期間を決めてからにしてください。目のまわり、粘膜、顔、傷のあるところには使えません。ご自身で判断がつかないときは、診察でご相談ください。当院では、削る処置と液体窒素を組み合わせて治療しています。
何か月たっても変わらないときは、いぼ以外のできものであることもあります。まれですが、いぼによく似た見た目のできもののなかに、詳しく調べたほうがよいものがあります。ご自身で判断せず、一度ご相談ください。
診察やダーモスコピーで、いぼ以外の病気が疑われ、皮膚の一部を採って調べる検査が必要と考えられる場合は、連携している高度医療機関へご紹介します。主に日本医科大学千葉北総病院、船橋市立医療センター、順天堂大学医学部附属浦安病院です。
見た目に消えたあとも、しばらくは様子を見ていただくことがあります。ヒトパピローマウイルスは皮膚のいちばん奥の細胞にひそんでいるため、消えたように見えたあとで同じ場所や近くに出てくることがあるためです。気になる変化があれば、次のご予約を待たずにお越しください。
いぼの診察と治療は保険診療ですので、一般皮膚科の枠でご予約ください。診察でいぼと診断がつけば、そのまま処置に進めることがほとんどです。
自然に消えることがあります。とくにお子さんでは自然に治ることが多いとされています。ただし、どのくらいで消えるかは分かっておらず、その間にほかの部位へ広がることもあります。数が増えてきた、大きくなってきたというときは、一度ご相談ください。
液体窒素をあてているあいだと、そのあと数時間、痛みを感じることがあります。痛みの感じ方には個人差があります。当院では、部位やいぼの状態を見ながら凍らせる強さを調整しています。つらいときは遠慮なくお伝えください。
再発することがあります。ヒトパピローマウイルスは皮膚のいちばん奥の細胞にひそんでいるため、見た目に消えたあとでも、同じ場所や近くに出てくることがあります。治ったあともしばらくは、変化がないかご自身で見ておいてください。
できます。お子さんのいぼは自然に治ることも多く、痛い治療を無理に続ける必要はありません。当院では、痛みに耐えられないお子さんには、サリチル酸製剤を使った治療を優先することもあります。液体窒素を行う場合も強さを弱めに調整します。
当院では1〜2週間ごとにお越しいただいています。小さいものは3〜4回程度で改善することもありますが、多くの方は回数が必要になります。足の裏や爪のまわりのいぼは、角質が厚いぶん回数がかかることが多いです。あらかじめ何回で終わりと決めているわけではありません。
サリチル酸を含む市販の貼り薬で、厚くなった角質をやわらかくすることはできます。ただし、目のまわり、粘膜、顔、炎症を起こしているところ、傷や化膿しているところには使えません。糖尿病で治療を受けている方は、使う前にご相談ください。いぼかどうかがはっきりしないまま使うと、別のできものを見過ごすことになります。
無理に潰さず、清潔を保ってお過ごしください。液体窒素のあとにできることがあり、多くはそのまま落ち着きます。水ぶくれが大きい、痛みが強い、赤く腫れて膿んできたというときは、次のご予約を待たずにご連絡ください。
当院ではダーモスコピーで確かめています。皮膚の紋が元に戻り、点状の出血が見えなくなったところがひとつの目安です。見た目だけでは残っているかどうかが分かりにくく、消えたように見えても出てくることがあるため、しばらく間隔をあけて確認することがあります。
できます。当院では妊娠中の方にも、通常どおり液体窒素による治療を行っています。気になることがあれば診察のときにお伝えください。
うつることがあります。タオルやスリッパ、床などを介してうつることが報告されています。ご家族とタオル・スリッパ・靴下を共用しないでください。一方で、床や浴室を消毒薬でふいたり、ご家族と別のお風呂に入ったりする必要はありません。
ウイルス性のいぼの治療は、すべて保険診療で行えます。液体窒素による冷凍凝固術が基本で、1回で取り切れることは少なく、回数を重ねて治療します。なお、年齢とともにできる脂漏性角化症(老人性いぼ)はウイルス性のいぼとは別の病気で、治療の考え方も費用の扱いも異なります。どちらにあたるかは診察で見分けます。
いぼと間違われやすいできものについては、たこ・うおのめ、水いぼ、脂漏性角化症の各ページにまとめています。爪の痛みでお困りの方は陥入爪・巻き爪のページもあわせてご覧ください。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
TOP
