水疱瘡(みずぼうそう)
水疱瘡(みずぼうそう)
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水疱瘡は、水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染して起こる病気で、かゆみの強い水ぶくれが全身に出ます。お子さんの多くは自然に治りますが、大人がかかると重くなりやすい病気です。

水疱瘡は、医学的には水痘といいます。水ぼうそう、みずぼうそうと書くこともありますが、どれも同じ病気です。
赤い発疹が出て、半日から1日ほどで小さな水ぶくれになり、やがてかさぶたになって治ります。発疹は数日にわたって次々に出るため、赤い発疹と水ぶくれとかさぶたが同時に見られるのが特徴です。発疹が出始めてから、すべてがかさぶたになるまでは7日から10日ほどです。
かかるのは多くが9歳以下のお子さんです。2014年10月に水痘ワクチンが定期接種になり、患者さんの数は大きく減りました。そのかわりに、ワクチンを受けたあとでかかる、発疹の少ない軽い水疱瘡が増えています。
一度かかったあともウイルスは体の中に残り、年月がたってから帯状疱疹として出ることがあります。
水疱瘡は、とてもうつりやすい病気です。空気にただようウイルスを吸い込むことでうつり、せきやくしゃみのしぶき、水ぶくれの中身に触れることでもうつります。家族の中で一人がかかると、かかったことのない家族の90%が発症すると報告されています。
うつってから発疹が出るまでの潜伏期間は、およそ2週間です。早い人で10日、遅い人では21日ほどかかります。
うつる力があるのは、発疹が出る1日から2日前から、すべての発疹がかさぶたになるまでです。発疹が出る前の、本人も気づかない時期からうつるため、気づいたときにはきょうだいにうつっていることがよくあります。
| 時期 | ほかの人にうつるか | ご家庭でのめやす |
|---|---|---|
| うつってから発疹が出る2日ほど前まで | うつしません | 体調と皮膚の変化に気をつけます |
| 発疹が出る1日から2日前 | うつります | 本人も気づかないことがほとんどです |
| 発疹が出ているあいだ | うつります | 家族と部屋やタオルを分けます |
| すべての発疹がかさぶたになったあと | うつしません | 登園や登校ができます |
帯状疱疹の人の水ぶくれからも、水疱瘡にかかったことのない人へうつり、その人には水疱瘡として出ます。おじいさんやおばあさんの帯状疱疹から、お孫さんが水疱瘡になることもあります。
お子さんの水疱瘡は、発疹から始まることがほとんどです。大人では、発疹の前に熱やだるさが出ることがよくあります。
発疹は頭の中や顔、胴体から出始め、手足へ広がっていきます。強いかゆみを伴うのが特徴で、熱は出ないこともあれば、38度前後まで上がることもあります。
| 段階 | 見た目 | 変わり方 | うつるか |
|---|---|---|---|
| 赤い発疹 | 虫刺されのような小さな赤いぶつぶつ | 数時間から半日で盛り上がります | うつります |
| 水ぶくれ | 透き通った水をためた小さな水ぶくれ | まわりが赤く縁どられます | うつります |
| 膿をもつ | 水ぶくれの中身が白く濁ります | 1日から2日でしぼみます | うつります |
| かさぶた | 茶色から黒っぽいかさぶた | 1週間から2週間で自然にはがれます | すべてがかさぶたになればうつしません |
新しい発疹は数日にわたって出続けるため、発疹が出始めてから3日から5日ほどは数が増えていきます。新しい発疹が出なくなり、すべてがかさぶたになったところが、治ったという目安です。発疹が出始めてから、多くは7日から10日でここまで進みます。
かさぶたは、無理にはがさなければ自然に落ちます。かき壊したところは、細菌が入って赤く腫れたり、へこんだ痕が残ったりすることがあります。
大人がかかる水疱瘡は、お子さんより重くなりやすく、熱が高くなったり、発疹の数が多くなったりします。肺炎などの合併症を起こすこともあります。
大人の水疱瘡は、熱やだるさが先に出て、そのあと1日から2日で発疹が出ることがよくあります。かぜだと思っていたところに発疹が出て、水疱瘡と分かる方もいます。お子さんが水疱瘡になって2週間ほどたったころに、親御さんに発疹が出ることもあります。
当院では大人の水疱瘡も診ています。熱が高い、息苦しい、ぐったりしているなど、重症で入院が必要な場合は、基幹病院をご紹介することもあります。
妊娠中の方が水疱瘡のお子さんと接触した場合や、ご自身に発疹が出た場合は、かかりつけの産婦人科の医師にご相談ください。妊娠20週ごろまでの感染で、まれに赤ちゃんに影響が出ることがあります。
水痘ワクチンは、妊娠中は受けられません。これから妊娠を考えている方で、水疱瘡にかかったことがなく、ワクチンの記録もない方は、かかりつけの医師にご相談ください。
水疱瘡に一度かかると、ふつうは一生続く免疫ができ、もう一度水疱瘡になることはほとんどありません。
ただし、ウイルスは治ったあとも神経の中にひそんで残ります。年齢を重ねたり、疲れや病気で免疫が落ちたりしたときに、体の片側に帯状に水ぶくれと痛みが出ることがあります。これが帯状疱疹です。帯状疱疹は、水疱瘡が2回目に出たものではなく、残っていたウイルスがふたたび動き出したものです。
水痘ワクチンは1回で重い水疱瘡をほぼ防ぎ、2回受けると軽いものも含めて発症を防げると考えられています。それでも、受けた方のうち接触後に10%から20%ほどが発症すると報告されています。これをブレイクスルー水痘といいます。
ブレイクスルー水痘はとても軽く、発疹が数個から数十個しか出ず、熱も出ないことが多いのが特徴です。水ぶくれにならず赤いぶつぶつのままのこともあり、見た目だけでは水疱瘡と分かりにくくなります。軽くても、ほかの人にはうつります。
水痘ワクチンが定期接種になってから、典型的な水疱瘡を診る機会は減りました。かわりに増えているのが、発疹が数個しかない軽い水疱瘡です。
こうした軽い水疱瘡は、虫刺されやとびひ、あせもと見分けがつきにくく、見た目だけで判断するのが難しいことがあります。熱が出ないことも多く、ご家族も水疱瘡とは思わずに過ごしていることがあります。けれども軽くても、ほかの人にはうつります。
当院では、見た目で判断しにくいときは検査で確かめます。水ぶくれの中身を綿棒でとり、およそ5分から10分で結果が分かります。水疱瘡かどうかが分かれば、登園や登校をいつまで控えるか、ご家族のだれに気をつけてもらうかを、はっきりお伝えできます。
ワクチンを受けたことがあるからと、水疱瘡ではないと決めつけないでください。体に水ぶくれを伴うぶつぶつがいくつか出てきたら、一度ご相談ください。
水疱瘡の診察と治療は保険診療です。
発疹の見た目と経過で診断します。発疹が少ないときや、ほかの病気と見分けにくいときは、水ぶくれの中身を綿棒でとって検査します。結果はおよそ5分から10分で分かります。
水疱瘡は、お子さんであれば多くが自然に治る病気で、全員に抗ウイルス薬が必要なわけではありません。一方で、発疹が出てから48時間以内に飲み始めると、症状が軽くなるとされています。
当院では、薬を使うかどうかを、ご本人や親御さんのご意向をうかがって決めています。発疹が出てから時間がたっている場合は処方しません。
かゆみが強いときは、かゆみを抑える薬をお出しします。熱が出たときの解熱剤は、アセトアミノフェンをおすすめしています。アスピリンは使わないでください。水疱瘡のときにアスピリンを飲んだお子さんで、ライ症候群という重い病気が起きることがあります。
かき壊したところが赤く腫れてじゅくじゅくしてきたときは、細菌がついていることがあります。そのときは細菌に対する治療をあわせて行います。
水疱瘡の治療中に、ご家庭でできることをまとめます。
水疱瘡にかかったことがなく、ワクチンも受けていないご家族は、およそ2週間後に発疹が出ることがあります。その間は体調の変化に気をつけてください。
水疱瘡は、学校保健安全法で第二種の感染症に定められています。すべての発疹がかさぶたになるまでは出席停止で、保育園や幼稚園も同じめやすで登園を控えます。ただし、病状から医師が感染のおそれがないと認めたときは、その限りではありません。
発疹が少ない軽い水疱瘡でも、すべてがかさぶたになるまではほかのお子さんにうつります。新しい発疹が出なくなり、水ぶくれがすべてかさぶたになったかどうかを確かめてから登園や登校をしてください。
船橋市の保育所では、保護者が記入する登園届を園に出します。届には、受診した日と医療機関の名前を書く欄があります。様式は改訂されることがあるため、通っている園から配られたものをご確認ください。
学校や園から治癒証明書や登校許可証を求められた場合は、当院でお書きします。書式をお持ちのうえ、受付にお申し出ください。
ほかの感染症の登園と登校、プールのめやすは、小児皮膚科のページに一覧でまとめています。
水ぶくれやぶつぶつが出る病気はほかにもあり、発疹の少ない水疱瘡は特に見分けにくくなります。
| 病気 | 見た目 | 出る場所 | うつるか |
|---|---|---|---|
| 水疱瘡 | 赤い発疹と水ぶくれとかさぶたが混ざります | 頭や顔、胴体から全身へ | うつります |
| とびひ | 水ぶくれが破れてじゅくじゅくし、黄色っぽいかさぶたがつきます | かき壊したところから広がります | 触れるとうつります |
| みずいぼ | つやのある小さなぶつぶつで、真ん中がへこみます | わきや胴体、手足 | 触れるとうつります |
| 手足口病 | 小さな水ぶくれが出ます | 手のひら、足の裏、口の中 | うつります |
| 帯状疱疹 | 水ぶくれが帯のように並び、痛みを伴います | 体の片側だけ | かかったことのない人に水疱瘡としてうつります |
水ぶくれが破れてじゅくじゅくし、かいたところから広がっていくときは、とびひのことがあります。つやのある小さなぶつぶつが少しずつ増えるときは、みずいぼのことがあります。
虫刺されは刺された場所だけに出て、日がたっても新しい発疹は増えていきません。発疹が少しずつ増えている、体のあちこちに水ぶくれがある、というときは水疱瘡を考えます。見た目で分かりにくいときは、検査で確かめることができます。
水疱瘡は皮膚科で診断と治療ができます。次のような状態のときにご相談ください。
妊娠中の方は、まずかかりつけの産婦人科の医師にご相談ください。
水疱瘡は空気を通じてうつるため、待合室にいる妊娠中の方や、免疫が落ちている方にうつるおそれがあります。水疱瘡が疑われるときは、来院されたらまず受付にお申し出ください。ほかの方と離れた場所でお待ちいただきます。
水疱瘡の診察と治療は保険診療ですので、一般皮膚科の枠でご予約ください。マイナ保険証または資格確認書と、お持ちの方は医療証をお持ちください。当院が初めての方は初めての方へもあわせてご覧ください。
はい、同じ病気です。医学的には水痘といい、水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染して起こります。漢字で水疱瘡、ひらがなでみずぼうそうと書くこともあります。原因のウイルスは帯状疱疹と同じで、治ったあとも体の中に残ります。
潜伏期間のほとんどはうつしませんが、発疹が出る1日から2日前からはうつります。本人も気づかない時期からうつるため、発疹に気づいたときには、きょうだいにうつっていることがよくあります。発疹が出たら、ほかのお子さんや妊娠中の方との接触を控えてください。
あります。お子さんの水疱瘡やワクチンを受けたあとの水疱瘡では、熱が出ないことがよくあります。熱がなくても、すべての発疹がかさぶたになるまではほかの人にうつります。発疹が少なく熱もないときは、見た目だけでは分かりにくいため、検査で確かめることがあります。
発疹は頭の中や顔、胴体から出始めることが多く、はじめは顔だけに見えることがあります。数日のうちに体や手足に増えてくることが多いので、発疹が増えていないかを見てください。見分けにくいときは検査で確かめられます。虫刺されとの違いは、新しい発疹が日ごとに増えていくかどうかです。
かかることがあります。2回受けると、軽いものも含めて発症を防げると考えられていますが、接触したあとに発症する方もいます。その場合はとても軽く、発疹が少ないのが特徴です。軽くてもほかの人にうつるため、登園や登校のめやすは同じです。熱が出ず、赤いぶつぶつが数個だけのこともあるので、気になるときは検査で確かめてください。
一度かかると、ふつうは一生続く免疫ができ、もう一度水疱瘡になることはほとんどありません。大人になってから体の片側に水ぶくれと痛みが出るのは、水疱瘡の2回目ではなく、体に残っていたウイルスによる帯状疱疹です。帯状疱疹の水ぶくれからは、水疱瘡にかかったことのない人へうつることがあります。
うつってから発疹が出るまでは、およそ2週間です。早い人で10日、遅い人では21日ほどかかります。水疱瘡にかかったことがなく、ワクチンも受けていないきょうだいは、その間、発疹が出ていないかを見てください。発疹が出たら、ほかの人との接触を控えたうえでご相談ください。
熱がなければ、シャワーで体を洗ってかまいません。水ぶくれやかさぶたを強くこすらないようにし、タオルは家族と分けてください。熱があるときは、体をふく程度にします。洗ったあとはやわらかいタオルで押さえるように水気をとり、かき壊さないように気をつけてください。
かかない、さわらない、無理にはがさないことです。かさぶたは自然に落ちるまで待ってください。寝ているあいだにかいてしまわないよう、爪を短く切っておきます。かき壊したところが赤く腫れてきたときは、細菌がついていることがあるのでご相談ください。
かかりつけの産婦人科の医師にご相談ください。水疱瘡にかかったことがあるか、ワクチンを受けた記録があるかを、母子手帳などで確かめておくと相談がスムーズです。水痘ワクチンは妊娠中は受けられません。お子さんの発疹がすべてかさぶたになるまでは、お世話のあとに手を洗い、タオルや食器を分けてください。
水疱瘡は、発疹が出る1日から2日前から、すべての発疹がかさぶたになるまでうつる病気です。お子さんの多くは7日から10日ほどで自然に治りますが、大人がかかると重くなりやすく、妊娠中の方は産婦人科の医師への相談が必要です。
発疹が数個しかない軽い水疱瘡も増えています。見た目で分かりにくいときは、およそ5分から10分の検査で確かめられます。治癒証明書や登校許可証も当院でお書きします。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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