みずむし・爪水虫(白癬)
みずむし・爪水虫(白癬)
水虫は、白癬菌というカビの仲間が皮膚のいちばん外側の角質に住みついて起こる感染症です。かゆみのない水虫が珍しくないため、見た目だけでは水虫かどうか分かりません。皮膚科を受診した14,588人を調べた2023年の全国調査では、7人に1人にあたる13.7%に足の水虫、13人に1人にあたる7.9%に爪の水虫が見つかりました。当院は皮膚科専門医が顕微鏡で白癬菌を確かめ、数分後に結果をお伝えしてから治療を始めます。足の水虫も爪の水虫も、保険診療で対応します。

水虫の正体は、白癬菌という真菌です。真菌はカビの仲間で、細菌とは別のものです。抗生物質は効きません。
白癬菌は、皮膚のいちばん外側にある角質層に住みつきます。角質層はケラチンというたんぱく質でできていて、白癬菌はこのケラチンを栄養にして増えます。爪も髪もケラチンでできているため、白癬菌は爪にも髪にも住みつくことができます。爪の水虫が起こるのは、このためです。
白癬菌が住みつく場所によって呼び名が変わります。病気としては同じものです。
全国211の施設で、皮膚科を受診した14,588人の足を調べた2023年の調査があります。足の水虫は13.7%、爪の水虫は7.9%に見つかりました。7人に1人、13人に1人にあたります。
男女で差があります。足の水虫は男性18.9%に対して女性9.6%、爪の水虫は男性11.6%に対して女性5.8%で、いずれも男性が約2倍でした。
この数字は、皮膚科を受診した方のなかでの割合です。街を歩いている方全体の割合ではありません。ただ、これから受診をお考えの方にとっては、こちらのほうがご自分に近い数字だと思います。
水虫は人から人へうつります。ただし、触れた瞬間にうつるわけではありません。菌が皮膚に届いてから角質のなかへ入り込むまでには時間がかかります。実験では、傷のない皮膚で1日、小さな傷があるところで半日でした。そしてその日のうちに足を洗えば、表面の菌はほとんど洗い流せることも同じ実験で確かめられています。
予防の具体的な手順は自分でできることにまとめました。
足の水虫は、趾間型、小水疱型、角化型の3つに分かれます。このうち角化型はかゆみがほとんどなく、かかとの荒れやひび割れとして何年も見過ごされます。かゆくないから水虫ではない、とは言えません。
| 型 | どこに出るか | かゆみ | 塗る期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 趾間型 | 足の指のあいだ。とくに小指側 | 強いことが多い | 2か月以上 |
| 小水疱型 | 土踏まず、足の側面、足の裏 | あることが多い | 3か月以上 |
| 角化型 | かかと、足の裏全体 | ほとんどないことがある | 6か月以上 |
塗る期間の目安は、日本皮膚科学会と日本医真菌学会が合同でまとめた皮膚真菌症診療ガイドライン2025によります。角質が厚い型ほど、薬が届くまでに時間がかかります。
足の指のあいだ、とくに小指と薬指のあいだがふやけて白くなり、皮がむけます。かゆみが強いことが多く、かき壊すと細菌が入って赤く腫れることがあります。じくじくした状態が続くときは、水虫の薬だけでは治りません。
土踏まずや足の側面に、小さな水ぶくれが集まって出ます。かゆみを伴い、破れると皮がむけます。汗をかく季節に悪くなり、涼しくなると落ち着いて見えるため、治ったと思われがちです。菌は残っています。
かかとから足の裏全体の皮膚が硬く厚くなり、粉をふいたようになります。ひび割れて痛むこともあります。かゆみがほとんどないため、乾燥や加齢によるものだと思われたまま何年も過ぎることがあります。
この型は角質が厚く、塗り薬が届きにくいため、治るまでに時間がかかります。範囲が広いときや、なかなか良くならないときは、飲み薬を使うことがあります。
足の水虫をかいた手に菌が移り、手白癬になることがあります。手のひらの皮がむけたり、厚くなったりします。
ここで大切な見分けかたがあります。ガイドラインには、手と足の両方に同じような皮むけがあるとき、足だけ菌が陽性で手は陰性という場合があると書かれています。両手と両足に左右対称に同じように出ているときは、水虫ではなく別の病気のことがあります。くわしくは水虫と間違えられやすい病気に書きました。
爪の水虫は、足の水虫から爪へ広がって起こることがほとんどです。爪の先や横から白い濁りが入り、進むと厚くなって崩れます。爪のどこから始まったかによって5つの型に分かれ、この型が、塗り薬で治せるか飲み薬が必要かの分かれ目になります。
| 型 | どこから始まるか | 見え方 |
|---|---|---|
| 遠位側縁爪甲下爪真菌症 DLSO | 爪の先端または横の縁から爪の下へ | 爪の先が白または黄色に濁り、根もとへ向かって広がる。もっとも多い型 |
| 表在性白色爪真菌症 SWO | 爪の表面から | 爪の表面に点や斑になった白い濁りが出る。爪の下までは及んでいない |
| 近位爪甲下爪真菌症 PSO | 爪の根もと側の甘皮から | 爪の根もとが白く濁る。足ではまれ |
| 全層性爪真菌症 EO | 爪そのものの内部へ | 爪の下が厚くならないまま、爪の実質が濁る |
| 全異栄養性爪真菌症 TDO | — | 爪全体に及んだいちばん進んだ形。爪がほぼ完全に崩れる |
この分類は、皮膚真菌症診療ガイドライン2025が採用している国際的な分類です。
遠位側縁爪甲下爪真菌症といいます。足の裏の水虫から、爪の先端の下へ菌が入り込んで始まります。爪の先が白または黄色く濁り、爪の下に角質がたまって厚くなります。多くの方が爪水虫として思い浮かべるのは、この形です。
表在性白色爪真菌症といいます。爪の表面の傷から菌が入り、表面に白い点や斑ができます。菌が爪の表面にとどまっているため、塗り薬が届きます。
当院では、この表面だけの型であれば塗り薬で、それ以外の型では飲み薬をおすすめしています。理由は爪水虫の治療に書きました。
爪全体に病変が及び、爪がほぼ完全に崩れた状態です。爪水虫の最終段階にあたります。ここまで進むと、菌がいなくなったあとも爪の形が元どおりになるまでに長い時間がかかります。
この段階では、次のようなことが起こります。
厚くなった爪が皮膚に食い込んで痛むときは、爪そのものの治療とは別に、食い込みへの対応が必要になります。陥入爪・巻き爪の診療についてはこちらのページで説明しています。
足の皮がむける、爪が濁るという症状は、水虫以外の病気でも起こります。当院で実際に多いのは、湿疹と、水虫の薬そのものによるかぶれ、そして汗疱です。いずれも水虫の薬を塗り続けると悪くなります。
皮膚真菌症診療ガイドライン2025には、はっきりとこう書かれています。皮膚真菌症には鑑別すべき疾患が多く、直接鏡検を怠ったために診断を誤り、患者に迷惑をかけている事例は枚挙にいとまがない、と。
| 病名 | 見分けのめやす | 当院での扱い |
|---|---|---|
| 汗疱・異汗性湿疹 | 小さな水ぶくれが左右対称に出る。手のひらにも同時に出やすい | 当院で治療します |
| 接触皮膚炎 | 塗った薬や靴の素材に触れた範囲に一致して赤くなる | 当院で治療します。原因を止めることが第一です |
| 貨幣状湿疹 | コイン状の赤い発疹。強いかゆみ | 当院で治療します |
| 脂漏性皮膚炎 | 頭や顔にも出る。黄色みのある薄い皮むけ | 当院で治療します |
| 掌蹠膿疱症 | 手のひらと足の裏に膿のつぶ。左右対称。爪にも変化 | 当院で治療します |
| 掌蹠角化症 | 手のひらと足の裏の皮膚が生まれつき厚い。左右対称 | 当院でご相談を承ります |
| 乾癬 | 境目のはっきりした赤い発疹に銀白色の厚い鱗屑。肘や膝、頭皮にも | 当院で治療します |
| 疥癬 | 夜に強くなるかゆみ。指のあいだや手首に線状の跡。同居の方にも同時に | 当院で治療します |
| 紅色陰癬 | 指のあいだが茶色みを帯びる。細菌によるもので抗真菌薬は効きにくい | 当院で治療します |
このうち貨幣状湿疹、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疱・異汗性湿疹、紅色陰癬、掌蹠膿疱症は、ガイドライン2025が本文で名前を挙げている病気です。掌蹠角化症、乾癬、疥癬は、当院の診療経験から加えました。
水虫は、片方の足だけ、あるいは足だけということがよくあります。菌が接触して広がるためです。一方で、両手と両足に同じ形で左右対称に出ているときは、体の内側から起こる病気を考えます。汗疱、掌蹠膿疱症、掌蹠角化症、乾癬などです。
ただし、これは目安にすぎません。最後は顕微鏡で菌がいるかどうかを見ます。
ガイドライン2025は、爪の変形をきたす病気として爪真菌症のほかに、掌蹠膿疱症、尋常性乾癬、扁平苔癬、厚硬爪甲、爪の下の腫瘍を挙げ、確定診断のために真菌検査を行うとしています。
米国の報告では、見た目で爪白癬と診断されたもののうち、実際に真菌がいたのは約4分の3でした。4本に1本は、真菌ではない別の原因だったということです。
とくに爪の乾癬は、厚くもろくなった見た目が爪白癬とよく似ています。抗真菌薬を長く使っても良くならない爪は、乾癬を疑う価値があります。
かかとの角質が厚く硬くなる原因は、角化型の水虫だけではありません。体重のかかりかたによって同じ場所に圧がかかり続けると、皮膚が守るために厚くなります。これがたこです。たこ・うおのめの診療についてはこちらのページで説明しています。
アトピー性皮膚炎の診断でも、白癬を除いたうえで判断します。アトピー性皮膚炎のページもあわせてご覧ください。
皮膚科医であっても、見た目だけで判断すると30%程度は誤ります。これは日本の皮膚科医が報告している数字です。だから当院は、必ず顕微鏡で白癬菌を確かめてから治療を始めます。
日本皮膚科学会は、患者さん向けの説明でこう書いています。白癬菌が見つかれば白癬で、見つからなければ白癬ではありません、と。とても短い一文ですが、水虫という病気の本質がここにあります。
爪白癬の診療で真菌検査をどれだけ行っているかを、459人の医師に尋ねた日本の調査があります。
水虫は何科かというご質問をよくいただきます。答えは皮膚科です。理由は、皮膚科がいちばん検査をしているからです。当院でも、顕微鏡は医師が自分で見ています。
皮膚真菌症診療ガイドライン2025には、真菌症が疑わしい病巣をそれぞれ複数箇所鏡検することは診察の上で大切で欠かせないことである、と書かれています。
菌は皮膚のどこにでも一様にいるわけではありません。採る場所によって、見つかるかどうかが変わります。当院では、必要があれば複数の場所から採ります。
爪についても、ガイドラインは採る場所を具体的に示しています。爪切りで爪甲剝離部位や爪の先端部を除去し、とくに爪床に近い深部を検査材料とする、というものです。爪の先の崩れた部分ではなく、その奥に菌がいます。
これはぜひお伝えしたいことです。市販の水虫の薬を塗ったあとに受診されると、菌の数が減っていて、顕微鏡で見つからないことがあります。すると、水虫なのに水虫ではないという結果になってしまいます。
受診をお考えの方は、できれば数日から1週間ほど薬を塗るのをやめてからお越しください。診断がはっきりすれば、そのあとの治療は最短で進みます。
水虫の治療は、短くても2か月、爪であれば数か月から1年かかります。長い時間をかけていただく治療です。
その入り口で診断を間違えると、効かない薬を何か月も塗り続けることになります。しかも実際に多いのは湿疹と、水虫の薬そのものによるかぶれですから、塗り続けるほど悪くなります。
数分の検査で、この遠回りを避けられます。ふじもと皮フ科クリニックの院長は日本皮膚科学会皮膚科専門医で、医学博士です。院長プロフィールと研究業績はこちらをご覧ください。
当院では、皮膚や爪の一部を採り、その場で医師が顕微鏡を見ます。結果は数分後にお伝えします。日を改めていただく必要はありません。健康保険が使えます。
| 検査 | 何が分かるか | 結果まで |
|---|---|---|
| 顕微鏡検査 KOH法 | 白癬菌がいるかどうか | 数分 |
| 白癬菌抗原検査 | 爪のなかに白癬菌の成分があるかどうか | 5分から10分 |
| ダーモスコピー | 爪の表面と内部の様子を拡大して確認 | その場 |
皮膚のいちばん外側を少し削り取るか、爪の一部を採ります。痛みはほとんどありません。これを水酸化カリウムの液で溶かしてから顕微鏡で見ると、角質だけが溶けて、白癬菌の糸のような形だけが残って見えます。
この検査の良いところは、その場で答えが出ることです。当院では医師が自分で顕微鏡をのぞき、数分後に結果をお伝えします。
爪のなかの白癬菌の成分を調べる検査です。イムノクロマト法という方法を使います。
結果は5分から10分で分かります。健康保険で行える条件は決まっていて、顕微鏡検査が陰性だったものの臨床所見から爪白癬が疑われる場合、または顕微鏡検査が実施できない場合とされています。顕微鏡検査と同じ日に、続けて行うこともあります。
爪は硬く、菌の数も少ないため、顕微鏡だけでは分からないことがあります。そのときにこの検査が生きます。
皮膚や爪を拡大して見る器具です。ガイドライン2025には、爪白癬のダーモスコピー所見のうち、縦に走る筋と先端がとがった形の2つは特異度が80%以上と書かれています。必要に応じて使います。
爪水虫の検査で大切なのは、どこを採るかです。ガイドラインは、爪切りで浮いている部分や先端を取り除いたうえで、爪床に近い深部を検査材料とするとしています。
崩れた爪の先には、すでに菌がいないことがあります。生きた菌がいるのは、健康な部分との境目です。当院はここを採ります。
市販の水虫の薬を使っている場合は、できれば数日から1週間ほどやめてからお越しください。薬で菌の数が減っていると、いるのに見つからないことがあります。
爪については、検査の直前に深く切らないでください。採るべき部分がなくなってしまいます。
足の水虫は塗り薬で治ります。うまくいかない理由のほとんどは、薬が効かないことではなく、途中でやめてしまうことです。かゆみは数日で消えますが、菌はまだ生きています。
皮膚真菌症診療ガイドライン2025は、塗る期間の目安を型ごとに示しています。
そしてもう一つ、ガイドラインには大切な一文があります。治癒に導くコツは、病巣より一回り広く塗ること、鏡検で菌陰性を確認後さらに1か月塗布を追加することである、というものです。
ここは正確にお伝えしたいところです。よく言われる症状が消えてから1か月ではありません。顕微鏡で菌が消えたことを確かめてから、さらに1か月です。目に見える症状と、菌がいなくなるタイミングは違います。
白癬菌は、赤くなっている場所だけにいるわけではありません。見た目には何ともない周囲の角質にも広がっています。
足の指のあいだ、足の裏、足の側面、かかとまで、片足全体に塗ってください。症状が出ている場所だけに塗ると、残った菌がすぐに広がります。塗るのはお風呂上がりが最も効率的です。角質がやわらかくなっていて薬が入りやすいためです。
抗真菌薬の外用薬には5つの系統があります。当院で主に使っているのは次のとおりです。
| 一般名 | 系統 | 当院での使いかた |
|---|---|---|
| ルリコナゾール | イミダゾール系 | 普段はこれを中心に使っています |
| ケトコナゾール | イミダゾール系 | 症状や部位に応じて使います |
| テルビナフィン | アリルアミン系 | 症状や部位に応じて使います |
剤形はクリーム、軟膏、液、スプレーなどがあります。じくじくしているところにはクリームや軟膏、乾いて硬くなっているところには液というように、状態に合わせて選びます。
ガイドラインには、角化型や接触皮膚炎が合併して難治な症例では抗真菌薬内服を2か月程度行うのもよい、と書かれています。
当院では、爪以外でも体の広い範囲に広がっている場合には飲み薬を使います。塗り薬だけでは塗り残しが避けられず、そこから何度も広がってしまうためです。飲み薬を使う場合は血液検査を行います。くわしくは爪水虫の治療に書きました。
かき壊したところから細菌が入り、赤く腫れて熱を持つことがあります。この状態になると、抗真菌薬だけでは治りません。細菌に対する治療を先に行います。
かゆいからといって、ステロイドの塗り薬をご自分の判断で塗らないでください。水虫にステロイドを塗ると、菌がかえって増えます。かゆみが強いときは、そのままご相談ください。
爪の水虫は、爪の表面だけが白くなっている型であれば塗り薬で治せます。それ以外の型では、当院は飲み薬をおすすめしています。爪の下や内部に入り込んだ菌には、外から塗る薬が届きにくいためです。
爪の水虫の5つの型のうち、表在性白色爪真菌症は菌が爪の表面にとどまっています。ここには塗り薬が届きます。爪専用の外用液を使います。
もっとも多い遠位側縁爪甲下爪真菌症をはじめ、菌が爪の下や内部に入り込んでいる型では、飲み薬のほうが確実です。血流にのって爪の根もとから薬が届くためです。
ただし、飲み薬にするか塗り薬にするかは、爪の状態だけで決めるものではありません。当院では次のことをうかがったうえで、ご一緒に決めています。
飲み薬にしなければならない、ということはありません。塗り薬を選ばれる方もいらっしゃいます。診察のときに、それぞれの見通しをお伝えします。
| 一般名 | 商品名 | 飲みかた | 期間 | 当院での位置づけ |
|---|---|---|---|---|
| ホスラブコナゾール | ネイリンカプセル100mg | 1日1回1カプセル | 12週間 | 主に使います |
| テルビナフィン | ラミシール錠125mg | 1日1回 食後 | 6か月 | 主に使います |
| イトラコナゾール | イトリゾールカプセル50 | 1週間飲んで3週間休むのを3回くり返す | 12週間 | 他のお薬が使えない場合に用います |
イトラコナゾール(イトリゾールカプセル50)は、ガイドラインでも爪白癬の内服薬として挙げられています。ただし一緒に飲めないお薬が30種類以上あるため、当院では他のお薬が使えない場合に用いています。
抗真菌薬の飲み薬は、肝臓で処理されます。そのため肝臓の働きを確かめながら進めます。
テルビナフィン(ラミシール錠125mg)の添付文書には、重篤な肝障害は主に投与開始後2か月以内にあらわれる、と書かれています。最初の2か月がいちばん大事な時期です。
| お薬 | 当院での血液検査 |
|---|---|
| テルビナフィン ラミシール錠125mg | 1か月以内に1度。その後は1〜2か月に1度 |
| ホスラブコナゾール ネイリンカプセル100mg | 3週間後と6週間後 |
ホスラブコナゾール(ネイリンカプセル100mg)には警告欄がありませんが、当院では3週間後と6週間後に採血をしています。安心して飲み続けていただくためです。
とくにイトラコナゾール(イトリゾールカプセル50)は、一緒に飲んではいけないお薬が30種類以上あります。睡眠薬のトリアゾラム、コレステロールのお薬のシンバスタチン、血液をさらさらにするダビガトランやリバーロキサバンなど、日常でよく使われるお薬が含まれます。
お薬手帳を必ずお持ちください。市販のサプリメントも含めて、飲んでいるものをすべてお知らせいただければ、安全な組み合わせをお選びできます。
爪に塗る専用の外用液が2種類あります。足や体の水虫に使う塗り薬とは別のもので、爪に浸透しやすいように作られています。1日1回、傷んだ爪全体に塗ります。
| お薬 | 治しかた | 調べたときの成績 | いつ評価したか |
|---|---|---|---|
| ホスラブコナゾール ネイリンカプセル100mg | 飲み薬 12週間 | 完全治癒率 59.4% | 飲み始めて48週後 |
| エフィナコナゾール クレナフィン爪外用液10% | 塗り薬 48週間 | 完全治癒率 28.8% | 52週の時点 |
| ルリコナゾール ルコナック爪外用液5% | 塗り薬 48週間 | 治癒率 14.9% | 48週の時点 |
この3つの数字は、別々の臨床試験のものです。参加された方の爪の状態や、評価のしかた、評価した時期がそれぞれ違います。そのまま比べて、どれがいちばん効くと決めることはできません。3つの飲み薬どうしを直接比べた試験も、日本にはありません。
それでも一つ言えるのは、飲み薬のほうが治りやすい傾向があるということです。当院が表面だけの型を除いて飲み薬をおすすめしているのは、このためです。
厚く硬くなった爪は、菌がいなくなってもすぐには元に戻りません。飲み薬で菌を退治しても、傷んだ部分が伸びて生え替わるまでには時間がかかります。薬を飲み終わった時点で爪がきれいになっていなくても、失敗ではありません。
塗り薬は、爪を薄くしてから使うと浸透しやすくなります。このあいだの爪のお手入れは、連携している巻き爪メディカルサロンFでお受けしています。当院では厚くなった爪を削る処置は行っておりません。厚くなった爪の切り方とケアについては肥厚爪のケアと切り方をご覧ください。
爪の水虫に対するレーザー治療に、健康保険は使えません。当院では、爪の水虫にレーザーは用いていません。健康保険の使えるお薬で治せるからです。
皮膚真菌症診療ガイドライン2019と2025は、同じ文言でこう書いています。保険適用外ではあるがレーザーや光線療法を用いた治療の報告がある、と。
報告があることと、保険で行えることは別です。日本では自費診療になります。
ここはあまり知られていないところです。米国の食品医薬品局は、爪白癬に用いるレーザー機器を承認していますが、その承認の名目は治癒ではありません。
製品分類の名称は、爪白癬患者における清澄爪の一時的増加です。つまり、一時的に爪のきれいな部分が増えるという範囲でしか認められていません。治る、とは書かれていないのです。
日本でのレーザー治療をまとめた総説には、レーザーの照射条件や照射回数、有効性の判定などが施設や論文によって一定でなく、いまだエビデンスレベルとして確立しているとはいえないと書かれています。
海外には、飲み薬より有効だったとする報告もあります。ただし対象となった研究の数が少なく、結果のばらつきも大きいものでした。
当院には、爪の水虫に効く飲み薬と塗り薬が5種類あります。いずれも健康保険が使えます。臨床試験の成績も公表されていて、どのくらい治るかが分かっています。
保険の使えるお薬で治せるものを、わざわざ自費の治療にする理由がありません。だから当院は、まず保険診療のお薬から始めます。
レーザーによる治療をお考えの方は、保険が使えないこと、そして効果の評価がまだ定まっていないことを知ったうえでご検討ください。当院でも、まずは一度ご相談いただければと思います。
日本の市販の水虫薬は、効能がみずむし、いんきんたむし、ぜにたむしの3つに限られています。爪の水虫に効能を持つ市販薬は、日本には存在しません。厚生省が平成10年に定めた承認基準で、効能の範囲がこの3つと決められているためです。
市販の水虫薬をつくるときの基準では、認められる効能はみずむし、いんきんたむし、ぜにたむしの3つ、使う場所は外皮と定められています。爪白癬は入っていません。
実際に市販薬の箱をご覧ください。効能・効果の欄に、爪水虫や爪白癬という言葉は書かれていないはずです。
ここは正確にお伝えします。市販薬のしてはいけないことの欄に、爪への使用を禁じる記載はありません。禁止されているのではなく、爪水虫に対する効能がそもそも認められていないということです。
ドラッグストアで爪に、と書かれた商品を見かけることがあります。それが医薬品でない場合もありますし、医薬品であっても効能は皮膚の水虫に限られています。爪水虫の薬として国が認めたものは、医療機関で処方するものだけです。
足の皮膚だけの軽い水虫であれば、市販の抗真菌薬で良くなることもあります。市販薬が無意味だということではありません。
問題は、それが本当に水虫かどうかを、ご自分では確かめられないことです。
市販の水虫薬の相談することの欄には、次のように書かれています。
つまり、市販薬の箱そのものが、見分けの難しさを認めています。そして当院で実際に多いのは、湿疹と、水虫の薬そのものによるかぶれです。
次のいずれかに当てはまるときは、一度ご相談ください。
なお、受診をお考えのときは、できれば数日から1週間ほど薬を塗るのをやめてからお越しください。塗ったままだと菌が見つかりにくくなり、診断がつきにくくなります。
毎日足を洗うことには、実験で確かめられた根拠があります。白癬菌が皮膚に届いてから角質に入り込むまでには、傷のない皮膚で1日、小さな傷があるところで半日かかります。そして日常生活を模した条件では、洗うことで1日以内に表面の菌がほとんど除去されました。
菌が角質に入り込むまでには時間の余裕があります。ただし傷があると半日ほどで入り込みます。翌日まで待たず、その日のうちに洗ってください。
ごしごしこする必要はありません。強くこすると角質に細かい傷ができ、かえって菌が入りやすくなります。石けんを泡立てて、指のあいだまでやさしく洗ってください。
白癬菌は高い温度と湿り気を好みます。洗ったあとに水分が残っていると、菌にとって良い環境になります。
とくに小指と薬指のあいだは、狭くて乾きにくい場所です。タオルの角を使って、1本ずつ間を通すように拭いてください。
ここには具体的な数字があります。足白癬の方が使ったあとのバスマットで、菌がどれだけ生き残るかを調べた日本の研究です。
| したこと | 菌の生存率 |
|---|---|
| 何もしない | 65.7% |
| タオルで拭く | 18.2% |
| 消毒薬を使う | 3.4%から8.7% |
| アイロンをかける | 3.7% |
| 洗濯する | 0% |
洗濯がいちばん確実です。消毒薬より確実です。特別な洗剤も、消毒剤も要りません。ふつうに洗濯してください。
靴のなかは温度も湿度も高く、菌にとって最も居心地の良い場所です。1日履いた靴は湿っています。2足以上を用意して、1日おきに履いてください。脱いだ靴は、風通しの良いところで乾かしてください。
靴下は毎日替えてください。5本指の靴下は指のあいだの湿り気を吸うため、趾間型の方には向いています。
熱いお湯は皮膚のうるおいを奪い、乾燥とひび割れの原因になります。ひび割れたところは菌の入り口になります。お湯の温度は32度から34度を目安にしてください。
ナイロンタオルで強くこすらないでください。角質に細かい傷がつきます。
これがいちばん大切な手順です。かゆみが消えることと、菌がいなくなることは違います。
ガイドラインが示す目安は、趾間型で2か月以上、小水疱型で3か月以上、角化型で6か月以上です。そして顕微鏡で菌が消えたことを確かめてから、さらに1か月塗り足すことがすすめられています。
途中でやめてしまうと、残った菌がまた増えます。翌年の夏にまた出てきた、という方のほとんどがこれです。
厚くなった爪を無理に削ろうとすると、爪の下の皮膚を傷つけます。傷は菌の入り口になり、糖尿病のある方では潰瘍のきっかけにもなります。
では誰に頼めばよいのか、という話をします。
当院では、厚くなった爪を削る処置は行っておりません。この部分は、連携している巻き爪メディカルサロンFが担当しています。肥厚爪のケアと切り方で、切り方とお手入れの方法が説明されています。
菌を退治するのが当院、厚くなった爪を整えるのがサロンです。飲み薬で治している最中も、爪のお手入れは並行してお受けいただけます。
白癬菌は、はがれ落ちた角質のかけらに混じって床やマットに落ち、そこから次の人の足に移ります。人から人へ直接というより、床とマットを介してうつります。だから、床とマットに手を打てば防げます。
気をつけていただきたいのは3つだけです。
同じお風呂に入ることも、同じ湯船につかることも問題ありません。タオルを分ける必要もありません。菌が落ちる場所と、次の人が素足で立つ場所が重なるかどうかだけの問題です。
ご家族のどなたかに水虫があると、床に菌が落ち続けます。そのぶん、ほかの方にうつる機会が増えます。逆に言えば、治療を始めれば、落ちる菌が減ります。
ご家族で足の皮むけや爪の濁りが気になる方がいらっしゃれば、ご一緒にお越しください。同じ日に検査をすれば、家庭のなかの状況が一度で分かります。
ここはお子さんをお持ちの方にお伝えしたいところです。
皮膚真菌症診療ガイドライン2025には、柔道やレスリングなどの格闘技で流行する白癬菌があると書かれています。トリコフィトン・トンスランスという菌で、2000年代から選手のあいだで広がりました。頭や体に出るのが特徴です。
日本の調査があります。
全日本柔道連盟は、練習直後にシャワーや入浴をして頭と体を石けんで洗うことをすすめています。そして、菌は抜け毛やアカのなかで半年間も生存しますと注意を促しています。畳の掃除が大切なのはこのためです。
次のような様子があれば、一度ご相談ください。
ガイドラインには、格闘技の集団や家族のなかでの感染拡大を防ぐために抗真菌薬入りのシャンプーを用いることがあるが、可能であれば内服療法の併用が望ましいと書かれています。頭の白癬は、塗り薬だけでは毛の根もとまで届きにくいためです。
検査は、ブラシで頭をとかして培養する方法や、顕微鏡での確認で行います。当院にご相談ください。
頭に円い脱毛が出たときは、かびによる頭部白癬と、免疫のはたらきによる円形脱毛症を見分ける必要があります。フケ・かさぶた・赤みを伴うかどうかが手がかりになります。くわしくは円形脱毛症のページをご覧ください。
次のいずれかに当てはまる場合は、一度ご相談ください。いずれも健康保険が使えます。
診断を正確につけるために、2つお願いがあります。
ほかに飲んでいるお薬がある方は、お薬手帳をお持ちください。飲み薬を使う場合に、飲み合わせを確認します。
ふじもと皮フ科クリニックは、船橋市、習志野市、八千代市からご来院いただいています。皮膚科専門医が診察し、顕微鏡検査から治療までを保険診療で行います。
ご予約とアクセスは当院のトップページからご確認ください。
水虫は、白癬菌というカビの仲間が皮膚の角質に住みついて起こる感染症です。見た目だけの判断は皮膚科医でも30%程度は誤るため、当院は顕微鏡で白癬菌を確かめ、数分後に結果をお伝えしてから治療を始めます。足の水虫は塗り薬で治りますが、顕微鏡で菌が消えたことを確かめてからさらに1か月が目安です。爪の水虫は、表面だけの型であれば塗り薬、それ以外の型では飲み薬をおすすめしています。いずれも健康保険が使えます。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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