帯状疱疹
帯状疱疹
帯状疱疹は、子どものころにかかった水ぼうそうのウイルスが神経のなかで再び動き出して起こる皮膚の病気です。体の左右どちらか一方に、帯のように連なった赤い発疹と水ぶくれが出ます。抗ウイルス薬を早く始めるほど痛みが軽く済み、後遺症が残りにくくなります。

帯状疱疹の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスです。英語表記の頭文字をとってVZVと呼ばれます。水ぼうそうを起こすウイルスと同じもので、水ぼうそうが治ったあともウイルスは体から消えず、背骨のわきにある神経節という場所に潜んでいます。加齢や疲労などで免疫の力が下がったときに、このウイルスが再び動き出したものが帯状疱疹です。
帯という字が付くのは、発疹の出方に理由があります。ウイルスは1本の神経に沿って皮膚へ出てくるため、その神経が支配する範囲だけに症状が現れます。結果として、体の左右どちらか一方に、脇腹から背中へ回り込むような帯状の並びになります。左右の両方に同時に出ることは、ほとんどありません。
日本皮膚科学会の帯状疱疹診療ガイドライン2025は、国内の発症率を1年間に1000人あたり4.83人と示しています。そして80歳までに、およそ3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されています。宮崎県、兵庫県、小豆島で行われた調査では、1997年から2019年までに発症が63.8パーセント増えたことも報告されています。
年齢別にみると、50歳未満は1000人あたり2.66人から2.83人であるのに対し、50歳以上では5.45人から8.48人へと上がります。帯状疱疹の50パーセント以上は60歳以上の方に起きており、発症が最も多いのは70歳代です。
帯状疱疹とヘルペスは、診察室でよく取り違えられます。くちびるや性器にくり返し出るものは単純ヘルペスで、原因となるウイルスが違います。単純ヘルペスは同じ場所に何度もくり返すのに対し、帯状疱疹は帯状の並びで出て、多くの方は生涯に一度です。単純ヘルペスについては単純ヘルペスのページをご覧ください。
帯状疱疹は、免疫の力が一時的に下がったときに起こります。体のなかに潜んでいたウイルスを抑え込む力が弱まると、ウイルスが神経のなかで増えはじめ、その神経に沿って皮膚に症状が出ます。
はじめて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染したときは、水ぼうそうとして発症します。水ぼうそうが治っても、ウイルスは神経節にとどまり続けます。この状態は誰にでも起きているもので、異常ではありません。水ぼうそうについてはみずぼうそうのページで解説しています。
診察室では、生活が乱れていたからではないかとご自身を責める方に数多くお会いします。しかし最も大きな要因は加齢であり、これはどなたにも避けられません。思い当たるきっかけがまったくないまま発症する方も大勢いらっしゃいます。原因を探し当てることよりも、早く治療を始めることのほうがはるかに重要です。
帯状疱疹は、多くの方が生涯に一度だけ経験します。一度かかると免疫が刺激されるため、しばらくは再発しにくくなります。ただし絶対に再発しないわけではなく、免疫を抑える治療を受けている方などでは複数回起こることがあります。短い期間に何度もくり返す場合は、背景に別の病気が隠れていないかを調べたほうがよいことがあります。
帯状疱疹は、発疹よりも先に痛みが出ることがほとんどです。ピリピリ、チクチク、ヒリヒリといった痛みや違和感が数日続き、そのあとで赤い発疹が現れます。この順番を知っておくと、早い段階で受診の判断ができます。
帯状疱疹らしさは、次の3点で判断します。体の左右どちらか一方だけに出ていること、痛みが皮膚の症状より先に出たこと、そして発疹が帯のように連なっていることです。この3つがそろえば、診察と経過だけで診断できることがほとんどです。
発熱、頭痛、体のだるさ、リンパ節の腫れをともなうことがあります。ただし高齢の方では、痛みが軽く発疹だけが出ることもあり、逆に発疹が乏しく痛みだけが強いこともあります。典型的でないからといって帯状疱疹ではないとは言い切れません。
前駆期の痛みは、それだけでは帯状疱疹と判断できません。胸なら心臓や肋間神経痛、腰なら腰痛やぎっくり腰、おなかなら胆石や虫垂炎、頭なら片頭痛と、痛む場所によってさまざまな病気が考えられるためです。数日たって発疹が出てはじめて帯状疱疹と分かることは珍しくありません。逆に言えば、発疹が出ないうちは診断がつかないということです。この点は医師の視点のセクションで詳しくご説明します。
痛みだけがあって発疹がまだ出ていない段階では、帯状疱疹かどうかを確かめる方法がありません。診察室でこのご説明をする機会がとても多いため、ここで詳しくお伝えします。
帯状疱疹は、テレビの広告などで取り上げられる機会が増えました。そのためか体のどこかが痛むと帯状疱疹ではないかとご心配になって受診される方が、ここ数年でとても多くなっています。ご心配になるお気持ちはよく分かります。ただ、痛みがあることと帯状疱疹であることは、同じではありません。
帯状疱疹には抗原検査という検査があります。ただしこの検査は、皮膚に出た水ぶくれの中身を綿棒でぬぐって調べるものです。つまり水ぶくれが出ていなければ、ぬぐうものがないので、検査そのものができません。
血液検査で分かるのではないかとよくご質問をいただきます。しかし血液検査だけで、いま帯状疱疹になっているかどうかを確定することはできません。結局のところ、皮膚に出た発疹を実際に見ることが、診断の決め手になります。
痛みを起こす病気はたくさんあり、帯状疱疹はそのなかの一つにすぎません。痛む場所によって、次のような病気が考えられます。
痛みを理由に受診された方のうち、実際に帯状疱疹だった方はごく一部です。痛みだけの段階で帯状疱疹と決めつけてしまうと、ほかの原因を見落とすことにもつながります。
痛みのある場所に発疹や水ぶくれが出てきたら、その時点でご受診ください。そこではじめて診断ができ、薬を始められます。抗ウイルス薬は発疹が出てから5日以内に始めることが目安ですので、発疹が出るのを待ってから受診しても遅くはありません。
一方で、発疹が出ないまま痛みだけが続く場合は、帯状疱疹ではない別の原因を考える必要があります。痛みが強い、だんだんひどくなる、熱をともなうといった場合は、皮膚科ではなく内科や整形外科での検査が必要なこともあります。どこを受診すればよいか迷われるときは、ご相談ください。
額から目のまわり、そして耳に発疹が出た場合は、その日のうちにご相談ください。この部位は、皮膚だけでなく目や耳の神経に影響が及ぶことがあるためです。詳しくは合併症のセクションでご説明しますが、顔に出た帯状疱疹は、様子を見てよい病気ではありません。
帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬の内服が柱で、健康保険が使えます。日本皮膚科学会の帯状疱疹診療ガイドライン2025は、皮疹が出てから5日以内に治療を始めることを推奨しており、なかでも72時間以内の開始が最も望ましいとしています。
72時間以内という数字が広く知られているため、それを過ぎたらもう遅いと考えて受診をためらう方がいらっしゃいます。そうではありません。ガイドラインが示す目安は5日以内であり、72時間はそのなかでも特に望ましい時間帯という位置づけです。さらに日数がたっていても、新しい水ぶくれが出続けている段階なら治療する意味があります。迷ったら日数で自己判断せず、ご相談ください。
いずれも7日間の内服です。腎臓の働き、ほかに飲んでいる薬、飲み忘れの起こりにくさを踏まえて選びます。
| 一般名と商品名 | 用法用量 | 特徴 |
|---|---|---|
| アメナメビル(アメナリーフ®) | 1回400mgを1日1回 | 肝臓で代謝されるため、腎臓の働きに応じた用量の調整が要りません。1日1回で飲み忘れが起こりにくく、高齢の方に使いやすい薬です |
| バラシクロビル(バルトレックス®) | 1回1,000mgを1日3回 | 長く使われてきた薬です。腎臓の働きに応じて用量を減らす必要があります |
| ファムシクロビル(ファムビル®) | 1回500mgを1日3回 | 同じく実績のある薬です。腎臓の働きに応じた調整が必要です |
| アシクロビル(ゾビラックス®) | 1回800mgを1日5回 | 飲む回数が多く、現在は第一選択にすることは多くありません |
腎臓の働きが落ちている方や、ほかに多くの薬を飲んでいる方では、アメナメビルが選びやすい選択肢になります。どの薬にするかは、診察で伺った内容をもとにご相談のうえ決めます。
抗ウイルス薬はウイルスの増殖を抑える薬で、痛みそのものをすぐに取る薬ではありません。そのため、痛みの程度に応じて痛み止めを併用します。炎症を抑える鎮痛薬から始め、神経の痛みが前に出ている場合は神経障害性疼痛に用いる薬を使います。
痛みが非常に強い場合や、薬で抑えきれない場合には、ペインクリニックで神経ブロックという処置を受けていただくことがあります。その必要があると判断した際は、当院から紹介します。
水ぶくれやただれた部分には、細菌の感染を防ぐ目的で外用薬を塗り、ガーゼで保護します。ステロイドの塗り薬は、帯状疱疹の皮疹には原則として使いません。市販のかゆみ止めや、以前ほかの病気でもらった塗り薬を自己判断で使うことは避けてください。
診察、検査、抗ウイルス薬の処方は、いずれも健康保険が使えます。お支払いいただく金額は、ご加入の保険の負担割合と、処方する薬の種類によって変わります。費用が気になる場合は、処方の前にお申し出ください。選べる薬をご説明したうえで決めます。
帯状疱疹の療養で最も大切なのは、患部を保護して安静に過ごすことです。皮膚が治るまでの3週間ほどのあいだ、ご自宅でできることをまとめました。
かくと水ぶくれが破れ、細菌が入って治りが遅くなります。かゆみより痛みが前に出る病気ですが、治りかけにはかゆみが出ることがあります。爪を短く切っておくと、無意識にかいたときの傷が浅く済みます。
破れた部分は、処方した外用薬を塗ったうえでガーゼをあててください。ガーゼは、水ぶくれの中の液に含まれるウイルスを他の方に広げないためにも役立ちます。汚れたら交換し、そのつど手を洗ってください。
帯状疱疹の痛みは、衣類がこすれるだけで強くなります。体を締めつけない、やわらかい素材の服にしてください。下着のゴムやベルトが患部にあたる位置にある場合は、あたらないものに替えていただくと楽になります。
お風呂に入っていただいて構いません。ただし患部はこすらず、石けんの泡をのせて流す程度にしてください。湯温は32度から34度を目安に、熱すぎないお湯にしてください。熱いお湯は痛みを強くすることがあります。
帯状疱疹の痛みは、冷えると強くなります。冷たいもので冷やすのではなく、温めるほうが楽になる痛みです。虫さされややけどのように冷やしてしまう方がいらっしゃいますが、逆効果になることがあります。
免疫の力が下がったときに起こる病気ですので、療養中に無理を重ねると治りが遅くなります。仕事や家事を平常どおりこなそうとせず、休める範囲で休んでください。お酒は痛み止めの効きにも影響しますので、症状が落ち着くまでは控えてください。
水ぶくれがかさぶたになるまでのあいだは、水ぼうそうにかかったことがない方、ワクチンを受けていない方、妊娠中の方、生後まもない赤ちゃん、免疫を抑える治療を受けている方との接触を避けてください。詳しくは、人にうつるかどうかのセクションでご説明します。
治療を始めたあとでも、次の症状があるときはお早めにご連絡ください。
帯状疱疹はワクチンで予防できます。日本で使えるワクチンは2種類あり、接種回数、効果の高さ、効果が続く期間、受けられる方の条件が異なります。当院では、このうち不活化ワクチンであるシングリックスのみを扱っています。
| 項目 | 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス®) | 乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン®) |
|---|---|---|
| 分類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン |
| 当院の取り扱い | あり | なし |
| 接種回数 | 2回 | 1回 |
| 接種間隔 | 通常2か月あける。2か月を超える場合は6か月以内に2回目 | — |
| 接種方法 | 筋肉注射 | 皮下注射 |
| 発症予防効果 | 約90パーセント以上 | 約60パーセント |
| 効果が続く期間 | 10年以上 | 5年程度 |
| 免疫を抑える治療中の方 | 接種できる場合があります | 受けられません |
| 妊娠中の方 | 主治医とご相談ください | 受けられません |
| 主な副反応 | 注射部位の痛み、発赤、腫れ、筋肉痛、疲労感、頭痛 | 注射部位の紅斑、かゆみ、熱感、腫れ、痛み、しこり、倦怠感、発疹 |
発症を防ぐ力が高く、効果が続く期間が長いためです。生ワクチンの予防効果が約60パーセント、持続が5年程度であるのに対し、シングリックスは約90パーセント以上、10年以上とされています。また生ワクチンは、免疫を抑える治療を受けている方には接種できません。帯状疱疹を最も心配すべき方に使えないという制約があります。
一方で、シングリックスには2回打つ必要があること、費用が高いこと、接種後の痛みや発熱が出やすいことという負担があります。2回目を受けそびれると効果が十分に得られませんので、2回受けられる見通しを立ててから始めてください。
明らかな発熱がある方、重い急性の病気にかかっている方、帯状疱疹ワクチンの成分で強いアレルギー反応を起こしたことがある方は接種できません。免疫抑制薬や抗がん剤による治療を受けている方は、接種の可否と時期を主治医とご相談のうえお決めください。
帯状疱疹ワクチンは2025年度から予防接種法にもとづく定期接種になりました。船橋市にお住まいの方は、年齢によって定期接種と任意接種のどちらかに分かれ、お支払いいただく金額が変わります。当院はどちらにも対応しています。以下は令和8年度、2026年4月1日から2027年3月31日までの内容です。
| 項目 | 定期予防接種 | 任意予防接種の費用助成 |
|---|---|---|
| 対象となる方 | 令和8年度末の時点で65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方。または満60歳以上65歳未満で免疫機能障害による身体障害者手帳1級をお持ちの方 | 満50歳以上65歳未満の方。ただし定期接種の対象となる方を除きます |
| シングリックスのお支払い額 | 1回6,500円、2回で計13,000円 | 1回17,000円、2回で計34,000円 |
| 金額の内訳 | 市が定めた自己負担額 | 接種料金22,000円から市の助成5,000円を差し引いた額 |
| 生活保護受給世帯 | 無料 | 無料 |
| 健康被害の救済 | 予防接種法にもとづく救済制度 | 千葉県市町村予防接種事故補償等条例にもとづく補償 |
| 予診票が届く時期 | 6月上旬ごろ | 満50歳の誕生日の翌月中旬ごろ |
同じシングリックスでも、定期接種に該当する方と任意接種の方とでは、2回分で21,000円の差が出ます。ご自身がどちらに当てはまるか分からない場合は、ご予約のお電話でお尋ねください。
本来の対象は65歳になる方ですが、令和7年度から令和11年度までの5年間は経過措置があり、70歳から100歳まで5歳きざみの年齢の方も対象になります。令和12年度以降は対象外となる予定です。
| 年度末の年齢 | 生年月日 |
|---|---|
| 65歳 | 昭和36年4月2日から昭和37年4月1日まで |
| 70歳 | 昭和31年4月2日から昭和32年4月1日まで |
| 75歳 | 昭和26年4月2日から昭和27年4月1日まで |
| 80歳 | 昭和21年4月2日から昭和22年4月1日まで |
| 85歳 | 昭和16年4月2日から昭和17年4月1日まで |
| 90歳 | 昭和11年4月2日から昭和12年4月1日まで |
| 95歳 | 昭和6年4月2日から昭和7年4月1日まで |
| 100歳 | 大正15年4月2日から昭和2年4月1日まで |
すでに全額自費または市の助成を受けて接種を終えている方は、いずれも対象外です。また生ワクチンを1回接種された方は接種が完了した扱いになるため、あらためてシングリックスを公費で受けることはできません。
公費の助成は、お住まいの市区町村の制度にもとづきます。習志野市、八千代市など船橋市以外にお住まいの方は、船橋市の予診票をお使いいただけません。当院で接種をご希望の場合は、お住まいの市区町村の窓口に、市外の医療機関で接種を受ける手続きについて先にご確認ください。手続きをせずに接種された場合、全額をご負担いただくことになります。
ワクチンの接種は予約制です。ご予約はお電話のみで承っています。定期接種と任意接種のどちらも、受付の方法は同じです。
診療開始の直後はお電話が大変混み合います。つながらない場合は、お手数ですが時間をおいておかけ直しください。
制度の詳細は船橋市のおとなの予防接種のページでご確認いただけます。対象年齢と金額は年度ごとに変わります。このページは令和8年度の内容にもとづいており、毎年4月に見直しています。
帯状疱疹の多くは皮膚が治れば終わりますが、一部の方では痛みが長引いたり、目や耳に影響が及んだりすることがあります。いずれも早く治療を始めることで、起こりにくくなります。
皮膚がきれいに治ったあとも、その場所の痛みだけが残ることがあります。これを帯状疱疹後神経痛といい、略してPHNと呼びます。焼けるような痛み、電気が走るような痛み、衣類がふれるだけで痛むといった形で、数か月から年単位で続くことがあります。
年齢が高いほど、また急性期の痛みや皮疹が強かった方ほど残りやすいことが分かっています。抗ウイルス薬を早く始めることが、最も確実な予防になります。痛みが残った場合は、神経の痛みに用いる薬で治療し、必要に応じてペインクリニックをご紹介します。
額から上まぶたにかけての範囲は、三叉神経第一枝という神経が支配しています。この領域に帯状疱疹が出ると、結膜炎や角膜炎を高い頻度で合併します。放置すると視力に影響が残ることがあるため、この部位に症状が出た場合は皮膚科の治療と並行して眼科を受診していただきます。
鼻の先やわきに発疹が出ているときは、目に症状が及びやすいという目印になります。同じ神経の枝が鼻の先まで伸びているためです。
耳やその周囲に帯状疱疹が出ると、顔面神経に影響が及ぶことがあります。耳の発疹、顔の片側が動かしにくくなる顔面神経麻痺、めまいや難聴の3つがそろったものを、ラムゼイ・ハント症候群といいます。
名前を聞くと不安になられるかもしれませんが、耳に帯状疱疹が出た方の全員に起こるものではありません。大切なのは、耳の痛みや発疹に気づいた時点で早く受診していただくことです。早期に治療を始めた場合と、様子を見てから受診した場合とでは、回復のしやすさが変わります。顔が動かしにくい、口から水がこぼれる、耳鳴りやめまいがあるといった症状に気づいたら、その日のうちにご連絡ください。
頻度は高くありませんが、肺炎、髄膜炎、脳炎を起こすことがあります。また免疫を抑える治療を受けている方では、発疹が体の広い範囲に広がる汎発性帯状疱疹という状態になることがあり、入院が必要になる場合があります。発疹が帯状の範囲を超えて広がってきたときは、すぐにご相談ください。
帯状疱疹にかかったあと、一定期間は脳卒中や心筋梗塞の発症率がわずかに上がることが複数の研究で報告されています。過度に心配していただく必要はありませんが、生活習慣病をお持ちの方は、かかりつけの先生にも帯状疱疹にかかったことをお伝えください。
帯状疱疹が、そのまま帯状疱疹として人にうつることはありません。ただし水ぶくれの中の液にはウイルスが含まれており、水ぼうそうにかかったことがない方がふれると、その方は水ぼうそうを発症することがあります。
帯状疱疹は、自分の体のなかに潜んでいたウイルスが再び動き出して起こる病気です。他人からうつされて発症するものではありません。そのため、帯状疱疹の方と接した方が帯状疱疹になることはありません。
一方で、水ぼうそうを経験しておらずワクチンも受けていない方にとっては、この水ぶくれの液は感染源になります。その場合に起こるのは水ぼうそうであって、帯状疱疹ではありません。
水ぶくれが出ているあいだが感染力のある時期で、すべての発疹がかさぶたになれば、うつす心配はなくなります。この期間は患部をガーゼや衣類で覆い、直接ふれないようにしてください。
帯状疱疹は、水ぼうそうのように空気を介して広く伝わる病気ではありません。患部を覆ってあれば、同じ部屋で過ごすこと、食器やお風呂を共用すること、会話をすることで人にうつすことはありません。出勤や登校を一律に止める決まりもありません。
ただし体力が落ちている時期ですので、ご自身の療養のためには、痛みが強いあいだは休んでいただくほうが回復は早くなります。職場に提出する書類が必要な場合はご相談ください。
体の左右どちらか一方に、痛みをともなう赤い発疹や水ぶくれが出たら、その日のうちにご相談ください。帯状疱疹は、治療を始めるのが早いほど痛みが軽く済み、後遺症が残りにくくなります。
帯状疱疹の診断には、皮膚に出た発疹が必要です。抗原検査は水ぶくれの中身を調べる検査ですので、水ぶくれが出ていない段階では検査そのものができません。痛みだけで受診されても、帯状疱疹かどうかをお答えすることはできないのが実際のところです。詳しくは医師の視点のセクションをご覧ください。
痛みのある場所に発疹が出てきた時点で、あらためてご受診ください。抗ウイルス薬は発疹が出てから5日以内が目安ですので、それから受診しても間に合います。
ただし発疹が出ないまま痛みが強い場合や、痛みが長く続く場合は、別の原因を調べる必要があります。その場合は皮膚科ではなく、内科や整形外科での検査が適していることもあります。迷われるときはご相談ください。
帯状疱疹が疑われる症状での受診は、保険診療です。ご予約はお電話またはオンラインで承っています。平日は予約なしでもご受診いただけますが、予約の方を優先してご案内するため、お待ちいただく場合があります。土曜日は予約の方のみの診療です。
はじめて当院を受診される方は、持ち物や受付の流れを初めての方へにまとめていますので、あわせてご覧ください。
ワクチンの接種をご希望の場合は、予約の窓口が異なります。お電話のみで承っており、ご予約いただける曜日も限られます。詳しくは、帯状疱疹ワクチンの定期接種と費用助成についてのセクションをご覧ください。
皮膚の症状は、およそ3週間で治まることが多くなります。赤い発疹が出てから水ぶくれになり、破れてただれ、かさぶたになって治るという経過をたどります。抗ウイルス薬は7日間の内服です。ただし皮膚が治ったあとも痛みだけが残ることがあり、その場合は治療期間がさらに長くなります。
手遅れではありません。日本皮膚科学会の帯状疱疹診療ガイドライン2025は、皮疹が出てから5日以内に治療を始めることを推奨しており、72時間はそのなかでも特に望ましい時間帯という位置づけです。5日を過ぎていても、新しい水ぶくれが出続けている段階であれば治療する意味があります。日数でご自身の判断をせず、ご相談ください。
発疹が出ていない段階では、帯状疱疹かどうかを確かめる方法がありません。帯状疱疹の抗原検査は、皮膚に出た水ぶくれの中身を綿棒でぬぐって調べる検査ですので、水ぶくれがなければ検査そのものができないためです。血液検査だけで確定することもできません。また片側が痛む病気は、肋間神経痛、筋肉の痛み、腰の病気、尿路結石、胆石、片頭痛など数多くあり、帯状疱疹はそのなかの一つにすぎません。痛みのある場所に発疹が出てきた時点でご受診ください。抗ウイルス薬は発疹が出てから5日以内が目安ですので、それから受診しても間に合います。発疹が出ないまま痛みが強い場合や長く続く場合は、別の原因を調べる必要があります。
帯状疱疹が帯状疱疹としてうつることはありません。ご自身の体に潜んでいたウイルスが再び動き出して起こる病気だからです。ただし水ぶくれの中の液にはウイルスが含まれており、水ぼうそうにかかったことがなくワクチンも受けていない方がふれると、その方は水ぼうそうを発症することがあります。すべての発疹がかさぶたになるまでは患部を覆い、妊娠中の方、生後まもない赤ちゃん、免疫を抑える治療を受けている方との接触を避けてください。
入っていただいて構いません。患部はこすらず、石けんの泡をのせて流す程度にしてください。湯温は32度から34度を目安に、熱すぎないお湯にしてください。帯状疱疹の痛みは体が冷えると強くなるため、温めるほうが楽になります。ご家族と湯船を共用しても差し支えありませんが、水ぼうそうにかかったことがない方がご家庭にいる場合は、その方が先に入るようにしてください。
法律で定められた出勤停止や出席停止の決まりはありません。患部を衣類やガーゼで覆っていれば、通常の勤務や通学で人にうつす心配はありません。ただし帯状疱疹は免疫の力が下がったときに起こる病気ですので、無理を重ねると治りが遅くなります。痛みが強い時期は休んでいただくほうが回復は早くなります。職場に提出する書類が必要な場合はご相談ください。
多くの方は生涯に一度だけです。一度かかると免疫が刺激されるため、しばらくは再発しにくくなります。ただし絶対に再発しないわけではなく、免疫を抑える治療を受けている方などでは複数回起こることがあります。短い期間に何度もくり返す場合は、背景に別の病気が隠れていないかを調べたほうがよいことがあります。再発を防ぐ目的でワクチンを接種することもできます。
50歳以上の方が対象です。50歳を境に発症率が上がり、70歳代が最も多くなるためです。また50歳未満でも、免疫を抑える治療を受けている方など、帯状疱疹を発症しやすい状態にある方は接種できる場合があります。その場合は主治医とご相談のうえお決めください。当院では不活化ワクチンであるシングリックスのみを扱っており、2か月あけて2回接種します。
船橋市にお住まいの方は、年齢によって定期接種と任意接種に分かれ、金額が変わります。令和8年度の場合、定期接種の対象となる方は1回6,500円で2回あわせて13,000円です。任意接種の対象となる満50歳以上65歳未満の方は、接種料金22,000円から市の助成5,000円を差し引いた1回17,000円で、2回あわせて34,000円です。生活保護受給世帯の方はいずれも無料です。対象年齢と金額は年度ごとに変わりますので、ご予約の際にお尋ねください。
受けられます。再発を防ぐ目的で接種していただけます。発症から6か月から1年ほど経過してからが目安です。ただし公費の助成については、すでに全額自費または市の助成を受けてワクチンの接種を終えている方は対象外となります。帯状疱疹にかかったこと自体は、助成の対象から外れる理由にはなりません。
公費の助成は、お住まいの市区町村の制度にもとづきます。習志野市、八千代市など船橋市以外にお住まいの方は、船橋市の予診票をお使いいただけません。まずはお住まいの市区町村の窓口に、市外の医療機関で接種を受ける手続きについてご確認ください。手続きをせずに接種された場合は、全額をご負担いただくことになります。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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