2026年5月21日

ふじもと皮フ科クリニック院長の藤本です。
「シミを取りたいけど、どのレーザーを選べばいいかわからない」というご相談を多くいただきます。シミ取りレーザーにはいくつかの種類があり、シミのタイプや深さ・肌質によって適切な治療法が異なります。今回は皮膚科専門医の立場から、シミ取りレーザーの種類・効果・料金・ダウンタイムをわかりやすく解説します。
※シミ取り治療についてはこちらのシミ取り治療ページもご覧ください。
シミ取りの前に知っておきたいこと:「シミの種類」によって治療法が変わる
シミに見えても、医学的には大きく以下のように分類されます。種類を見誤ったまま治療を進めると、症状が悪化したり効果が出なかったりするケースもあります。
- 老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん):最も多いタイプ。紫外線が原因で30代以降に増える。境界がはっきりした茶色いシミ。
- そばかす(雀卵斑):遺伝的要因が強く、鼻・頬に細かく広がる。紫外線で濃くなる。
- 肝斑(かんぱん):両頬に広がるぼんやりとしたくすみ。ホルモン変化やストレスが関与。レーザーを強く当てると悪化するリスクがある。
- ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):10〜20代に現れる青みがかったシミ。肝斑と見た目が似るが治療法が異なる。
- 炎症後色素沈着:ニキビや傷跡などの後に残るシミ。ターンオーバーで自然に薄れることもある。
当院では治療前にアンテラ3Dという高精度な肌診断機器でシミの種類・深さ・分布を客観的に把握し、治療方針を決定しています。
シミ取りレーザーの主な種類
① ディスカバリーピコプラス(ディスカバリーピコプラス)
ピコ秒(1兆分の1秒)という超短パルスでレーザーを照射する最新世代の治療機器です。当院が導入しているのはイタリア・Quanta社製の「ディスカバリーピコプラス」で、ルビーレーザー(694nm)、YAGレーザー(532nm・1064nm)の3波長を搭載しています。
- 適応:老人性色素斑・そばかす・ADM・炎症後色素沈着
- 特徴:熱ダメージが少なく、周囲の肌への影響を最小限に抑えながら色素を破壊できる。従来のQスイッチレーザーより痛みが少ない傾向がある。
- ダウンタイム:スポット治療の場合、かさぶたが数日〜1週間程度できる。
② トライビームPREMIUM
シミ・肝斑・毛穴・小じわなどに対応できる最新レーザー治療機器です。532nmと1064nmの2波長を使い分け、さらにロングパルスレーザーも搭載しています。
- 適応:老人性色素斑・そばかす・肝斑・ADM
- 特徴:PTPモード(マイルド照射)搭載で、通常のレーザーでは対応が難しい肝斑にも使用できる。浅いシミは1回で目立たなくなることも。かさぶたを目立たない保護テープでカバーできるため、仕事を休まずに治療を進めやすい。
- ダウンタイム:照射部位に小さなかさぶたができるが、テープでカバー可能。
③ BBL光治療(ブロードバンドライト)※レーザーではなくIPL
BBLはレーザーではなく、IPL(Intense Pulsed Light:強力パルス光)を利用した光治療です。レーザーが単一波長の光を照射するのに対し、IPLは広帯域の光を照射します。「フォトフェイシャル」と同じ光治療の一種ですが、BBLはより高出力で強い効果が期待できます。
- 適応:老人性色素斑・そばかす・赤ら顔・毛穴・全体的なくすみ
- 特徴:施術直後からお化粧が可能。ダウンタイムがほとんどなく、周囲に治療を気づかれたくない方に向いている。複数のお悩みを同時にアプローチできる。
- ダウンタイム:ほぼなし(ほんのり赤みが出ることがある程度)。
シミの種類別・おすすめの治療法
| シミの種類 | おすすめの治療 | 注意点 |
|---|---|---|
| 老人性色素斑 | ディスカバリーピコプラス・トライビームPREMIUM・BBL | 比較的治療しやすい |
| そばかす | ディスカバリーピコプラス・BBL・トライビームPREMIUM | 繰り返しやすいため継続ケアが重要 |
| 肝斑 | トライビームPREMIUM(PTPモード)・ディスカバリーピコプラス | 強いレーザーは禁忌。内服薬との併用も有効 |
| ADM | ディスカバリーピコプラス・トライビームPREMIUM | 肝斑と見た目が似るため要診断 |
| 炎症後色素沈着 | ドクターズコスメ | 自然に薄れる場合もある |
料金の目安について
シミ取りレーザー治療は基本的に自由診療(保険適用外)となります。ただし、シミに見えても脂漏性角化症(いぼ)など保険診療の対象となる場合もあるため、まずは正確な診断が重要です。
料金はシミの種類・大きさ・数・使用する機器によって異なります。詳しくは料金ページをご確認いただくか、カウンセリングでご相談ください。
治療を受ける前に確認すべきこと
- 正確な診断を受ける:見た目だけでシミの種類を判断するのは難しいため、皮膚科専門医による診断が不可欠です。
- 日焼けを避ける:治療前後は紫外線対策を徹底することで効果が持続しやすくなります。
- ダウンタイムを確認する:仕事やイベントのスケジュールに合わせて治療を計画しましょう。
- 複数回の治療を想定する:特に肝斑やADMは一度の治療では改善しにくく、複数回の治療が必要な場合があります。
当院からのメッセージ
当院では「シミを取る」ことだけを目的にするのではなく、シミの正確な種類を見極め、患者さまお一人ひとりの肌質・生活スタイル・ご希望に合わせた治療をご提案しています。無理な勧誘や高額施術の押しつけは一切行っておりませんので、まずはお気軽にカウンセリングをご予約ください。
記事監修者
ふじもと皮フ科クリニック 院長
藤本 栄大(ふじもと えいた)
医学博士
防衛医科大学校卒業後、自衛隊病院・防衛医科大学校附属病院での勤務を経て日本皮膚科学会認定専門医を取得。同大学院在籍中に米国UC Davis(皮膚科学教室)へ留学し医学博士を取得。海上幕僚監部衛生企画室勤務、南極観測船「しらせ」医務長(第54次)、Pacific Partnership参加等を経て、2015年にふじもと皮フ科クリニックを開院。
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