Q1. 塗り薬で治りますか?
いったん広がった血管は、塗り薬や化粧品では元に戻りません。血管そのものに作用する色素レーザーによる治療が必要です。ただし、赤みの原因が酒さである場合は、保険適用の外用薬が有効なことがあります。まずは何による赤みかを診断することが大切です。
毛細血管拡張症
毛細血管拡張症は、皮膚の細い血管が広がったまま戻らなくなり、赤い筋や網目が透けて見える状態です。塗り薬では治りませんが、血管の拡張がはっきり確認できる場合は保険診療でレーザー治療ができます。
皮膚の表面近くには、目に見えない細さの毛細血管が張りめぐらされています。この血管が何らかの理由で広がったまま元に戻らなくなると、血液の色が皮膚を通して透けて見えるようになります。これが毛細血管拡張症です。
赤ら顔と同じものと思われることが多いのですが、この2つは分けて考える必要があります。見分け方は次のとおりです。
| 毛細血管拡張症 | 赤ら顔 | |
|---|---|---|
| 見え方 | 赤い筋や網目が見える | 顔全体や頬がぼんやり赤い |
| 境界 | 血管の形がはっきり分かる | 境界がぼやけている |
| 指で押すと | 一瞬白くなり、すぐ戻る | 全体的に白くなる |
| 治療 | レーザーで血管そのものを閉じる | 原因に応じた治療 |
この違いは見た目だけの問題ではありません。保険が使えるかどうかの分かれ目にもなります。顔全体のぼんやりした赤みについては、あかみ・赤ら顔のページで解説しています。
毛細血管拡張症は顔にもっとも多く現れ、なかでも小鼻のわきと頬に集中します。
小鼻のわき、頬、あごに出やすい部位です。顔の皮膚は体のなかでも薄く、血管が透けて見えやすいうえに、紫外線や寒暖差の影響を最も受けます。鏡を近づけると、細い赤い線が枝分かれしているのが分かります。冬の帰宅直後や入浴後など、血管が広がるタイミングで目立ちやすくなります。
太ももやふくらはぎに、赤紫から青紫の細い血管が網目状に広がることがあります。クモの巣状静脈瘤と呼ばれることもあります。脚の場合は、静脈そのものに問題がないかを見分ける必要があるため、対応が顔とは異なります。詳しくは後半でご説明します。
デコルテや腕など、長年日光を浴びてきた部位に現れることもあります。
毛細血管拡張症は、皮膚が薄い方、紫外線を長く浴びてきた方、日常的に寒暖差にさらされる方に起こりやすい傾向があります。原因は一つではなく、いくつかの要因が重なって現れます。
なお、これらはいずれも体質や生活の積み重ねによるもので、ご自身の不注意が原因ではありません。
ステロイドをお使いの方へ
ステロイドは、必要があって処方されている薬です。血管の拡張が気になっても、自己判断で中止しないでください。中止によって元の病気が悪化するほうが問題になります。まずは処方された医師にご相談いただき、そのうえで赤みの治療について当院にご相談ください。
いったん広がってしまった血管は、塗り薬や化粧品では元に戻りません。血管そのものに作用するレーザー治療が必要です。
血行改善や赤み対策をうたう化粧品やサプリメントは数多くあります。しかしこれらが働きかけるのは血流や炎症であって、広がった血管の構造そのものではありません。すでに拡張して定着した血管を細くする作用は期待できないのです。ビタミンK配合のクリームなど、レーザー以外の外用療法についても、毛細血管拡張症そのものを消す効果は確立していません。
ただし、赤みの原因が酒さである場合は話が別です。酒さには保険適用の外用薬があり、炎症を抑えることで赤みが改善することがあります。塗り薬が効かないというのは毛細血管拡張症についての話であって、顔の赤みすべてに当てはまるわけではありません。
だからこそ、まず何による赤みなのかを見極めることが治療の出発点になります。当院では、皮膚を拡大して観察するダーモスコピーという機器で血管の状態を確認し、毛細血管拡張症なのか、酒さなど別の原因によるものなのかを診断したうえで治療方針をご提案しています。
毛細血管拡張症の保険適用は、血管の拡張が明らかかどうかで分かれます。当院では、拡張した血管がはっきり確認できる場合は保険診療で対応し、血管の拡張を伴わない単なる赤ら顔や生理的な赤みは自費診療でご案内しています。診察のうえで、どちらになるかを事前にお伝えします。
| 保険診療 | 自費診療 | |
|---|---|---|
| 対象 | 拡張した血管がはっきり確認できるもの | 血管の拡張を伴わない赤ら顔、生理的な赤み |
| 見え方 | 赤い筋や網目状の血管が見える | 顔全体や頬がぼんやり赤い |
| 治療 | 色素レーザーのVビームプリマ | 症状に応じた自費治療 |
ご自身がどちらにあたるのか迷われるのは当然です。この判断は見た目だけでは難しく、拡大して血管を確認する必要があります。他院で赤ら顔として自費の治療を続けてこられた方が、診察してみると保険の対象になる毛細血管拡張症だった、ということもあります。
受診の際に、どちらに該当するか、費用がどのくらいになるかを、治療を始める前に必ずご説明します。自費診療となる赤ら顔の治療については、あかみ・赤ら顔のページをご覧ください。
実際の診療では、赤ら顔と酒さと毛細血管拡張症が、きれいに分かれないことがあります。単なる赤ら顔だと思われていた方に毛細血管の拡張が混ざっていることもありますし、酒さの症状のひとつとして毛細血管拡張が現れることもあります。
ここまで違いを整理してきましたが、実際には重なり合う部分があり、どれか一つに切り分けられないケースは珍しくありません。ご自身の赤みがどれにあたるのか、インターネットの情報だけでは判断がつかないのは、そのためです。
大切なのは、分類名を決めることではなく、いま出ている赤みに、どの要素がどれくらい関わっているかを見極めることです。当院では、ダーモスコピーで血管の状態を確認し、いつからどんなときに強くなるかを伺ったうえで、治療の順序と方法をご提案します。保険診療と自費診療のどちらになるか、あるいは組み合わせになるかについても、診察の際にご説明します。
ですので、自分がどれなのか分からないからと、受診をためらう必要はありません。見極めること自体が、診察の役割です。
毛細血管拡張症の治療は色素レーザーのVビームプリマが標準で、血液中のヘモグロビンに選択的に作用して、広がった血管を閉じます。
Vビームプリマは、595ナノメートルという波長の光を照射するレーザーです。この波長は血液中のヘモグロビンによく吸収されるため、周囲の皮膚をほとんど傷めずに、狙った血管だけに熱を集中させられます。熱によって血管が閉じ、時間をかけて体に吸収されることで、赤みが目立たなくなっていきます。
保険診療のルールに従い、3か月に1度のペースで照射します。必要な回数は症状の程度と部位によって大きく異なるため、あらかじめ回数をお約束することはできません。ただし傾向として、肉眼ではっきり確認できるような血管の拡張であれば、3〜4回程度で目立たなくなることが多いです。
照射時には、輪ゴムで軽くはじかれるような感覚があります。Vビームプリマには冷却装置が備わっており、照射の直前に皮膚表面を冷やすことで痛みと熱の負担を抑えています。
照射後、内出血のような紫色になる紫斑が出ることがあります。これは血管に十分な熱が加わった反応で、異常ではありません。数日から、長くても1週間程度で消えていきます。紫斑が出ないように出力を調整して照射することも可能ですので、お仕事やご予定に合わせてご相談ください。
治療機器の詳細はVビームプリマのページをご覧ください。
血管を広げる刺激を減らすことで、悪化を抑え、治療の効果を保ちやすくなります。今日から始められることを、優先度の高い順に挙げます。
紫外線は真皮を傷め、血管を支える組織を弱めます。SPF30・PA+++以上の日焼け止めを、季節や天候にかかわらず毎日使ってください。曇りの日でも紫外線量は晴天時の6割程度あります。塗り直しは2〜3時間おきが目安です。
飲酒、香辛料の効いた料理、熱い飲み物は、一時的に血管を広げます。やめる必要はありませんが、赤みが強く出る日が続くようなら、頻度を見直してみてください。
洗顔時に強くこする、タオルでゴシゴシ拭く、マッサージで摩擦を加える。これらはすべて刺激になります。泡で包むように洗い、タオルは押し当てて水気を取ってください。
治療前や治療中でも、グリーン系のコントロールカラー下地を薄く使うと、補色の関係で赤みが目立ちにくくなります。ファンデーションを厚く重ねるより自然に仕上がり、肌への摩擦も減らせます。
脚の場合は、表面の細い血管が広がっているだけか、静脈そのものに問題があるかで、受診すべき場所が変わります。
| 状態 | 対応 |
|---|---|
| 表面の細い血管が透けて見える程度。クモの巣状静脈瘤と呼ばれることもあります | 当院のレーザーで治療を行うことがあります |
| 明らかな静脈瘤がある。血管が浮き出て蛇行している。脚のむくみやだるさなどの自覚症状がある | 静脈瘤専門のクリニックでの治療をお勧めします |
分かれ目は、見た目だけの問題か、血流そのものの問題かです。次のような症状がある場合は、皮膚のレーザー治療ではなく、静脈の評価と治療が先になります。
当院で対応できるかどうかは、診察でお伝えします。専門的な治療が必要と判断した場合は、無理に当院で治療せず、適切な医療機関をご案内します。
化粧で隠しきれない赤い筋があるなら、一度ご相談ください。次のような場合が受診の目安です。
赤い筋や網目状の血管が気になる方は、通常の保険診療でご予約ください。
顔全体の赤みが気になる方や、肌の状態を多角的に可視化する診断機器のアンテラ3Dを使った詳しい評価もご希望の方は、自費診療でのご予約をお願いします。
どちらで予約すべきか迷われる場合は、まず保険診療でお越しください。診察のうえで、必要に応じてご案内します。
いったん広がった血管は、塗り薬や化粧品では元に戻りません。血管そのものに作用する色素レーザーによる治療が必要です。ただし、赤みの原因が酒さである場合は、保険適用の外用薬が有効なことがあります。まずは何による赤みかを診断することが大切です。
保険適用は、血管の拡張が明らかかどうかで分かれます。拡張した血管がはっきり確認できる場合は保険診療で対応し、血管の拡張を伴わない単なる赤ら顔や生理的な赤みは自費診療となります。診察のうえで、どちらになるかを治療前にお伝えします。
症状の程度と部位によって異なるため、あらかじめ回数をお約束することはできません。ただし傾向として、肉眼ではっきり確認できるような血管の拡張であれば、3〜4回程度で目立たなくなることが多いです。保険診療では3か月に1度のペースで照射します。
内出血のような紫色になる紫斑が出ることがありますが、数日から、長くても1週間程度で消えていきます。これは血管に十分な熱が伝わった反応で、異常ではありません。出力を調整して紫斑が出にくいように照射することもできますので、ご予定に合わせてご相談ください。
毛細血管拡張症は赤い筋や網目状の血管が見えるもの、赤ら顔は顔全体がぼんやり赤いものです。見た目だけでなく、保険が使えるかどうかの分かれ目にもなります。両方が混ざっていることもあるため、診察で確認します。
赤い筋や網目状の血管が気になる方は、通常の保険診療でご予約ください。顔全体の赤みが気になる方や、アンテラ3Dによる詳しい肌評価もご希望の方は、自費診療でのご予約をお願いします。迷われる場合は、まず保険診療でお越しいただければ、診察のうえでご案内します。
表面の細い血管が広がっている程度であれば、当院のレーザーで治療を行うことがあります。明らかな静脈瘤があったり、むくみやだるさなどの自覚症状がある場合は、静脈瘤専門のクリニックをご案内します。
ステロイドの長期外用や内服が誘因になることはありますが、自己判断で中止しないでください。中止によって元の病気が悪化するほうが問題になります。まずは処方された医師にご相談ください。そのうえで、赤みの治療について当院でご相談いただけます。
毛細血管拡張症は、塗り薬では治りませんが、レーザーで治療できる状態です。そして、拡張した血管がはっきり確認できる場合は、保険診療で治療できます。
体質だからとあきらめる前に、まずご自身の赤みが、血管が広がっているものなのか、顔全体のぼんやりした赤みなのかを確かめてください。この見極めは見た目だけでは難しく、拡大して血管を確認する必要があります。
ふじもと皮フ科クリニックでは、皮膚科専門医が診断したうえで、保険診療か自費診療か、照射の間隔と費用の目安を、治療を始める前にご説明します。船橋・習志野・八千代エリアで顔や脚の赤みにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会認定専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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