みずぼうそう(水痘)
みずぼうそう(水痘)

原因:みずぼうそうは「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」によって起こる感染症で、ウイルスの初感染として発症します(再活性化による再発が帯状疱疹)。
発症年齢:主に小児に見られ、9歳以下が90%以上を占めます。
感染力:空気感染・飛沫感染・接触感染により簡単に広がるため、非常に感染力が強い感染症です。
潜伏期間:感染から発症まで通常10〜21日(平均2週間ほど)です。
近年の傾向:定期予防接種が普及したことで、発症しても発疹が少なく熱も軽度にとどまる「軽症例」が増えています。そのため典型的な症状が揃わず、診断が難しいケースも見られます。
発熱や倦怠感が先に出ることもあります(特に大人)。
まず赤い発疹(紅斑)が現れ、小さな水ぶくれ(水疱)→膿胞(うみを伴う水疱)→かさぶたへと移行し、通常7〜10日で治癒します。
発疹は顔・胴体・手足など全身に広がり、強いかゆみを伴います。
発疹がかさぶたになるまでが、感染力がある期間です(発疹出現1〜2日前から)。
小児でもありうる合併症
脱水や皮膚への二次感染、まれに肺炎・脳炎・髄膜炎などを引き起こす場合があります。
成人・妊婦が感染した場合
成人での初感染は重症化しやすく、妊婦が発症すると胎児への影響(流産や先天異常)の恐れもあります。
将来的なリスク
ウイルスは体内に潜んでおり、免疫が低下した50歳以降で「帯状疱疹」として再発することがあります。
診断方法
症状に加え、迅速抗原検査で診断できるようになりました。
治療法
軽症ではかゆみ止めや発疹ケアが中心ですが、重症例や免疫力が低下している人では抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)の使用が第一選択となります。
予防接種の効果
日本では2014年10月から定期接種が始まり、1歳〜3歳で2回接種が推奨されています。
1回接種でも重症化を防ぎ、2回接種で発症そのものを防ぐ効果が期待できます。
接種後の効果と副反応
WHOによると、ワクチンは70〜90%の発病防止効果があり、重症化予防では95%以上の効果も報告されています。
接種後には軽い発熱や発疹、注射部位の赤みなどの副反応が起こることがありますが、重症な副反応は稀です
学校保健安全法では、水痘と診断された場合、すべての発疹がかさぶたになるまで登園・登校は禁止されています。
「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」というウイルスによる感染症で、赤い発疹や水ぶくれが全身に出ます。多くは子どもに発症しますが、大人がかかると重症化することがあります。
空気感染・飛沫感染・接触感染の3つの経路でうつります。発疹が出る1〜2日前から、すべての発疹がかさぶたになるまで感染力があります。
あります。ワクチン接種後でも、ウイルスに触れると軽い症状(発疹が少ない・熱が出ないなど)で発症することがあります。これを「突破感染(ブレイクスルー感染)」といいます。ただし、重症化することは非常にまれです。
赤い発疹が出て、水ぶくれになり、最終的にかさぶたになります。発疹は頭や体から始まり、全身に広がります。かゆみを強く伴うのが特徴です。近年はワクチン接種が広まり、発疹が少なく熱も出ない「軽症型」も増えています。
発疹の形や経過で診断できますが、最近は軽症例も多いため、必要に応じて「水痘ウイルス抗原迅速検査」などを行って確定します。
多くは自然に治りますが、かゆみ止めや発熱時の対症療法と同時に抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)を使用します。
学校保健安全法により、「すべての発疹がかさぶたになるまで」は登園・登校できません。軽く見えても感染力があるため、完治するまで自宅で安静にしましょう。
感染者との接触を避け、同じ部屋で過ごす時間をできるだけ短くします。タオルや食器を共用せず、換気を心がけましょう。家族に未接種の人がいる場合は、できるだけ早くワクチン接種を検討します。
一度かかると通常は免疫ができ、再感染はほとんどありません。ただし、ウイルスは体内に潜伏し、将来的に「帯状疱疹」として再び症状を起こすことがあります。
成人や妊婦では重症化することがあり、高熱・肺炎・肝炎などを起こすこともあります。妊娠初期の感染では、胎児に影響(先天性水痘症候群)を及ぼすことがあるため、妊娠を希望する方はワクチン接種が推奨されます。
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