じんましん
じんましん

じんましんは、かゆみを伴う赤く盛り上がった発疹(膨疹)が、突然出現し、数時間以内に消えるのを繰り返す皮膚症状です。虫刺されに似ていますが、じんましんの発疹は24時間以内に自然に消失することが特徴です 。
突然発症して数日から1週間程度で治まることが多いですが、数か月から数年続く場合もあります。6週間を超える場合慢性じんましんといわれます。
急性じんましん:6週間以内で改善。子どもに多く、ウイルスや感染後に出ることもあります。
慢性じんましん:6週間以上続く症状。数か月〜数年続くことがあります。
その他のタイプ:
物理性じんましん:こすれ・圧迫・寒さ・温熱・日光などの刺激に反応。
コリン性じんましん:運動・入浴・緊張などで出る汗に反応 。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA):特定の食物摂取後に運動することで症状が出る重症型
多くの場合、原因が特定できない(特発性)じんましんです。約80%程度とも言われています。
ヒスタミンが放出され、血管や神経に作用して発疹・かゆみが生じます。
増悪因子として、以下が関与することがあります。
感染(ウイルス・細菌)
ストレス・疲労
食品添加物
薬剤(解熱鎮痛剤、抗菌薬)
日内リズムや運動・入浴による体温変化など
膨疹は数ミリ〜10cm以上、円形・地図状・虫刺され風など多様。
1つの膨疹は24時間以内に消えるが、新たな場所に繰り返し出ることが多い。
まぶたや唇、喉の腫れ(=血管性浮腫)や、呼吸困難・飲み込みづらさを伴う場合は、早急な受診を。
食物・薬剤・物理刺激・添加物・ストレスなど、可能な限り原因を避ける。
抗ヒスタミン薬(第2世代)の内服が基本。眠気が少ないものが日常生活に適しています。
通常量で効果が不十分な場合は、増量、薬剤の変更、H2ブロッカー併用などを検討。
ステロイド内服は稀に短期使用のみ。慢性例には基本的に使用しない。
オマリズマブ(ゾレア)などの生物学的製剤:慢性じんましんで他治療が効果不十分な場合に検討。高額の治療費となるため注意が必要です。
患部を冷やす、かかないようにすることで症状軽減が期待できます。
熱いお風呂・アルコール・激しい運動・日焼けなどは悪化のリスクがあるため控えるのが無難です。
規則正しい生活・疲労・ストレスの軽減も症状改善につながります。
A. 皮膚に赤く盛り上がった発疹(膨疹)が突然あらわれ、数時間で跡を残さず消える病気です。かゆみを伴うことが多く、1日以内に消えるのが特徴です。また、毎日のように繰り返すと「慢性じんましん」と呼ばれます。
A. いいえ、人にうつることはありません。ウイルス感染をきっかけに出ることはありますが、それ自体が感染症ではないため、周囲に心配をかける必要はありません。
A. 原因はさまざまで、食べ物・薬・感染・ストレス・温度差などが関係することもあります。しかし多くの場合(約8割)は原因を特定できません。体質や免疫反応が関係すると考えられています。
A. 発疹が毎日または頻繁に出る、1週間以上続く、まぶた・唇・喉が腫れる、息苦しいなどの症状がある場合は、早めに皮膚科へご相談ください。
A. 冷やすと一時的にかゆみが落ち着くことがあります。掻くと悪化するため、冷たいタオルで押さえる程度にしましょう。熱いお風呂や飲酒、運動などで体温が上がると症状が強くなる場合もあります。
A. 一時的な軽症じんましんなら、市販の抗ヒスタミン薬で症状が和らぐこともあります。しかし、再発を繰り返す・長引く場合は自己判断せず、皮膚科で原因と治療方針を確認することが大切です。
A. 抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)の内服が基本です。効果が不十分な場合は量を増やしたり、他の薬を併用したりします。重症の慢性じんましんでは、オマリズマブ(ゾレア)という注射薬を使うこともあります。
A. 症状が落ち着いても、再発防止のためにしばらく内服を続けるのが一般的です。医師と相談しながら徐々に減量・中止していきます。自己判断で止めるとぶり返すことがあります。
A. はい、ストレスは誘因のひとつです。ストレスで自律神経や免疫のバランスが崩れると、ヒスタミンが放出されやすくなります。睡眠不足や疲労も悪化要因になるため、生活リズムを整えることも治療の一部です。
A. 多くは血液検査で原因を特定できません。感染や自己免疫などの関与を確認するために補助的に行うことはありますが、検査よりも「症状の経過や誘因の聞き取り」が重要です。
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