Q1. 「脂漏性角化症」とはどんな病気ですか?
脂漏性角化症は、皮膚の表面にできる良性の角化性腫瘍です。加齢や紫外線の影響などで皮膚の細胞が増えてできる「いぼ」のようなもので、がんではありません。医学的には「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」とも呼ばれます。
脂漏性角化症(老人性イボ)

疾患のイメージ図(AI生成)
脂漏性角化症は、医学的には「良性の皮膚腫瘍」で、別名として「老人性イボ」や「老人性疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれます 。
これはウイルス性のイボとは異なり、ヒトパピローマウイルス(HPV)によるものではありません
加齢により、皮膚の表面にある角化細胞が異常に増殖してできるもので、原因はまだ正確には解明されていません 。
紫外線や遺伝的要素、皮膚の摩擦も関係があるとされています。
色は褐色から黒、薄茶色の場合もあり、丸く盛り上がって貼りついたように見えるのが特徴です。
大きさは数mmから数cmまで幅広く、肌触りはざらざらからビロード状、かさぶたのようなものがつくこともあります。
主に顔、首、胸、背中、頭皮など、日光にさらされる部位に出やすいですが、手のひらや足の裏にはほとんど見られません。
中年期以降に増え、特に50〜60歳以上では非常に多くの人が経験します。
20代で見られることもありますが、80代ではほぼ全ての人に何かしら見られるとされています。
基本的に悪性ではないため、治療の必要はなく、痛みやかゆみがなければ放置して問題ありません。
ただし、見た目が気になる場合や、かゆみ・出血など症状が出たときは治療の対象になります。
液体窒素による冷凍凝固:小さい病変や数が多い場合に使われます。複数回の通院が必要なことも。
外科的切除:大きなものや少数の場合には局所麻酔下で切除する方法もあります。
炭酸ガスレーザー:多数ある場合やご希望に応じて焼灼することも。
その他、電気焼灼+掻把(キュレット)などの方法もあります。
表面だけでなく、基底細胞がんなどの悪性腫瘍が混在している可能性も極めて稀にあるため、疑わしい場合には病理検査(生検)を行うことがあります。
また、除去後も同じ場所では再発しにくいですが、体の別の部位に新たにできることがあります。
市販のイボ取りや、家庭療法(リンゴ酢やティーツリーオイルなど)には効果がなく、かえって刺激・炎症・感染や瘢痕のリスクがあります。
脂漏性角化症は、皮膚の表面にできる良性の角化性腫瘍です。加齢や紫外線の影響などで皮膚の細胞が増えてできる「いぼ」のようなもので、がんではありません。医学的には「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」とも呼ばれます。
うつりません。ウイルス性のいぼとは異なり、ヒトパピローマウイルス(HPV)が関係するものではありません。家族や周囲の人に感染する心配はありません。
はっきりとした原因はわかっていませんが、加齢・紫外線(長年の蓄積)・皮膚への摩擦刺激・遺伝体質などが関係していると考えられています。日光をよく浴びる顔や首、背中などに多く見られます。
はい。40代以降に多いですが、20代や30代でも発生することがあります。遺伝的にできやすい体質の方や、屋外活動・日焼けが多い方では早めに出ることもあります。
脂漏性角化症は、表面がざらざら・少し盛り上がっていて、貼りついたように見えるのが特徴です。色は薄茶から黒っぽいものまでさまざまで、時にホクロや老人性色素斑(シミ)と見分けにくいこともあります。皮膚科ではダーモスコピー(拡大鏡)で観察して、しっかり区別します。
基本的には放置して問題ありません。悪性化することは非常にまれで、良性のまま経過します。ただし、急に大きくなったり、出血・かゆみ・痛みを伴う場合は、皮膚がんとの鑑別が必要です。
症状や部位、大きさに応じて以下の方法を使い分けます。
冷凍凝固では「チクッ」とした痛みがありますが、短時間で終わります。レーザー治療では局所麻酔を使うため、麻酔の痛みはありますがその後は痛みはほとんどありません。治療後は一時的に赤みやかさぶたが残りますが、数週間〜数か月で自然に目立たなくなります。
おすすめしません。脂漏性角化症には市販薬の効果はなく、かえって炎症・色素沈着・傷跡を残す原因になります。皮膚科で安全に除去してもらうのが最善です。
同じ場所に再発することは少ないですが、別の場所に新しくできることはあります。紫外線対策を続けることで、新しい発生をある程度防ぐことができます。日焼け止め・帽子・日傘などによる光老化対策が大切です。
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