陥入爪・巻き爪
陥入爪・巻き爪
陥入爪(かんにゅうそう)と巻き爪(まきづめ)は混同されがちですが、実は別の状態を指します。ただし、同時に起こることもあります。
陥入爪:爪の端が周囲の皮膚に食い込み、炎症や痛みを引き起こす状態。必ずしも爪の形が変形しているとは限りません。
巻き爪:爪そのものが横方向に強く丸まり、前から見ると「つ」や「の」の字のような形になっている状態。痛みがない場合もありますが、爪の端が皮膚に食い込むと、歩くときに痛みを感じることがあります。
簡単にいうと、陥入爪は“食い込んで炎症を起こしている状態”、巻き爪は“爪が丸く変形している状態”です。
陥入爪と巻き爪は似ているようで異なる状態ですが、どちらも放置すると歩行困難や感染の原因になります。

疾患のイメージ図(AI生成)
爪の切り方が不適切(特に角を丸く切りすぎる)
先の細い靴やハイヒールなどによる圧迫
スポーツや外傷による繰り返しの刺激
爪や皮膚の形の遺伝的傾向

疾患のイメージ図(AI生成)
爪の幅が狭い靴・靴下による慢性的な圧迫
加齢による足の形や歩行の変化
足指の踏み込み不足による爪の成長方向の乱れ
外傷や手術後の爪の変形
爪の周囲の痛み(歩行時や靴を履いたときに悪化)
赤み・腫れ・熱感(炎症のサイン)
化膿や膿の排出(細菌感染を伴う場合)
爪の醜形(巻き爪)
診断は基本的に問診と視診が中心です。膿や腫れが強い場合は細菌感染を想定して治療を進めます。
症状の程度や再発の有無により、保存的治療と手術的治療を使い分けます。
足浴(ぬるま湯)で爪と皮膚を柔らかくする
爪と皮膚の間にコットンを挟む
爪矯正具による形の矯正
炎症や感染があれば抗菌薬の外用や内服
部分的な爪の切除(楔状切除)と爪母(爪の根元)の処置(フェノール法など)
爪全体の切除(まれ)
術後は消毒とガーゼ保護、再発予防のための爪の切り方指導
爪は真っ直ぐに切り、角を残す(深爪・丸切りは避ける)
自分の足に合った、つま先に余裕のある靴を選ぶ
足指をしっかり使って歩く(室内での裸足歩行など)
ペディキュアやサロンでのケアは角を削りすぎないよう依頼する
陥入爪は、爪の端が皮膚に食い込んで炎症や痛みを起こしている状態です。
巻き爪は、爪そのものが丸く変形して、前から見ると「つ」や「の」の字のように曲がっている状態を指します。
両方が同時に起こることもあります。
主な原因は次のとおりです。
足に合わない靴や、爪を短く切りすぎる習慣が続くと、爪が皮膚に食い込みやすくなります。
軽症であれば、次のようなセルフケアで改善することもあります。
ただし、痛み・赤み・膿がある場合は必ず受診してください。感染が進むと悪化して治りにくくなります。
炎症が広がり、歩くたびに強い痛みを感じるようになります。さらに進行すると化膿して皮膚や骨まで感染することがあり、治療期間が長引くこともあります。
症状の程度によって、保存的治療と手術的治療を行います。
手術後は消毒とガーゼ保護を行い、再発予防のための爪の切り方指導を行います。
手術は麻酔をしてから行うため、手術中の痛みはほとんどありません。ただし、麻酔の注射時には少し痛みがあります。手術後は軽い痛みや腫れが出ることがありますが、通常は1〜2日で落ち着きます。
ワイヤーやプレートを爪に装着し、少しずつ平らな形に戻す方法があります。当院では、爪の厚みやカーブに合わせた医療用矯正具(ペディグラス)を使用し、痛みのない矯正を行っています。
これらの習慣を続けることで、再発のリスクを大きく減らせます。
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