単純ヘルペス
単純ヘルペス

単純ヘルペスウイルス(Herpes Simplex Virus: HSV)が原因です。HSVには主に HSV‑1と HSV‑2の2種類があり、HSV‑1は主に口唇、 HSV‑2は主に性器でしたが現在では混在しています。
初めて感染すると、ウイルスは水疱や唾液、皮膚や粘膜の接触によって広がり、一度体内に入ると神経節に潜伏し、生涯にわたって体内に残ります。
ストレスや疲労、日光などの刺激で再活性化し、再発することがあります。
主にHSV‑1による感染で、くちびるやその周りに小さな水ぶくれ(痂皮)ができます。
最初の感染後は無症状のことも多く、再発の際にも軽い症状で済むことがあります。
再発時にはピリピリ・かゆみ・灼熱感などの前駆症状があり、その後に水ぶくれ、かさぶたへと進行します。完治までに約7日ほどかかることが多いです。
抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなど)の服用で再発の頻度が減ったり、症状を軽くできます。
HSV‑2が主な原因ですが、HSV‑1による性器感染も増えています。
症状は小さな水ぶくれができ、それが破れて痛みを伴う潰瘍になります。発熱やリンパ節の腫れ、排尿痛などの全身症状が出ることもあります。
発症までの潜伏期間は2〜12日、初感染では2〜4週間ほど症状が続くことがあります。
抗ウイルス薬の定期服用によって再発頻度を80%近く抑えられる抑制療法があります。
多くの場合、問診と視診で診断します。
つまり、特徴的な水ぶくれや潰瘍の形・部位・経過から判断します。
現在では判断が難しい場合には、抗原検査(水ぶくれの内容液や潰瘍部のぬぐい液を用いる)を行い、短時間でウイルスの有無を確認します。
※PCRやウイルス培養、抗体検査は大学病院や専門施設で行われることが多く、一般的なクリニックでは通常行いません。
抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル)を使用します。
前駆症状(ピリピリ・かゆみ・違和感)を感じたら、できるだけ早く服用開始することで、症状の軽減や治癒期間の短縮が可能です。
再発を繰り返す方に有効な自己管理型の治療法です。
医師の診断後、あらかじめ抗ウイルス薬を手元に処方しておきます。
再発の前兆を感じたら、患者自身が自分の判断で直ちに服用を開始します。
使用薬はファムシクロビルに加え、アメナビル(アメナリーフ®)を用いる場合もあります。
アメナビルは1回の服用で治療が完了し、短期間で済むのが特徴です。
受診を待たずに治療を開始できるため、発症からの経過を短くし、症状を軽くできます。
性器ヘルペスで、年に6回以上の再発がある場合や、再発のたびに症状が重い場合に、毎日少量の抗ウイルス薬を長期間服用して再発を予防します。
パートナーへの感染リスク低減にも効果があります。
単純ヘルペスウイルス(HSV)というウイルスが原因で、水ぶくれや痛みを伴う皮膚・粘膜の炎症が起こる感染症です。口のまわりに出るものを「口唇ヘルペス」、性器に出るものを「性器ヘルペス」と呼びます。
一度感染すると、ウイルスは体の神経の中に潜伏し、体調が崩れた時などに再発することがあります。完全に体から消すことはできませんが、再発を抑える治療が可能です。
はい。ウイルスが皮膚や粘膜に存在する時期は感染します。特に水ぶくれや潰瘍があるときは感染力が強く、キスや性行為、タオルの共用などでうつることがあります。症状がなくても、ウイルスが少量出ている無症候性排出による感染もあります。
睡眠不足、ストレス、風邪、紫外線、月経、疲労などの免疫力の低下がきっかけになります。同じ場所に繰り返し出るのが特徴です。
皮膚科では、視診(見た目の診察)と抗原検査を行うことで診断します。抗原検査は水ぶくれの内容液や潰瘍を綿棒でぬぐい、ウイルスの有無を10〜15分程度で確認できる検査です。
抗ウイルス薬を使います。代表的なのはアシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルです。症状が出たらできるだけ早く服用することで、治りが早くなり、痛みも軽くなります。また、新しい薬としてアメナビル(アメナリーフ®)もあり、1日2回・5日間の服用で治療が完了します。
PIT療法(Patient-Initiated Therapy)は、再発したときにすぐ薬を使えるようにする治療法です。あらかじめ医師から抗ウイルス薬(アメナビルなど)を処方しておき、再発の前兆を感じたら患者さま自身の判断で服用を開始します。早めに治療できることで、症状を軽くし、治りを早くすることができます。
再発を年に6回以上繰り返す場合などには、毎日少量の抗ウイルス薬を継続的に服用し、再発を予防します。また、パートナーへの感染リスクを下げる効果もあります。
軽症であれば自然に治ることもありますが、痛みや感染拡大を防ぐためには早めの治療が大切です。特に初感染や再発を繰り返す方、痛みが強い方は早期に皮膚科を受診してください。
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