円形脱毛症
円形脱毛症
自己免疫疾患が原因:円形脱毛症は、自分の免疫システムが髪の毛を作る毛包(もうほう)を異物と誤認し、攻撃してしまうことで起こります。このように、免疫が正常に働かないことで炎症が起き、髪の毛が抜けます。
遺伝的な素因も関係:複数の遺伝子が関与しているとされています。ただし遺伝的に発症しやすい体質を持っていても、必ず発症するわけではありません。
アトピー体質との関連:アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー体質を持つ人は円形脱毛症を発症しやすく、重症化や治りにくくなる傾向があります。
その他の誘因:感染症、ホルモンの変化(妊娠・出産後など)、精神的ストレスなども発症のきっかけとなる可能性があります。ただし、ストレスだけが原因ではないことに注意が必要です。
典型的な症状:硬貨大の円形や楕円形の脱毛斑が複数できることが多く、地肌に炎症や痕が残ることは少ないです。
分類:
限局型:頭部に1〜数か所の脱毛
全頭型(totalis):頭髪全体が脱毛
汎発型(universalis):頭髪だけでなく、体毛すべてが脱毛
進行と経過:自然に再生することもありますが、再発したり進行したりする人もいます。
外用薬:局所の炎症を抑える効果があります。
局所注射:脱毛部分に直接注射。狭い範囲に有効ですが、痛みや注射部の凹みなどの副作用のリスクがあります。
内服(パルス):重症・急速進行例で短期間に大量投与。副作用が大きいため慎重に使われます。高次医療機関をご紹介します。
意図的に皮膚の免疫反応を起こして発毛を促す方法。保険適応外で、副作用(ひどいかぶれなど)に注意が必要です。
特定の波長の紫外線を照射。外用・注射と組み合わせることがあります。
バリシチニブ(オルミエント):2022年6月に日本で保険適用になりました。難治性例で3か月ほどで効果が期待されます。
欧米では、バリシチニブのほか、リトレキチニブ(2023年承認)、デウルキシチニブ(2024年承認)など、新しい薬が使用されています。
ウィッグや頭皮カバーの利用、精神的サポートも重要です。
精神的負担が大きいときは、治療だけでなく心理的ケアや相談もおすすめです。
自然に治るケースも多い:特に小さな脱毛であれば1年以内に自然回復することが多く、80〜90%以上が回復します。ただし再発することもあるので、様子を見ながら適切に判断することが大切です。
ストレスだけが原因ではありません。実際には自己免疫反応が主な原因で、免疫が毛根を誤って攻撃することによって脱毛が起こります。ただし、強い精神的ストレスが「きっかけ」となることはあります。
はい、小さな円形脱毛症の場合、多くは自然回復するとされています。ただし、再発する方も少なくありません。進行が早い・範囲が広い場合は、早めの受診をおすすめします。
多くの方は痛みやかゆみを感じません。ただし、一部の方ではチクチク感や軽いかゆみを伴うこともあります。これは炎症のサインです。
アトピー性皮膚炎・花粉症・喘息などのアレルギー体質の方や、家族に円形脱毛症の既往がある方は発症しやすい傾向があります。また、甲状腺疾患や自己免疫疾患(膠原病など)と併発することもあります。
いいえ、感染する病気ではありません。ウイルスや細菌によるものではないため、他人にうつる心配はありません。
原因や重症度によって異なります。軽症ではステロイド外用薬や注射が中心で、光線療法や、広範囲の場合は内服治療(JAK阻害薬:オルミエントなど)を組み合わせます。JAK阻害薬をご希望の場合は高次医療機関をご紹介します。
残念ながら完全に防ぐ方法はまだ確立していません。ただし、睡眠・食事・ストレス管理が免疫のバランスを整える助けになります。
頭髪全体が抜ける全頭型や、まゆ毛・体毛も抜ける汎発型に進行することがあります。ただし、重症例でも発毛が再開することは多いため、諦めずに治療を継続することが大切です。
髪や頭皮への刺激を減らすことが大切です。強いブラッシングや熱いドライヤーは一時的に控えましょう。また、帽子やウィッグの使用は問題ありません。紫外線予防にも役立ちます。
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