ニキビ
ニキビ

ニキビ治療って、「保険の皮膚科? それとも美容皮膚科?」と迷うこと、ありませんか?
初めての方にとっては特に不安なものです。でも、ご安心ください。
ニキビは、まず保険診療による標準的な治療から始めるのが基本です。外用薬や内服薬を使って、炎症や新しいニキビの発生を抑えていきます。
それでも十分な改善が得られない場合や、ニキビ跡・毛穴の開きなど美容面の改善を目指したい場合には、保険外診療での内服薬や、美容皮膚科でのレーザーや光治療など、より踏み込んだ治療をご提案します。
当院では、「まずは保険診療でしっかり治す」→「必要に応じて美容皮膚科でさらに整える」という流れを大切にし、お一人おひとりの症状やご希望に合わせて最適な治療プランをご提案します。
「できてしまったニキビを治す」だけでなく、「ニキビができにくい肌」も、一緒に目指しましょう。

疾患のイメージ図(AI生成)
ニキビができる主なメカニズムは以下の通りです:
皮脂の過剰分泌:思春期やストレス、食生活の乱れなどで皮脂が増加し、毛穴が詰まりやすくなります。
毛穴の詰まり:ターンオーバーの乱れや洗顔・メイクの残りにより、古い角質が溜まって毛穴が塞がれます。
アクネ菌の増殖と炎症:毛穴内でアクネ菌が増えると、炎症を起こして赤ニキビに進行します。
さらに、部位や個人差によって原因には違いがあります
おでこや鼻などの脂性・詰まりだけでなく、あご・フェイスラインなどでは乾燥・刺激・摩擦が関係することも。
生活習慣(ストレス、睡眠不足、食事の偏りなど)も影響します。
以上を踏まえると、治療だけでなく、生活習慣の見直しも重要です。
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種類 |
特徴 |
アドバイス |
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白ニキビ/黒ニキビ(コメド) |
毛穴に皮脂が詰まった初期段階。白→酸化して黒に。 |
適切な洗顔と角質ケアを心がけましょう。 |
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赤ニキビ |
アクネ菌の増殖によって炎症を起こして赤く腫れる状態。 |
抗菌・抗炎症薬が中心の治療です。 |
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化膿ニキビ(黄ニキビ) |
膿が出ている状態。 |
自己処理は避け、早めの受診が大切です。 |
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ニキビ跡・色素沈着 |
炎症後に残る赤みや凹凸、色素の変化。 |
美容皮膚科領域の治療となります。 |
さらに、スキンケア(ドクターズコスメ)も補助的に有効と考えられます。
ニキビケアには、ナイアシンアミド、レチノイド、サリチル酸、セラミド、パンテノールなどが含まれるスキンケア製品がプラス効果につながります。
ニキビは、自分で何とかしようとして悪化したり、治りにくくなることも少なくありません。でも大丈夫。皮膚科専門医が、あなたの症状にあわせて治療を丁寧に進めます。
ニキビは慢性的な肌トラブルで、コメド(白・黒ニキビ)の段階からケアを続けることで、「ニキビのできにくい肌」を目指せます。最低でも3か月は通院・治療の継続を心がけましょう。
ふじもと皮フ科クリニックでも、以下のような保険適用の治療を中心に行っています:
過酸化ベンゾイル(BPO)製剤
例:ベピオゲル®、ベピオローション®、ベピオウォッシュゲル®
毛穴の詰まりを改善し、アクネ菌を殺菌します。耐性菌の心配が少ないのが特徴です。
アダパレン(レチノイド)製剤
例:ディフェリンゲル®
毛穴の詰まり(コメド)の発生を防ぎ、肌のターンオーバーを促します。
過酸化ベンゾイル+アダパレン配合薬
例:エピデュオゲル®
毛穴詰まり改善と殺菌作用を同時に行い、初期の白ニキビから赤ニキビまで幅広く対応します。
過酸化ベンゾイル+抗菌薬配合薬
例:デュアック配合ゲル®(BPO+クリンダマイシン)
アクネ菌の殺菌と炎症の鎮静を同時に行います。赤ニキビに効果的です。
抗菌薬単剤外用薬
例:ダラシンTゲル®/ローション®(クリンダマイシン)、アクアチムクリーム®/ローション®(ナジフロキサシン)、ゼビアックスクリーム®/ローション®(オゼノキサシン)、
炎症性ニキビの局所治療に用いますが、耐性菌予防のため長期単独使用は避けます。
イオウ製剤
例:イオウカンフルローション®
角質ケア作用があり、軽度のニキビや脂性肌の方に用いられることがあります。
抗菌薬:ミノサイクリンやドキシサイクリンなどでアクネ菌の増殖を抑え、赤ニキビの炎症を鎮めます。
漢方薬やビタミン剤:補助的に使用する場合があります。
イソトレチノインは、重症または難治性のニキビに対して、海外では使用されることもある内服薬です。日本では保険適用がなく、保険外診療です。
皮脂腺を小さくし、皮脂分泌を強力に抑える
毛穴の詰まりを改善し、アクネ菌が増えにくい環境にする
抗炎症作用により赤ニキビや膿ニキビの炎症を抑える
これらの作用により、他の治療で改善しなかったニキビでも、高い効果が期待できます。
1日1回、体重に応じた用量を内服します。
通常4〜6か月間の内服で終了し、その後も再発しにくい傾向があります。
治療中は定期的に血液検査を行い、安全性を確認します。
主な副作用:唇や皮膚の乾燥、口唇炎、鼻出血、眼の乾燥、肝機能・脂質の変化など
妊娠中や授乳中は絶対に使用できません(催奇形性があるため)
服用中および服用後一定期間は避妊が必要です。
献血は服用終了から1〜2か月以上経過するまで控えていただきます。
1日20mg服用の場合:1か月あたり 約20,000円(税込)
1日30mg服用の場合:1か月あたり 約30,000円(税込)
※上記は血液検査代も含んだおおよその金額です。治療期間や服用量は症状や体重により調整します。
イソトレチノインは効果が高い反面、副作用管理が重要なお薬です。当院では、医師が十分に説明し、ご理解と同意をいただいた上で処方しています。
イソトレチノインは保険外診療のお薬ですが、初めてご相談される方も、まずは保険診療での受診予約をお願いいたします。
初診時には、現在のニキビの状態やこれまでの治療歴を確認し、まずは保険診療で行える標準的な治療からスタートします。
その上で、効果が不十分な場合や重症ニキビの場合に、イソトレチノインの適応や安全性についてご説明し、希望される方には自由診療としての処方をご案内します。
当院では、保険診療で十分な改善が得られない場合や、ニキビ跡・毛穴・赤みなど美容面の改善をご希望の方に、美容皮膚科での治療をご提案します。
主な治療法
イソトレチノイン内服(自由診療)
重症・難治性ニキビに有効。皮脂分泌を強力に抑え、再発予防にもつながります。
レーザー治療・光治療
- レーザーフェイシャル:膿を伴う炎症ニキビの沈静化
- ロングパルスYAGレーザー:皮脂腺抑制でニキビができにくい肌へ
- Vビーム/BBL:ニキビ跡の赤みや色素沈着改善
- ピコフラクショナル/CO2フラクショナル:毛穴、凹凸のあるニキビ跡改善
症状や肌質、ご希望の仕上がりに応じて最適な治療を組み合わせます。
詳しくは美容皮膚科のニキビ治療(保険外診療)・ニキビ跡のページを御覧ください。
A. 市販薬は軽いニキビ向けの炎症抑制成分が中心ですが、皮膚科では医学的根拠のある外用薬・内服薬を症状に合わせて処方します。毛穴詰まりの原因に働く「アダパレン」や「過酸化ベンゾイル」、炎症を鎮める「抗菌薬」などを組み合わせ、より根本的な治療が可能です。
A. ニキビは慢性的な疾患のため、すぐに完治する病気ではありません。薬の効果が現れるまでには通常6〜8週間ほどかかります。治療を続けることで、3か月以降から「できにくくなる」変化を感じる方が多いです。
A. ニキビがある部分だけでなく、ニキビができやすい範囲全体に塗るのがポイントです。塗りムラがあると効果が出にくくなります。刺激を感じた場合は一時的に塗布回数を減らすなど、医師が調整します。
A. 初期にヒリつきや乾燥を感じることがありますが、多くは肌が慣れる過程の一時的な反応です。保湿剤の併用で軽減できますが、強い赤みやかゆみが続く場合は自己判断せずご相談ください。
A. 治療中でもメイクは可能です。ただし、ノンコメドジェニック(毛穴を詰まらせにくい)製品を選び、帰宅後はクレンジングと洗顔を丁寧に行いましょう。
A. 人によって睡眠不足・ストレス・糖分・脂質の多い食事はニキビを悪化させることがあります。野菜・魚・発酵食品を意識し、十分な睡眠とストレスケアを心がけましょう。
A. 治療の初期は2〜4週間ごとに通院し、薬の効果や副作用を確認します。安定してきたら1〜2か月おきの受診で経過を見ていきます。
A. 赤みや色素沈着が軽度であれば、外用治療を継続すると時間の経過とともに改善することもあります。ただし、色素沈着や凹凸が強い場合は保険適用外となり、美容皮膚科での治療(レーザー・光治療)をご提案することがあります。
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