Q1. 朝は水洗いだけでもいいですか?
朝の肌には皮脂や汗が残っており、そのままにすると酸化して肌荒れの原因になります。ぬるま湯と泡立てた洗顔料でやさしく洗うのがおすすめです。洗いすぎには注意しましょう。
正しいスキンケア
肌は 表皮 → 真皮 → 皮下組織 の3層構造を持っています。
表皮の最上層には「角層」があり、その中に「天然保湿因子(NMF)」や「皮脂」「角質細胞間脂質」があって、水分の蒸発や外部刺激を防ぐ バリア機能 を果たしています。
このバリアが壊れると、乾燥、炎症、かゆみなどの肌トラブルが生じやすくなります。
肌の細胞は日々新しいものに入れ替わる(ターンオーバー)ことで健康を保ちます。
思春期から成人にかけて性ホルモンの影響で 皮脂分泌 が活発になります。多すぎると毛穴が詰まりやすくなり、にきびの原因になります。
そのため、皮脂を「ただ落とす」のではなく、適度にコントロールすることが重要です。
多くの人は「スキンケア=何かを加えること」と考えがちですが、実際は肌の自然な働きを守ることが大切です。
具体的には、次の3つが基本です。
肌のうるおいを保ち、乾燥を防ぐ(保湿)
外部刺激(紫外線、摩擦、気温差など)から肌を守る
乱れたターンオーバー(肌の生まれ変わり)を整える
つまり「落とす」「補う」「守る」という3ステップが正しいスキンケアの柱になります。
過剰な洗顔や刺激の強い化粧品は、かえって肌の防御力を奪います。
朝は「保護」のケアを中心に行います。
寝ている間にも皮脂や汗が分泌されるため、まずはぬるま湯や泡立てた洗顔料でやさしく洗います。洗いすぎは禁物です。皮脂を落としすぎると、かえって分泌が活発になり、テカリやニキビの原因になることがあります。
洗顔後は化粧水などで肌に水分を与え、その後に乳液やクリームでふたをします。化粧水だけでは水分が蒸発してしまうため、保湿剤で仕上げるようにしましょう。
最後に、日焼け止めを忘れずに。紫外線はシミやしわの最大の原因であり、曇りの日でも地表に届きます。将来的なシミ・しわ・たるみの原因になります。
「朝の紫外線対策」は将来の肌を左右する最重要ポイントです。SPF値よりも「こまめな塗り直し」が効果的です。
夜は「リセット」と「修復」の時間です。
一日の終わりには、メイクや皮脂、ほこりなどの汚れをしっかり落とすことが大切です。
クレンジング剤は肌質に合わせて選び、ゴシゴシこすらず指先でなでるように。
洗顔後はすぐに保湿を行い、水分と油分のバランスを整えましょう。
夜は肌の修復が最も活発になる時間帯です。
十分な睡眠とともに、刺激の少ない保湿ケアを続けることで、翌朝の肌の調子が安定します。
角質層の水分と油分が少ないため、肌がカサつきやすく外的刺激にも敏感です。
セラミドやヒアルロン酸を含む保湿剤を選び、洗顔後は早めに保湿しましょう。お湯の温度は熱すぎず、38〜40℃程度が理想です。冬は加湿器などで室内の湿度も調整します。
皮脂の分泌が多く、Tゾーンがテカりやすいタイプです。
ベタつくから保湿は不要と思われがちですが、水分が不足すると逆に皮脂が増えます。軽いジェルタイプの保湿剤で、“油分ではなく水分”を補うことが大切です。
毛穴詰まりを防ぐため、ノンコメドジェニック(ニキビになりにくい処方)製品を選びましょう。
バリア機能が低下しており、刺激を受けやすい状態です。
香料・着色料・アルコールの少ない低刺激タイプを選び、新しい製品はパッチテストを。炎症が強い時は、化粧品よりまず皮膚科の診察を優先してください。
スキンケアは化粧品だけで完結しません。日々の生活も肌状態に直結します。
睡眠:肌の修復は夜間に行われるため、6〜7時間以上の睡眠を確保しましょう。
食事:野菜・果物・たんぱく質をバランスよく摂取し、脂っこいものや糖分をとりすぎないこと。
ストレス管理:ストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を増やします。
紫外線対策:季節を問わず日焼け止めを使用し、屋外では帽子や日傘も活用を。
摩擦を減らす:タオルで顔をこすらない、マスクでの擦れ対策も意識しましょう。
近年では、「スキンケアそのものがリラックス効果をもたらし、自律神経を整える」という報告もあります
(理研・皮膚科学研究グループ, 2023年)。
朝の肌には皮脂や汗が残っており、そのままにすると酸化して肌荒れの原因になります。ぬるま湯と泡立てた洗顔料でやさしく洗うのがおすすめです。洗いすぎには注意しましょう。
価格よりも、自分の肌に合うかどうかが最も大切です。敏感肌や乾燥肌の方は、香料・着色料・アルコールなどが少ない低刺激タイプを選びましょう。高価なものが肌に合わないケースも少なくありません。
いいえ、紫外線は一年中降り注いでいます。冬や曇りの日でも、しわ・たるみの原因となるUVA波はガラスを通過します。季節を問わず、毎日の使用が必要です。室内でも窓際に長くいる方は特に注意しましょう。
刺激を避けることは大切ですが、スキンケア自体をやめる必要はありません。洗顔と保湿を正しく行うことで、皮脂のバランスが整いやすくなります。アルコール入りやオイル系の化粧品は避け、「ノンコメドジェニック」表示の製品を選ぶと安心です。
炎症があるときは、新しい化粧品の使用を中止し、まず肌を休ませましょう。冷やしたタオルで軽く冷却し、症状が続く場合は受診してください。当院では、接触皮膚炎などの診断も行い、必要に応じて外用薬を処方します。
基本は「朝と夜の2回」で十分です。それ以上行うと、皮脂を落としすぎて乾燥や過剰分泌の原因になります。部活などで汗を多くかく方は、ぬるま湯で軽く流すだけでも構いません。
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