円形脱毛症

円形脱毛症

 円形脱毛症とは

 コインの形のように円形に毛が抜けている状態が1、2ヶ所みられるのが一般的ですが、多数見られる場合や全身の毛が抜けていくこともあります。本来人間にはウイルスや細菌など外敵から体を守るために免疫という機能がありますが、この機能が誤って毛を攻撃するため(自己免疫といわれます)に脱毛を生じると考えられています。数の少ないものや小さいものは、経過はゆっくりですが自然にも治癒することもありますし、治療もさほど必要としないものもあります。

原因

 自己免疫が関わっていること以外はまだ正確にはわかっていません。精神的なストレスや体調不良がきっかけになることもあるとされますが、多くの方は誘引なく発症します。また家族内で発症しやすい方や、何度も繰り返す方もいらっしゃるので遺伝的な体質も関連していると推測されています。

治療法

 ステロイド外用薬での治療が一般的です。範囲が狭い場合はステロイド局所注射も有効です。ただし注射は疼痛を伴うことや、注射部位に凹みがみられることがあるという点が注意点です。その他行っても良い治療として塩化カルプロニウム外用薬、グリチルリチン、セファランチンの内服薬もあります。急速に拡大する場合はステロイドを内服する選択肢もあります。ただし中止すると再び抜けてしまうため長期に渡り服用することとなり、その結果糖尿病や高血圧などの副作用が生じる可能性があります。

 従来から光線療法が有効とされていましたが、エキシマランプというある波長の紫外線治療が保険適応となり上記の治療に加えて光線療法を併用することもあります。

 これらの治療で難治である場合、局所免疫療法という脱毛している部位にかぶれを起こさせる薬品を外用し弱いかぶれを起こさせて治療を行う方法があります。健康保険では認められていないのと、ひどいかぶれが起こる方もいらっしゃるので、注意が必要です。(当院ではおこなっていません)

 2022年6月にオルミエントという新しい内服薬が保険適応となりました。オルミエント(バリシチニブ)は従来関節リウマチで使用されていた薬剤で難治性のアトピー性皮膚炎にも使用されているJAK1/JAK2阻害薬です。効果出現には3ヶ月程度必要とされていますが従来難治であった方にも有効である可能性があります。当院では行っていませんが、連携している大学病院(主に日本医科大学北総病院)を紹介しています。

注意点

 円形脱毛症のようでも他の理由で脱毛が起こることもあります。皮膚感染症による脱毛、皮膚腫瘍による脱毛、瘢痕性脱毛、薬剤化学療法による脱毛、内分泌異常による脱毛、抜毛症、休止期脱毛など、様々な要因があります。検査で確定できることもありますが、検査では明らかにならないものも多数あります。

よくある質問

Q:円形脱毛症は治らないのでしょうか?

A:数が少ない場合、小さい場合は、多くはゆっくりと治っていきます。なかには経過が長いものや範囲が広いものは数年以上かかることもあります。毛を作る細胞が残存していればいずれ発毛することがあります。また、頭髪は月に1cm程度しかのびないので、生えてきたとしても肉眼的に目立たなくなるのは半年程度かかります。