みずいぼ(伝染性軟属腫)

みずいぼ(伝染性軟属腫)

みずいぼとは?

みずいぼ

 伝染性軟属腫ウイルスというウイルスが皮膚に感染してイボをつくるウイルス性疾患です。「みずいぼ」という通称でよく知られています。感染した皮膚に直接触れることでうつるため、裸で接触の多い子供に多い皮膚病の一つです。

症状

 胸やお腹、わきの下など、皮膚が薄いところや擦れやすいところに、数mm大の光沢のあるイボができます。次第に大きくなったり、触れることで無数に増えることもあり、特にアトピー性皮膚炎のような皮膚疾患があると感染しやすくなります。ウイルスが感染しても症状があらわれるのに2週から50日程度かかるといわれています。治療を行って良くなったとしても、潜伏していたウイルスにより新たにイボがでてくることがあります。

治療

 自然に治癒することもありますが、自然治癒には数ヶ月から数年かかります。その間周囲の子供にうつす可能性があることを考慮して対応していく必要があります。この点から治療は以下となります。

・かゆみを伴うこともあり掻き壊してとびひなど他の皮膚疾患になることや、他人にうつす可能性があることなどを理解した上で、自然に治癒することを待ち続ける選択肢です。経過をみる途中無数に増えることもあります。

・ピンセットなどでつぶす、すなわち「摘除する」という方法があります。早く治癒に導くことができますが、問題は痛みがある点です。現在では痛み止めのテープを使用することができるため、あらかじめ痛み止めのテープをはって、十分に麻酔をきかせてから摘除します。

・上記の中間のような治療で、M-BFクリームという外用薬も流通しており、当院でも取り扱いがあります。劇的な変化はありませんが、放置するより治癒までの時間を短縮できる傾向にあります。欠点は保険外診療ですので自費で購入して頂く必要があります。

・サリチル酸含有テープを貼付する方法、ヨクイニンという漢方薬を服用する方法、液体窒素で冷凍凝固する方法など様々な治療が試みられていますが、早期に確実に治るものはいまのところありません。

 上記いずれの選択肢もありますが、自然治癒を待つ方針としたにもかかわらず多数に増えたところで摘除を行うよう方針転換すると、イボの数のぶんだけ痛みの量も増えるため子供にとって最も好ましくない選択となります。したがって、自然治癒を待つと決めたらひたすら待ち続けたほうが良いですし、数が少ないうちであれば早めに摘除しておくことが望ましいと考えられます。

注意点

 他人にうつす可能性がある疾患なので、周囲の小児にうつさないような対策が必要です。イボのある部分は衣類や絆創膏などで覆ってしまうのが望ましいと考えられます。

よくある質問

Q:プールに入っても良いでしょうか?

A:プールの水でうつるわけではないので基本的には構いません。ただし、肌の接触で感染するため病変部をラッシュガードなどの水着で覆ったり、ウォータープルーフの絆創膏などで覆ったりする対策が必要ですし、またプールの運営者でルールを決めている場合もあるため、そのルールに従う必要があります。

 

Q:保育園や幼稚園に通っても良いでしょうか?

A:登園の制限は基本的にはありません。プールの場合と同様、病変部が他人と接触しないような配慮が必要となります。また運営者が決めたルールに従う必要があります。