じんましん
じんましん
じんましんは、かゆみを伴う赤いふくらみが突然あらわれ、30分から24時間以内に跡を残さず消える皮膚の病気です。ひとつのふくらみが1日以上残るときは、じんましん以外の病気を考えます。当院では皮膚科専門医が、経過の聞き取りから治療の進め方までご説明します。

じんましんのふくらみは、医学用語では膨疹といいます。数ミリのものから手のひらより大きなものまであり、円い形、地図のような形、虫刺されに似た形と、出方はさまざまです。
虫刺されとの違いは、消えるまでの時間です。虫刺されの赤みは数日残りますが、じんましんのふくらみは30分から24時間以内に、色もへこみも残さず消えます。消えたあとの皮膚は元どおりになります。
発症してから6週間以内のものを急性じんましん、6週間を超えて続くものを慢性じんましんと呼びます。この6週間が、治療の組み立てが変わる境目です。
じんましんは珍しい病気ではありません。日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドライン2026によれば、世界の人口の最大20%が生涯のどこかでじんましんを経験します。日本で慢性のじんましんを持つ方の割合は、診療報酬データを用いた2016年から2021年の調査で1.2%から1.6%と報告されています。
じんましんは、きっかけがはっきりしない特発性のものと、特定の刺激で必ず出る刺激誘発型のものに大きく分かれます。医療機関を受診する方で多いのは特発性のほうです。
刺激誘発型のじんましんは、慢性特発性じんましんに比べて頻度が低く、慢性特発性じんましんの10%から30%程度とされています。
| 病型 | きっかけ | 皮疹の出かた | 消えるまでの時間 |
|---|---|---|---|
| 急性特発性じんましん | はっきりしない | 全身のどこにでも 毎日または連日 | ひとつにつき30分から24時間以内 |
| 慢性特発性じんましん | はっきりしない | 同上が6週間を超えて続く | ひとつにつき30分から24時間以内 |
| 機械性じんましん — 皮膚描記症 | こすれ 圧迫 | こすった線の形にそって出る | 数分から2時間以内 |
| 寒冷じんましん | 冷え | 冷えた部位 | 数分から2時間以内 |
| 温熱じんましん | 温熱 | 温めた部位 | 数分から2時間以内 |
| 日光じんましん | 日光 | 日の当たった部位 | 数分から2時間以内 |
| コリン性じんましん | 運動 入浴 緊張などによる発汗 | 粟粒大から小豆大の小さなふくらみが散る | 数分から2時間以内 |
| 遅延性圧じんましん | 圧迫を受けた数時間後 | 圧迫を受けた部位 | 数時間から2日間 |
| 血管性浮腫 | さまざま | まぶた くちびるなど深いところが腫れる | 2日から3日 |
| 食物依存性運動誘発アナフィラキシー | 原因の食べ物をとって2時間から3時間以内の運動 | 全身。呼吸や血圧の症状を伴う | ただちに受診が必要 |
コリン性じんましんは小児から30歳台前半に多く、運動や入浴、緊張で汗をかく動作をしたときに、粟粒ほどの小さなふくらみが散らばって出ます。汗そのものが関わるため、汗の量が多い多汗症でお悩みの方から相談を受けることもあります。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、日本では小麦とエビによる報告が多く、10歳代に多いことが分かっています。解熱鎮痛薬を一緒にのむと症状が出やすくなります。
じんましんの多くは、特定のアレルギーが原因ではありません。食べ物などのアレルギーが原因だと確認できるのは、皮膚科を受診する方の1%から数%にとどまります。日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドライン2026に示されている数字です。
日本での実測もあります。広島大学病院の皮膚科外来を受診したじんましんの方260人を調べた報告では、物理性が10.0%、コリン性が6.5%、外から入った物質によるものが6.5%で、残りの76.9%は明らかなきっかけなく生じる特発性のじんましんでした。
何を食べたか、何をしていたかを思い出せなくても、それはご自身の記憶の問題ではありません。思い当たることがないほうが、じんましんでは普通のことです。原因が分からなくても、治療の道すじは決まっています。
原因そのものが分からない場合でも、症状を悪くする要因は分かっていて、次のものが挙げられています。
ふくらみとかゆみは、皮膚の中の肥満細胞からヒスタミンが放出され、血管と神経に作用することで起こります。治療の中心が抗ヒスタミン薬なのは、このためです。
血圧の薬のうちアンジオテンシン変換酵素阻害薬は、まぶたやくちびるの腫れを起こすことがあります。複数の研究をまとめた報告では、その頻度は0.3%とされています。血圧の薬をのんでいて、くちびるやまぶたが腫れた方は、診察のときにお薬をお持ちください。
原因を知りたいので検査をしてほしい、というご希望はとても多くいただきます。ただ、当院にかぎらず、クリニックで行えるような検査で原因が特定できることは、ほとんどありません。これは検査の設備の問題ではなく、じんましんという病気の性質によるものです。
日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドライン2026も、同じ立場を明確にしています。すべてのじんましんの方に一般的な血液検査を行うべきではないこと、すべての方にアレルギーの検査を行うべきではないこと、そして手あたり次第に検査をすることは慎むべきであること。この3点が、学会の見解として示されています。
もうひとつお伝えしたいことがあります。原因が分からないことと、治せないことは別です。じんましんの治療は、原因を突き止めてから始めるものではありません。症状を抑えながら、出なくなった状態を保ち、そのうえで薬を減らしていきます。原因が分からないままでも、この道すじは変わりません。
じんましんが1週間続いているという方の多くは、同じふくらみが1週間残っているのではなく、出ては消え、また別の場所に出ることを1週間くり返しています。この2つは、まったく違う意味を持ちます。
出ては消え、また別の場所に出る。この出方こそが、じんましんのいちばんの特徴です。1週間くり返していても、ひとつひとつが24時間以内に跡を残さず消えているのであれば、じんましんとして矛盾しません。
ひとつのふくらみが1日たっても消えない、あるいは消えたあとに茶色い色素沈着が残る。この2つがそろうときは、じんましんではなく、じんましんに似た別の病気を疑います。ここが、じんましんかどうかを分ける最も大事な見きわめです。この場合は、早めに皮膚科でご相談ください。
慢性じんましんの境目は6週間ですから、1週間はまだ急性の範囲です。それでも受診をおすすめする理由が3つあります。
なお、かぜなどの感染をきっかけに出た急性じんましんは、適切な治療のもとでおおむね1か月以内に治まることが多いとされています。1週間の時点で治まっていなくても、めずらしいことではありません。
じんましんは、可能であれば皮膚科の受診をおすすめします。ただし、内科や小児科、アレルギー科でもじんましんの診療は行われています。お近くに皮膚科がない場合や、かかりつけの先生がいらっしゃる場合は、そちらでご相談いただいて差し支えありません。
皮膚科をおすすめする理由は、そのふくらみが本当にじんましんによるものかを見分けるところから始められるためです。24時間以上消えないか、消えたあとに茶色いあとが残らないか。この見きわめは、皮膚を診ることを専門にしている診療科がいちばん得意とするところです。
ひとつだけ例外があります。息が苦しい、ゼーゼーと音がする、意識が薄れていく。皮膚以外にこうした症状が出ているときは、皮膚科ではなく、ただちに救急を受診してください。
| 状況 | 受診先 | 理由 | 急ぎ方 |
|---|---|---|---|
| 皮膚のかゆみとふくらみだけ | 皮膚科がおすすめ | じんましんかどうかの見分けから始められます | 数日以内 |
| 息が苦しい ゼーゼーと音がする 意識が薄れる | 救急 | 皮膚以外の症状は緊急のサイン | ただちに |
| 食べたあとに運動をして出た | 皮膚科がおすすめ | 食物依存性運動誘発アナフィラキシーの可能性 | 早めに |
| お子さんで発熱や元気のなさを伴う | 小児科 | 全身の状態の評価が先 | 早めに |
| 6週間を超えてくり返している | 皮膚科がおすすめ | 慢性としての治療の組み立てが必要 | 早めに |
| 原因を徹底的に調べたい | 皮膚科から高度医療機関へご紹介 | 詳しい誘発試験は大学病院などで行います | 診察のうえで |
| 近くに皮膚科がない | 内科 小児科 アレルギー科 | じんましんの診療は皮膚科以外でも行われています | 数日以内 |
じんましんはアレルギーの病気だからアレルギー科ではないか、というご質問をいただきます。アレルギーが原因と確認できるじんましんは1%から数%にとどまるため、最初からアレルギーの専門施設をお探しいただく必要はありません。診察のうえで、アレルギーの精密な評価が必要と判断した場合は、専門の施設へご紹介します。
当院は千葉県船橋市にあり、習志野市 八千代市 千葉市 鎌ケ谷市からもお越しいただいています。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が保険診療で対応します。
じんましんの治療は、眠くなりにくい第2世代の抗ヒスタミン薬をのむことから始めます。効果が足りないときは、量を増やす、別の薬に変える、ほかの薬を足す、という順に段階を上げていきます。いきなり強い治療から始めることはありません。
| 段階 | 何をするか | 次に進む条件 | じんましんへの保険 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 第1段階 | 眠くなりにくい第2世代の抗ヒスタミン薬を通常量でのむ | まずここから始めます | 適用されます | 日常生活への影響が少ない薬を選びます |
| 第1段階の調整 | 2倍量までの増量 別の薬への変更 2種類の併用 | 通常量で効果が足りないとき | 適用されます | 国際的な指針は4倍量までを勧めていますが、日本では4倍量に保険が使えません |
| 第2段階 | オマリズマブ または デュピルマブ の注射を追加する | 増量などを行っても 日常生活に支障が出るほどのふくらみが続くとき | 適用されます。12歳以上 | 当院で行っています。保険が使えてもご負担は高額です |
| 第2段階の補助 | H2受容体拮抗薬 抗ロイコトリエン薬 トラネキサム酸 | 同上 | じんましんには保険が適用されません | 補助的に併用することがあります |
| 第3段階 | シクロスポリン | 第2段階でも足りないとき | じんましんには保険が適用されません | 慎重に検討します |
| 一般名 | 主な商品名 | 使い方 |
|---|---|---|
| オマリズマブ | ゾレア | 1回300mgを4週ごとに皮下注射します |
| デュピルマブ | デュピクセント | 初回600mg そのあと300mgを2週ごとに皮下注射します |
オマリズマブは、蕁麻疹診療ガイドライン2026で推奨度1 エビデンスレベルAとされ、じんましんの治療のなかで最も高い評価を受けています。デュピルマブは2024年に、特発性の慢性じんましんに対して日本で世界に先がけて承認されました。
これらの注射には健康保険が使えます。ただし、保険が使えてもご負担は高額になります。のみ薬とは金額の桁が変わりますので、実際に進める前に、費用の見通しを診察で必ずお伝えします。
じんましんに対して、ステロイドののみ薬を長く続けることはしません。蕁麻疹診療ガイドライン2026は、慢性特発性じんましんに対する経口ステロイドの連用について、行わないことを推奨しています。皮疹が抑えられるというだけで漫然と続けるべきではない、と明記されています。急性期にどうしても必要な場合でも、2週間以内にとどめ、早く離脱することを目指します。
薬のやめかたには順番があります。
治療の目標も数字で決まっています。じんましんのコントロールの程度を測るUCTという質問票があり、16点満点のうち12点以上が良好とされています。当院でもこの水準を目安に、薬の増減を判断します。
妊娠中や授乳中でも、じんましんの治療はできます。抗ヒスタミン薬について、これまでに催奇形性の報告はありません。授乳については、母乳へ移る量が5%未満であることが分かっており、妊娠中と同じ薬が勧められています。自己判断で我慢せず、ご相談ください。
慢性じんましんは、時間はかかっても改善していく方が多い病気です。広島大学から、日本人の患者さんを追跡した報告が出ています。
調べられたのは、抗ヒスタミン薬を通常の量でのんでも症状を抑えきれなかった117人です。つまり、治療がうまくいっている方をのぞいた、難しいほうのグループです。この117人の症状が改善した割合は、次のとおりでした。
| 経過した期間 | 症状が改善した方の割合 |
|---|---|
| 12か月 | 36.6% |
| 24か月 | 51.2% |
| 60か月 | 66.1% |
抑えきれなかった方たちでも、5年で3人に2人が改善しています。この報告では、初めて受診した時点ですでに平均27.4か月じんましんが続いていました。長く続いている方を含めての数字だということです。
この2つの数字からは、おおよその見当をつけることができます。初めて受診するまでに平均で2年3か月、そこから改善する方が3人に2人になるまでに5年。足し合わせると、じんましんが出はじめてからおよそ7年という時間の見当になります。論文にそう書かれているわけではなく、2つの数字を足しただけの目安です。それでも、月単位ではなく年単位で付き合っていく病気だということは、はじめにお伝えしておきたいところです。
海外にも同じような報告があります。慢性じんましんの685人を5年間追いかけた研究では、症状が出なくなった方の割合は5年で59.1%でした。日本と海外で、5年時点の数字がおおむね一致しています。
正直にお伝えしておきたいことが4つあります。
慢性じんましんと診断されると、この先ずっと続くのではないかと不安になる方が多くいらっしゃいます。見通しが立つだけで、治療は続けやすくなります。いま何合目にいるのかは、診察のたびにお伝えします。
じんましんで最初にやっていただきたいのは、出ているうちに写真を撮ることです。診察のときにはほとんど消えているため、写真が最も確かな手がかりになります。
明るい場所で、ふくらみ全体が入るように撮ってください。指や定規を一緒に写すと大きさが分かります。近くと少し離れたところの2枚あると助かります。
24時間以内に消えたかどうかが、診断の分かれ目です。正確でなくてかまいません。朝出て夕方には消えていた、という程度で十分役に立ちます。
食べたもの、のんだ薬、していたことの3つです。とくに解熱鎮痛薬は必ず書いてください。じんましんを悪くする要因としてはっきりしているためです。すべてを記録する必要はありません。
保冷剤をタオルで包んで当てるか、冷たいタオルで押さえてください。掻くと悪化します。冷やすとかゆみが一時的にやわらぎます。
体温が上がるとかゆみが強くなります。熱いお湯、飲酒、激しい運動は、症状が出ているあいだは控えてください。
症状が出なくなってからも数日から1週間以上続けたうえで、医師と相談してやめます。よくなったからと自己判断で中止すると、ぶり返しやすくなります。
息が苦しい、ゼーゼーと音がする、意識が薄れていく。このときは写真も記録も後回しにして、ただちに救急を受診してください。それ以外の場合は、写真とメモをお持ちのうえ、可能であれば皮膚科をご受診ください。当院はWEBからご予約いただけます。
心配のあまりされていることのなかには、やらなくてよいものがあります。
皮膚以外の症状が出たときが、危険なサインです。息が苦しい、ゼーゼーと音がする、意識が薄れていく。このいずれかがあるときは、じんましんの受診ではなく、ただちに救急を受診してください。
| ただちに救急を受診してください | 早めに皮膚科でご相談ください |
|---|---|
| 息が苦しい | まぶたやくちびるが腫れる |
| ゼーゼーと音がする | 1週間以上くり返している |
| 意識が薄れていく | ひとつのふくらみが24時間以上消えない |
| のどが詰まる感じがする 声がかすれる | 消えたあとに茶色いあとが残る |
| くり返し吐く 強い腹痛がある | 市販薬をのんでも治まらない |
まぶたやくちびるの腫れは、皮膚の深いところが腫れる血管性浮腫によるものです。腫れているのが皮膚だけであれば、ただちに救急という状況ではありません。ただし、のどのほうまで腫れが及ぶと息の通り道がせまくなるため、上の左側の症状が加わったときはすぐに救急を受診してください。
じんましんの診察は保険診療です。当院はWEBからご予約いただけます。症状が出ているときの写真をお持ちいただくと、診察がすすみやすくなります。お薬手帳もあわせてお持ちください。
可能であれば皮膚科をおすすめします。そのふくらみが本当にじんましんによるものかを見分けるところから始められるためです。ただし、内科や小児科、アレルギー科でもじんましんの診療は行われていますので、お近くに皮膚科がない場合はそちらでご相談いただいて差し支えありません。なお、息が苦しい、ゼーゼーと音がする、意識が薄れていくといった皮膚以外の症状があるときは、ただちに救急を受診してください。
1週間はまだ急性じんましんの範囲で、慢性の境目は6週間です。大切なのは、ひとつひとつのふくらみが24時間以内に消えているかどうかです。24時間以内に跡を残さず消えているのなら、じんましんとして矛盾しません。逆に、ひとつのふくらみが1日たっても消えない、消えたあとに茶色いあとが残る場合は、別の病気を考えるため早めに皮膚科でご相談ください。
うつりません。ウイルス感染をきっかけに出ることはありますが、じんましんそのものは感染症ではありません。お風呂やタオルを分ける必要はなく、ご家族と同じ湯船に入っていただいて差し支えありません。学校や職場をお休みいただく必要もありません。
ほとんどの場合は違います。食べ物などのアレルギーが原因だと確認できるのは、皮膚科を受診する方の1%から数%にとどまります。広島大学病院の皮膚科外来を受診した260人を調べた報告でも、76.9%は明らかなきっかけなく生じる特発性のじんましんでした。思い当たる食べ物がないことのほうが普通ですので、食事を片端から制限する必要はありません。
血液検査で原因が特定できることは、ほとんどありません。日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドライン2026も、すべてのじんましんの方に一般的な血液検査やアレルギーの検査を行うべきではないとしています。当院では、ほかの病気が疑われるときには血液検査を行います。さらに原因を追及したいご希望があれば、大学病院などの高度医療機関へご紹介します。
一時的な軽いじんましんであれば、市販の抗ヒスタミン薬で症状がやわらぐことはあります。ただし、じんましんの治療は薬のやめかたに順番があり、症状が出なくなってから数日から1週間以上続けたうえで中止するのが標準です。市販薬でその場をしのぐだけでは、ぶり返しやすくなります。くり返す場合や長引く場合は、治療の方針をご確認ください。
症状が出なくなってからも、しばらく続けてから減らしていきます。急性の場合は、完全に出なくなってから数日から1週間以上続けたうえで中止します。慢性の場合は、出ない状態を1か月から2か月保ってから量を減らすか、のむ間隔をあけていき、3日に1度のむだけで症状が出ない状態まで改善したら中止するか、出たときだけのむ形に切りかえます。自己判断でやめるとぶり返すことがあります。
時間はかかっても改善していく方が多い病気です。広島大学が、抗ヒスタミン薬を通常の量でのんでも抑えきれなかった117人を追跡した報告では、症状が改善した方の割合は12か月で36.6%、24か月で51.2%、60か月で66.1%でした。治療が難しいほうのグループでも、5年で3人に2人が改善しています。この報告では初めて受診した時点ですでに平均27.4か月続いていたため、足し合わせるとじんましんが出はじめてからおよそ7年という見当になります。これは2つの数字を足しただけの目安です。海外でも685人を5年間追いかけた研究で59.1%という近い数字が出ています。ただし改善と完治は同じではなく、経過には大きな個人差があります。
冷やしてください。保冷剤をタオルで包んで当てるか、冷たいタオルで押さえるとかゆみが一時的にやわらぎます。掻くと悪化するため、押さえる程度にとどめてください。体温が上がるとかゆみが強くなるので、症状が出ているあいだは熱いお湯を避け、お風呂の湯温は32度から34度にしてください。飲酒と激しい運動も控えていただくとよいです。
コリン性じんましんの可能性があります。運動や入浴、緊張で汗をかく動作をしたときに、粟粒から小豆ほどの小さなふくらみが散らばって出るもので、小児から30歳台前半の方に多くみられます。数分から2時間以内に消えるのが特徴です。うつる病気ではありません。人前に出るのがつらいなど生活に支障がある場合は、抗ヒスタミン薬で症状を抑えられますので、ご相談ください。
じんましんは、ひとつのふくらみが30分から24時間以内に跡を残さず消える病気です。1週間続いているという状態は、同じふくらみが残っているのではなく、出ては消えることをくり返している状態です。
このページの内容は、ふじもと皮フ科クリニック院長で日本皮膚科学会認定専門医・医学博士の藤本栄大が監修しています。院長プロフィール・研究業績はこちら
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