みずむし

みずむし

みずむしとは?

みずむし

 真菌(カビ)の一種である白癬菌が皮膚に角層に付着し症状を起こす感染症の一種です。

 感染する部位により、足白癬、爪白癬、体部白癬、頭部白癬など異なる病名がついています。

 気温が高くなり湿度が高くなる時期に白癬菌が繁殖しやすいため夏場が発症が多い傾向があります。

原因

 白癬菌の感染です。まず皮膚に白癬菌が付着し、角質を分解して角層に入り込み、発育することで患部が広がっていきます。

症状

 かゆみがあるとは限りません。足白癬は小水疱型、趾間型、角化型にわけられます。足の裏に水疱を作る小水疱型や、指の間がただれたりふやけたりする趾間型の場合は、かゆみを伴うこともあります。角化型のように足の裏の皮膚が厚くなりひび割れがでてくるもののかゆみはないものもあります。その他体部、股部に感染した場合は病変の辺縁が盛り上がり中央が治っていくような形態をとるものもありますし、爪では爪が白く濁ったり厚くなったりする場合もあります。

検査

 病変からとった皮膚の一部に苛性カリ(KOH)をかけることで顕微鏡で白癬菌が確認できます。

治療

 抗真菌剤の外用薬または内服薬での治療となります。

 足白癬、体部白癬の多くは外用薬で治癒できます。ただし、白癬菌は患部以外にも潜んでいる可能性があります。足白癬では趾間型であっても、足の裏全体、側面、趾間など広く外用するだけでなく、病変が片足であっても両足に塗る必要があります。

 爪白癬、頭部白癬や全身に広がった白癬などで外用だけでは治療が難しい場合は内服薬も使われます。爪白癬は特に治りにくく内服薬を使われることが多いです。

 

 代表的な内服薬は以下のとおりです。

・ラミシール 1日1回約6カ月間服用します。肝臓への副作用がみられることがあるため血液検査を行いながら服用します。

・イトリゾール 1週間内服し3週間休み、このサイクルを3回繰り返します。肝臓への副作用がみられることがあるため血液検査を行いながら服用します。

・ネイリン 1日1回3カ月間服用します。比較的新しい内服薬で副作用が少ないとされています。3ヶ月服用直後はまだ大きな変化がみられないことも多いですが、服用後約1年たつと爪がきれいになります。

 肝臓の病気がある方、または血液検査で肝障害が見られた方は、上記の内服薬は服用できません。その場合効果は緩やかですが外用薬が使われます。以下が代表的な外用薬です。

・クレナフィン 

・ルコナック

注意点

 銭湯やプールあるいは白癬患者がいるような家庭の足拭きマットでは白癬がうつりやすいとされています。足拭きマットやスリッパなどを共有した場合、足の裏に白癬菌が付着します。そのまま足裏が乾燥すると白癬菌も脱落しますが湿った環境であったり靴下を履いたりするとそのまま感染すると考えられています。

 人だけでなく動物にも白癬があります。白癬に感染した動物と接すると人にもうつります。また、柔道やレスリングなどの接触する格闘技で感染するケースもあります。このような場合でも接触後によく洗ったり拭き取ったりすることが重要です。

よくある質問

Q:感染した私は家では靴下を履いていたほうが良いですか?

A:家族内で感染を広げないためには靴下を履くことがよいと考えられます。ただし、湿った環境では白癬菌が繁殖しやすいため本人の白癬を治すためには靴下は履かない方が良いわけです。したがって感染を広げず治癒を促進するためには通気性の良い靴下やスリッパなどが望ましいと考えます。注意点としてはそのスリッパを共有しないようにしましょう。

 

Q:家族に広げないためには何に注意したらよろしいですか?

A:足拭きマットやスリッパなどを共有しないことが重要です。しかし仮に足拭きマットを共有したとしてもタオルなどで拭きとれば感染は発症しません。その他こまめにお部屋の掃除をすることも重要です。