青あざ(太田母斑・異所性蒙古斑)
太田母斑と異所性蒙古斑
太田母斑・異所性蒙古斑とは
【太田母斑】
主に顔面三叉神経領域第1枝および第2枝の支配領域(額~上下眼瞼・こめかみ・鼻~頬部)に出現する褐青色の色素沈着です。
生後半年程度で出現するのが多いですが出生時にみられることは稀です。思春期に色が濃くなることや、成人になってから発症することもあります。
【異所性蒙古斑】
蒙古斑は生後1週から1ヶ月ころまでに、青いシミがお尻や背中の下部にみられるもので、「おしりの青あざ」であれば、「蒙古斑」と呼ばれ、約96%の人で10歳ごろまでに自然消退すると言われています。
「おしり以外にできた青あざ」は「異所性蒙古斑」と呼ばれ、自然に消えないこともあるため、治療を早期に開始することもあります。ちなみに「異所性」とはおしり以外にできた、という意味です。
原因
【太田母斑】
通常のしみなどは皮膚の中でも体表に近い“表皮”と呼ばれる部分に発生することに対して、太田母斑は表皮の奥にある“真皮”という部分でメラノサイトが増殖することによって発症することが分かっています。メラノサイトが真皮で増殖する原因については、まだ正確にはわかっていません。
【異所性蒙古斑】
皮膚の深い部分の真皮の部分にメラニン色素を産生する色素細胞が見られることが原因で、青くシミのように見えます。 本来生まれてくるまでに消失するはずだった真皮の色素細胞が生後も消えずに残存していることが原因だと考えられています。
治療法
太田母斑は自然に消えることはなく、レーザーで治療を行います。 現在Qスイッチルビーレーザー、ヤグレーザー、アレキサンドライトレーザーが用いられ、レーザーの種類により多少の経過の違いや治療回数の違いが見られます。
また、異所性蒙古斑は7歳ころまでに自然に消失することもあり、残存するのは成人の約4%で、特に色調の濃いものや、灰色調の広範囲のものは残存する傾向があるといわれています。こちらもQスイッチルビーレーザー、ヤグレーザー、アレキサンドライトレーザーなどのレーザーで治療が可能です。
<Qスイッチレーザー>
当院では太田母斑、異所性蒙古斑に保険適応で治療ができるQスイッチルビーレーザー、QスイッチYAGレーザーを採用しております。
Qスイッチルビーレーザーは、さまざまなしみやアザを治療する、強力なレーザー治療機器です。 レーザー光は、ある特定の色素に反応し吸収される性質があります。ルビーレーザーは694nmの波長を有し、皮膚内部のメラニン色素を効果的に破壊することに優れているレーザーです。傷跡を残さずにメラニン色素のみを安全に破壊しますので、周囲の正常な皮膚を傷つけることがありません。
また、メラニンにおける吸収が高く、コラーゲンの吸収が低いため、正常組織に対する損傷が少なく、さらにヘモグロビンへの吸収が低いため、血管へも損害を与えません。 ルビーレーザー光は、色素と正常組織の吸収に対して、最もバランスの良い波長であるため、効果的にアザを治療することが可能です。
ディスカバリーピコプラスは、上記のルビーレーザーに加え2種類の波長を有するYAGレーザーを備えており、症状や病変の深度によって波長を選択できるレーザーです。個々の症状に応じて適宜設定を変え有効な治療を選択して治療を行います。
当院は数あるレーザーのなかでも、最も最大出力の高い設定が可能な「ディスカバリーピコプラス」にて治療をおこなっております。
よくある質問
Q:うつる病気ですか?
A:感染症ではないので、人にうつることありません。
Q:治るまでどのくらいかかりますか?ずっと保険適応で治療できますか?
A:ルビーレーザーにのみ、照射回数の制限があり、太田母斑は、保険適応で治療ができるのは5回までです。 アレキサンドライトレーザー、YAGレーザーには、治療回数の制限はありません。
Q:保険適応で費用はどのくらいかかりますか?
A:一部位につき3割負担で約7,000円~13,000円です。 (部位と面積により異なります)