赤あざ(単純性血管腫、いちご状血管腫、毛細血管拡張症)

赤あざ(単純性血管腫、いちご状血管腫、毛細血管拡張症)

赤あざについて

 いわゆる赤あざは、血管の腫瘍、血管の奇形から血管の増殖など様々なものが含まれ、国際学会で病理学的に分類されているものの、実際には形態や部位などの臨床症状や、経過から診断されます。現在保険診療でレーザー治療が可能なものは、単純性血管腫(毛細血管奇形)、いちご状血管腫(乳児血管腫)、毛細血管拡張症です。また、レーザー治療が適応であっても治療には限界があるものもあります。

単純性血管腫(毛細血管奇形)

 多くは生まれつきみられる平坦で赤みのある比較的境界がはっきりした赤いあざです。顔面や体幹に生じることが多く、多くは成人まで消えることなく残ります。成人になると色が濃くなりコブ状に結節を形成することもあります。

<治療>

 整容的な問題だけでなく精神的な発育に影響を及ぼすこともあり、さらに将来的に色が濃くなりコブ状になることもあります。また成長するとレーザーの効きがわるくなるため早い段階での治療が望ましいと考えられます。ただし、完全に消失するとは限らず、目立ってきたらその度に治療を行うことも多いです。レーザーは、赤み(ヘモグロビン)によく反応する色素レーザー(Vビーム)が有効です。

いちご状血管腫(乳児血管腫)

 生後数週間後に小さな赤みから次第に大きくなり、1年ほどかけて大きくなります。その後徐々に自然消退しますが、7歳を超えて残るものは完全には消えないものの、多くは平らになります。

<治療>

 かつては自然消退があることから経過観察(wait and see)が基本姿勢でしたが、現在ではプロプラノロールという内服薬が推奨されています。また、有効性については議論のあるところですが、色調の改善目的でレーザー治療を行うこともあります。将来的に瘢痕やだぶつきが残る場合は手術的な治療が必要となることもあります。

毛細血管拡張症

 頬や鼻周囲、あるいは足などに細かい血管の拡張があり赤みが目立つ状態です。いわゆる赤ら顔の症状の一つとしてみられることもあります。

<治療>

 IPLやNd:YAGレーザーを使用することもありますが、赤み(ヘモグロビン)によく反応する色素レーザー(Vビーム)が最も有効です。

 

 Vビームについて